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谷本真由美さんの「世界のニュースを日本人は何も知らない」を読む

25年以上勤めたお堅い職場を早期退職して、現在、小学生男子を育てながら主婦をしているまめさとです。
子供の春休みが終わり、スポットバイトやら習い事やら読書やらとバタバタしております。

さて、今回手に取った本は谷本真由美さんの「世界のニュースを日本人は何も知らない 4」です。
元国連職員で、コンサルやベンチャー企業、外資系金融機関など様々な業種・場所で働きつつ、現在、ロンドン在住の著者。

国際社会における各国の思惑、ロシア問題、といったちょっと堅めの話題から残念な観光名所や日本にしかない独自文化といったとっつきやすいものまで、幅広い内容について、日本の報道では伝えられていない海外でのとらえ方について紹介されています。

たとえば、日本ではさもヨーロッパでは SDGsに積極的に取り組んでいるという感じで伝えられていますが、実は一応やってますアピールだけでそんなに行われていない、とか。
日本の難民政策はひどいといわれているが、実は経済難民を国外に追放しているイギリスやオーストラリアの話とか。
そのような、「まさか!」という話がてんこ盛りです。

と言いつつ、やっぱりそうだったのね、とも思いました。
「先進的な取り組みをしている欧米では・・・・」みたいな論調で語られるシーンをしばしば目にします。

しかし、ジェンダーレストイレの話が出てきたあたりから、本当にこれって先進的なことなの?という疑問がふつふつと。
欧米のやり方が素晴らしくて、かの地では本当に大勢がそれを受け入れてるのかって。
欧米といっても、ヨーロッパ内でもかなり差異があるし、いわんやヨーロッパとアメリカでは全く別文化だと思いますが。

個人的にヨーロッパやアメリカと関係が深い人から話を聞いたり、自分が見てきた狭い範囲のことで言うならば。
実は差別禁止が行き過ぎた結果、白人男性が母国ですごく生きにくくて逆差別を感じているとか、誠意をもって移民を受け入れたけれども、結局なじめずに治安がめちゃくちゃ悪化しちゃっているとか・・・。
いろんな国でいろんな不具合が起こっているという話を実際に耳にします。

インターネットの世界もそうですが、結局、声の大きな人の主張が目立つんですよね。
声高にいろんなことを言っている人が、実際の現地の現状を伝えることなく、目立つところだけを取り入れて、無理矢理に日本にそれを導入しようとしているのでは・・・という気がしなくもありません。

谷本さんのこの本の内容も何かしらのフィルターがかかっているのかもしれません。
しかし、最近の日本のマスメディアの均一性・偏向性は少し気持ち悪いと思っていたので、すっきりするところがありました。

それにしても、他国で「先進的」として取り入れたものが、実は問題ありありで、以前のやり方に戻しているのに、特定の企業団体の利益のために、周回遅れでそれを取り入れようとするのだけはやめてくれ・・・・そんな風に切実に思います。

年を経た今、私は昔の日本の、白黒はっきりせず、まあそこは適当にという解決法って結構、社会を円滑にするにはいいのではないかと思っているのですが。
そういうのも昭和で時代遅れな考えなんですかね・・・。

本日の写真:ポピーの花畑(ケシ科)
実物はもっとカラフルな花が一面に咲いていて、とても素敵な光景でした。

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