兄弟の絆
「長女だけズルい!」
最近長男がよく言う。長女が何か特別なことをしてるわけではなく、親からすれば、些細な違いなのだが全く同じじゃないと全てズルいことになるらしい。
喧嘩の原因の一つ。
兄弟とは、よく喧嘩するもので、喧嘩してうるさければ仲良くてもうるさい。
思春期に入って喋らなくなって静かになるのも寂しいかもしれないが、うるさくて次男が眠れない。
長女がお腹にいた頃、長男はよく「はらぺこあおむし」の本を読んでくれた。
このとき長男は2歳3、4ヶ月。読める平仮名だけ読んだり、あおむしの歌を歌ったり、まだ見ぬ妹のために兄になる準備をしていた。
生まれたら病院へ顔を見に来てくれた。
胎名のニマメちゃん(2番目のマメでニマメ)で呼んでいた。小さい手と足に興奮気味だった。
2歳差だとライバルになり、赤ちゃん返りもすごいけど、長女が1歳2ヶ月ぐらいには、ようやく認めることができたのか、一緒に遊べるようになった。
初めて一緒に遊べたのは、おままごと。
言ったことが通じなくても怒らずに遊んでくれた。
そして、次男がお腹に来た頃、喧嘩も増えふざけ合うことも多くなった。
食事中、おでこに手を当て舌を出して変顔して笑い合っていた。
夏、妊婦。これだけでもしんどいのに食事が終わらない。しかも平日の朝食。
早く食べろ、こっちはこれから検診なんだよ、急いでくれと何度も怒り保育園へ送り出し、検診のときに見たエコー。
次男もおでこに手を当て舌を出していた。
君もか。君も母を困らすのか。そんなところ似なくてよろしい。
見えてるものなのかわからないが、兄弟というのは不思議。
そして今度は長女が、お腹にいる次男のために「はらぺこあおむし」の本を読んでくれた。
長女は字が読めないからあおむしの歌を歌ってくれた。
「あぁ、あのときお腹にいた子が、あのとき兄にしてもらったことを下の子にやってる、、」
感慨深かった。
兄は妹に兄にしてもらい、姉は弟に姉にしてもらう。
弱き物を守ろうする気持ち、愛でようとする気持ちの成長を感じた。
「次男はここね」
3人で初めて遊んだのは、やはりままごとだった。
わけもわからぬ次男がバンボに座らされ、3人でテーブルを囲んで上2人が笑い合っていた。
それはちょっと、いや、だいぶ幸せな光景。
今日も兄弟喧嘩し、ママに怒られ、仲直りし、テンション上がりまた怒られ、そんなことを繰り返して眠りについた。
次男、10ヶ月。
「はらぺこあおむし」が好きでこの絵本を持ってきて体を揺らしてリズムを取る。
歌のリクエスト。
お腹の中にいたときから聞いてるあおむしの歌。
「はらぺこあおむし」で繋がる兄弟の絆。
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