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バレエもしくは舞踊の為の台本『とある田舎の風景』 一幕の短いバレエ、あるいは舞踏

登場人物
 男
 四人の女たち
 理髪店の主人 
 金物屋の主人
 金物屋の女将


幕があくとそこは田舎の商店街にある広場である。上手側には理髪店があり、ドアから出入りできる。店の前にはサインポールが回転している。下手側には金物屋がある。こちらはドアはなく店先に様々な道具が陳列されている。

   第一景
男が理髪店から出てくる。金物屋の店先にあるホースを購入する。ホースを引き摺って歩く。ホースを身体中に巻き付けたり、振り回したり、蛇のようにうねらせたり色々活かす。最後には口に咥える。

   第二景
そこへ赤いロードコーンを抱えた女たちが四人現れる。女たちはロードコーンを転がしたり、あちこち置いたり、蹴ったりして色々活かす。

   第三景
女たちは男の周りを取り囲み周りを回る。やがて男の頭に順々にロードコーンを被せてゆく。

   第四景
口にホースを咥え頭にロードコーンを被さったまま、男は立ち去る。その後を女たちも追って立ち去る。

   第五景
理髪店のドアから主人(理髪店)が鋏を持って登場する。自分の髪の毛を切ったり、店先にある植木や花壇の花を刈ったりしてゆく。

   第六景
金物屋から主人(金物屋)が現れてチェンソーを振り回す。しばらくして大きなポリバケツを持った女将が現れる。女将はポリバケツの蓋をバケツ本体に叩き付けて音を出す。理髪店の主人、金物屋の主人、女将の三人はちんどん屋のように舞台中を練り歩く。そこへホースを身体中巻き付けて口に咥えた男、ついでロードコーンを抱えた女たちも上手下手それぞれから参加してフィナーレを迎える。
幕。

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