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本当の「寝たきり」とはどういうものか教えたる

現実を見ろ

アラフォーのわたしは「ナースのお仕事」で育ち、「救命病棟24時」や「医龍」をみてハラハラドキドキしたものだった。
実際に病院で働いてよくわかる。
「あれはドラマや!」
医療従事者なのでXを見ていても、つい医療的なツイートに目が行きがちになる。少し前に嘱託殺人ニュースが話題になった。ALS患者が医師に安楽死を求め、医師もそれに応じたというもの。最近の判決では医師に有罪判決がくだり、難病患者団体は「殺人だ!」と訴えていた。
まぁ第三者からみで事象だけに目を向ければそうかも。だけどそこには安楽死を求めた本人の気持ちがあったからだよね?
大変な病気になっても前を向き続けることができる人と、そうでない人がいる。そうでない人の逃げ場を否定するのってどうなんやろ。
近くで進行していく症状を見る機会がそのへんの人よりも多い私はALSという病気はとても辛い病気だと知っている。
もし自分がALSやパーキンソン病などの難病になったら…医療従事者では一度は自分に置き換えて考えたことがあるはず。私ならここまでいったら安楽死したいというラインがあるし、安楽死の制度はやく出来てほしいなと思っている一人だ。

どうやら世間は「寝たきり」がわかっていない様子

Xでコメントを見ていてよく感じるのが、医療従事者のいう「寝たきり患者」と、やいやいクソリプを送っている人が思う「寝たきり」はかなりかけ離れているようだなと感じた。
ドラマの入院シーン、特に植物人間の入院シーン。あれを想像しちゃってるのだろう。
「あんなキレイな患者は存在せーへんから!」
さて、どんな感じなのか順に想像してください。
体のあちこちは点滴の跡で打ち身になったような色に変わり、肌はカサカサで粉吹きまくりor皮脂でべったり。皮膚が破れるギリギリのびっくりするような浮腫みや、まさに骨と皮の状態のガリガリ。お風呂なんて毎日入れないし、歯も磨いてくれない(ささ〜っと看護婦さんが拭いてくれる程度)なので強烈なニオイ。口も閉じなくなってくるので、地獄の表情。顔の産毛やヒゲもボーボー。手も洗えないから、手のひらや指の間からはもはや陰部のようなこもったニオイ。褥瘡や壊死でもしてたら遠く離れた場所からでも腐ったキツイ臭いがする。そして自分で動かさない体はどんどん筋肉が萎縮し、関節が固まる。指はガッチガチに曲がった状態で固まり、肘も肩の関節もギューッと縮こまった状態で固まる。足もどんどん固まる。もう膝は伸びないので立つことなんてできなくなるし、座ることさえできなくなる。足が変なバランスで固まっていくので体も一緒にねじれて固まる。
こうなると実生活では何が大変かって、着替えにお風呂、特に1日に何回も必要になるおむつ交換。もう最低2人はおむつ交換に必要。曲がった関節を伸ばすのにかなり力がいるし(最終的には伸びなくなり)痛い、そしてキレイに洗えないのでどんどん汚くなる。どんどん臭くなる。赤ちゃんのおむつ替えるなんてかわいいもんだけど、老人の動かない重たい体を無理やり引っ張って足伸ばして、きたない部分を流して新しいおむつ換えてもらって。こんなけしてもらってるのに、抵抗し暴言を吐き、引っ掻いたり叩いたりしてくる人までいる。
…どう?これがもし自分の家族でも出来ますか?これ時給1200円程度でヘルパーさんやってくれてます。賃金安すぎちゃう?
あ、もちろん自分でご飯は食べれない。鼻から胃まで通したチューブに流動食を流す。鼻から胃にチューブを通しているので、喉のあたりには唾液や鼻水や痰などの分泌液が絡みつく。チューブは定期的に交換。胃まで届いているチューブを鼻からズズ・・・と引っ込ぬきまた新しいのに入れ替える。
胃に直接穴を開けている人もいる。数十分の手術を行う。お腹に新たにチューブのようなものを取り付ける。これも定期的に交換しなきゃいけない。
胃から栄養を取り込めなくなってきたら、いよいよ点滴。高カロリーの栄養満点の点滴を首や太ももの付け根から太い血管にブスーーーーとさして栄養を入れられる。その点滴の針も、感染症を起こし発熱など引き起こすのでまた定期的に入れ替える。
さてこれらには入院していたら医療費がかかる。もし在宅で介護していても介護費用がかかる。そして安くないおむつ代がかかる。これは年齢や、収入によって自己負担額が違ってくるから後期高齢者や難病の患者さんなんてもう医療費はタダみたいなもん。だからこそ家族はそのまんまにしておく。だって年金が入るんだもん。年金≫医療費で本人はお金使わないんだから勝手にお金が貯まる。もう本人は意識もないから、そのお金どうなっててもわかんないもんねぇ。

実際の画像や動画は自分で検索を

検索ワードは「高齢者 拘縮」「高齢者 寝たきり」で。「褥瘡」や「壊死」はかなりきついので興味がある方はどうぞ。だいたいはイラストの画像出てくる。でも実際の写真を見て、自分の家族や自分がどうなる可能性があるのか。また延命治療の必要性や、意義。自分や家族の治療をどこまでするのか。などなど一度考えたほうがいい。なーんも普段から考えてなくて、いざというときに「じゃぁできるとこまでやってください」っていう人多すぎやねん。元通りになるわけないんだから。延命治療をして伸ばすのは命。
じゃぁその人の人間らしさが戻るのか?その選択ってほんとうにそれで良かったのか?ほんとに高齢者自身、高齢の家族を持つ方は今一度考えてほしい。


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