kochi 東風

同じような毎日にみえてもやっぱりちがうよね、ということを意識できるようになりたい。 そ…

kochi 東風

同じような毎日にみえてもやっぱりちがうよね、ということを意識できるようになりたい。 それと、ちいさな良いことに気がつくのが得意になりたい。 そのための覚え書きのようなものです。

最近の記事

『風のつよい日に』

ふいに、森ゆにさんの『風がつよい日に』が流れてきた。 その瞬間、一気に、大好きだった場所と時間に連れて行かれてしまった。 水路沿いの木立が落とす黒々とした夏の影、川の浅瀬の水面をコロコロと転がるひかり、西日でオレンジ色に染まる食卓。カナカナとひぐらしが鳴く夕方の風が少し涼しく感じたこと。 何故か夏の日のことばかりを思い出した。 もうそこに行くことはない、と初めて少し涙が出た。 でも、そこで過ごした時間と思い出が今の私を作ってくれたのです。 そして、私は今の私がとても好きだ

    • 爪切り、で気づいたこと

      ずっと爪を切るということが好きでは無かった。もちろん、指先を清潔にしたいから伸びてくれば切っていたけど、毎回、なんかイヤやなあと思いながら切っていた。 ある日考え事をしていたのだろう、まず始めにパチンと切ったのは左手の薬指。あっ、小指忘れてた、と思ったけど、ふと次に親指を切ってみた。続いて中指、人差し指、最後に小指。 あっ、自由や。 爪を切る順番を誰かにこうしなさいと言われた訳ではないのに勝手に、順番はこう、と思ってた自分に気がついた。 こんなささいなことにまで自分で自分を縛

      • ビバ!オリジナル人生

        地下鉄の改札を抜け、地上に出る階段の上り口に向かって歩く。この通路長いんだよなーと思いながらどんどん歩く。 突然雨のにおいがした。まだ階段を上ったわけでもないのに。アスファルトと雨が合わさった湿ったにおい。 間違いなく雨やな。カバンの中の折りたたみ傘の存在を確認してホッとする。 そして、先ほどまでいた場所は曇り空が近かったな、と思った。 昼食をホテルのビュッフェで食べていた。 最上階から見下ろす街はジオラマのようで、ここに私の知らないひとたちのいろんな生活が息づいているんだ

        • 聖書のような詩集

          長女が古書店で見つけたと箱入りの北原白秋の詩集をみせてくれた。 なんかさあ詩って難しくない?と聞くと、よく分からなくても言葉の選び方とかリズムとかそういうところが好き、とかでいいんじゃない?と言う。 なるほどね、難しく考えすぎてちょっと避けていたなあ。見せてくれた詩集は愛らしい詩がたくさん載っていて羨ましい。 ということで、さっそく詩集探しに出掛けた。秋の京都はいくつか古本市が開催されるから、私もそんな詩集を探そうと張り切って古本巡りをした。でも思っているような詩集を見つける

        『風のつよい日に』

          可愛いお節介

          最近リニューアルしたスーパーで、豆乳鍋の材料をレジかごにポンポンと入れていた。 豚肉、木綿豆腐、白菜、白ねぎ、えのき…えのきの横にある椎茸。うーん…平台の上の二種類の椎茸を見つめて迷う。例に漏れずやっぱり高いなあ、まあこっちにしよか、と手に取ろうとしたその時、ガラガラと野菜を乗せた移動台が真横に止まり、ちょっと待って!と声がした。 私の手は椎茸パックの手前で伸びたまま、横を見た。白髪が少し混じった髪をひとつに括った小柄な女性のスタッフさん。ちょいちょいと手招きをしてる。訝し

          可愛いお節介

          今日の可愛いもの

          可愛いものを見た。見ただけなんだけど、脳ミソの形がハート型に変わったかも、と思うほどハッピーな気持ちになった。 今日見た可愛いものは、まっ黒のポメラニアン。 飼い主さんと横断歩道を渡る小さい歩幅の小さい足。そして、まっ黒な顔の中で、ピンクいろの小さい舌がピッと見えてたこと。目が釘付けでした。 昨日見た可愛いものは、茶色のポメラニアン。 ふわふわで小さくてどこから見てもポメラニアンなんだけど、表情がキュッと眉間に力が入ってるようなちょっと渋い顔。なんで?可愛すぎる! 飼い主

          今日の可愛いもの

          心に残った朝のシーン

          車での移動は、その場所その場所を一瞬通り過ぎるだけなのだけれど、その一瞬に目に焼き付いたものは私の中で忘れたくない大切なシーンとなることが多い。 次男を始発駅まで送り、いつもの川沿いの道を走らせていた。この道は春は桜でピンクに染まる。 信号が赤になり、橋の手前で停車した。 橋の上で自転車に跨ったままスマホを触っている女子高生が視界に入った。肩あたりまでの髪で顔は見えないが活発な雰囲気だ。すると突然ぱっと顔をあげた。スマホを持った右手を大きく振り始める。身体が左右に揺れるほど

          心に残った朝のシーン

          東京、好きかもしれん

          春から長男が東京で暮らすことになる。 知人もおらず、土地勘も無い。 一度雰囲気を見に行こうと1泊で東京へ行くことに決め、気になる街を幾つかピックアップしておいて、と伝えた。 ようやく出発の二日前に『ここに行ってみるわ』と提案してきた街はひとつだけ。 慎重に物ごとを考える息子のことやから、このひとつを選んだ理由はハッキリとしてるんだろう。わかった、と答えた。 新幹線こだまで東京駅へ。こだまって各駅停車の新幹線やったんやね、と初めて知った私たち。 地下鉄から地上へ出て、先ずスー

          東京、好きかもしれん

          トンビ!…じゃなかった

          いただいた美味しい鰯のみりん干しをお昼ご飯のお供に食べながら娘が、買いたいものがあると言う。じゃあ街まで行こう!と急遽決まり、行かないという息子に、いってくるねー!と留守番を託して出発しました。 車の中でいつものように他愛ない話でけらけら笑い、山あいの国道を街に向かって下りました。 橋の手前の信号で停り、さあ青、とギアをローに入れ発進した瞬間、どこからか大きな鳥がフロントガラスに向かって飛んできた。 うわっ!と急ブレーキを踏んだらスレスレのところでフワッと上昇し上手く私の車

          トンビ!…じゃなかった

          夏の名残りのラムネ瓶

          午後から隣の県のスーパーまでお買い物。 いくつもトンネルを越えていく道のりはのんびり走れるお気に入りのドライブコースです。 あればいいな、と思っていた瓶のラムネサイダーが残り1本で、慌ててレジカゴに放り込みました。写メして息子に送ると、あったん?ありがとう!と直ぐに返信が届いた。夏の名残りのラムネ、お風呂上がりに楽しんでな。 気がつけば1時間もうろうろしていて、飲もうと思っていたジューススタンドのパインジュースは次のお楽しみにしました。 パインがこんなに好きになるとは思って

          夏の名残りのラムネ瓶

          一日講座に参加した

          しばらく前の新聞の小さなお知らせ欄にあった 文化センターの一日講座。 当日になると行きたい気分がなくなる気分屋のわたしが現れないかなーと少し心配だったけど朝からいそいそと持ち物準備して参加してきました。 自分で自分の身体を整える、そんなことを丁寧に楽しく教えていただきました。 途中で自分の腕に触れて驚きました。クリームも乳液もなにも使っていないのに今まで触ったことのないもっちりときめの整った肌に。 次の機会にも是非参加をしたいです、と先生にお礼を伝えたあと、鏡に映った自分に更

          一日講座に参加した

          夏休みのような日/大きな三日月

          今日はゆったりと穏やかな職場でした。 仕事やけど、夏休み、みたいな。 一緒にお仕事してくださったみなさん、今日もいちにちありがとうございました。 仕事帰りの空は絵画のようでした。 ブルーグレイにダークグレイ、ぽってりとした白い雲。それらの間からしっかりとした水色がところどころに見えて。 写真、写真!とカメラ機能を立ち上げるまでにタイミングを逃すことが多い私。 もう自分の目でしっかり見ることに決めました。 夜は大きな三日月が低いところで光っていました。クレーターが見えそうなほ

          夏休みのような日/大きな三日月

          雲の布団/弘法さん

          今日は21日、弘法さんの市。 青空の下、車を走らせる。 遠く真正面に愛宕山がくっきり見える。 愛宕山、竜ヶ岳、三頭山のうえにだけ ふっくら厚みのある白い雲が浮かんでる。 綿のお布団掛けてもらってるね。 今日は休憩?おやすみなさい。 さて、弘法市。 絵のモデルになってくれる小さくかわいいものだけ、と心に誓いながらいざ出陣! 編みかごからチラッと見えたお人形が気になりくるりと後戻り。 小さくかわいいものが増えたけど、いいの。 かわいいから。 今日も暑い一日でした。 もう少し涼

          雲の布団/弘法さん

          空は秋に近づいた

          今日の空、ぐーんと高くなっていました。 その高いところの淡い水色に刷毛でサッと描いたような雲。 送り火が終わると京都の夏はいったん終わりです。 きっとまだ残暑は続くけど、大切な行事で区切りを感じることは良いことやと思いました。 京都生まれ京都育ち、やのにまだまだ知らないことばかり。 来年からは京都の行事をしっかり感じて生きていきたい。 こんな感じで心に響いた小さなことを覚え書きのように残していこうと思います。 上手くいかなかった日も、きっと覚えておきたいできごとがひとつはあ

          空は秋に近づいた