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アプリで素敵な人に出会ったけど振られた話

 時系列が逆なのだが、婚活記録をnoteに残そうと思って書いた最初の記事をとりあえず投稿しようと思う。7月6日現在に読み返すとかなり感傷的ではあり、今はだいぶ立ち直っているが、記念にそのまま投稿しようと思う。以下を書いているのは2024年6月19日30歳の私である。

 5月18日にアプリの人に会ってから振られるまで、始まってもいなかった恋に対して身も心も沢山エネルギーを使った、怒涛の日々だった。

 今でも、ふとした時に自分を責めたり、無気力になったりする自分を見かねて、今これを書いている。自分で自分に呆れるということを散々頭の中でやったけど、結局そんな自分を次のステージに進められるのは自分しかいない訳で。人に話せば「そんなこと当たり前!」って言われる事でも、自分のために、気が済むまで書いてやろうということになった。

 婚活カウンセリングが終わって、婚活の準備ができた!アプリも始めた!という時に、最初にマッチングしたのがこの人だった。ダメ元で自分からいいねを送ったのは、マスクをした写真でも目元から伝わる爽やかさと、プロフィールの文章が穏やかだったから。ささやかな日常でも一緒にいると楽しめる女性と出会いたいですって書いてあった。そうしたらマッチングして、「僕も仕事を頑張っている人が好きです」と来たから、嬉しかった。行きたい国がフィンランドでピッタリ一致したり、インテリアが好きって言ったら良いですね楽しそう!って言ってくれたり、メッセージに嫌な部分が無かった。まだ会っていないのに褒めてくれたりして、何だか人を喜ばせるのが上手な人だなと思った。向こうからお話ししてみたいですって言ってくれて、会うことになった。

 初対面で、「イケメンだ。だからこの人、私のこと好きになってくれないかもしれない。」と思った。今思うと、こう思ってしまう自分が悲しいし、最初の感想が結局当たっていたことに涙が出てくる。カフェで夕方に会ったけど、予約をしてくれていて、角っこの向かい合わせじゃない対角線で座る席だったのもあって、すごく話しやすかった。沢山話して、話してくれる人が好きと言うので私も頑張って話をして、その日のうちにまた次会いましょうって言ってくれた。嬉しかった。

 今まで、こんなことなかった。それは、自分がいいなと思った人が、自分のことを良いと思ってくれている可能性が感じられること。楽しい。こんなに楽しいんだ。と思った。次に会うときまでに、いっぱい頑張ろうと思った。とにかく痩せなきゃ!と思ったら、甘い物をスッパリ辞められた。次着ていく服に悩んで、数日前から鏡の前で合わせて、シワができないように洗濯し直した。仕事がしんどくても、今週末も自分にはデートの予定があるんだと思うと、気分が明るくなった。

 2回目は、ランチに行った。ランチに行って、カフェに車で連れて行ってもらった。沢山話をして、デートでどこに行きたいかとか、旅行の話をした。正直、ものすごく話が面白いわけではなかった(笑)。けど、嫌なところはやっぱり見つからなかったし、LINEも聞いてくれたし、次も向こうから誘ってくれた。次は2週間空くから、もっと綺麗になろうと思って、眉毛を整えたり脱毛に行ったりした。料理も、唐揚げが好きだと言うので得意料理にしたいと思って唐揚げを作った。

 でも、ドライブに誘ってくれて返信しても返事が無かったり、3回目の日が「資格試験だから」と突然延期になって、いいよと言っても返信がそっけなかったあたりから、何となく雲行きが怪しくなっているのが分かった。でも、前回会った時の様子からは次も大丈夫そうだったし、いったいなぜ、何が起きているのか分からなかった。

 で、約束の4日前にあっさりLINEで振られた。「アプリで会っていた他の人とお付き合いすることになったので行けなくなりました。」オンラインだけのスピード失恋。それが余計に辛さを加速させた。ここで、「いやいや初めから同時進行だったんでしょう」とか、「行けると思ったのは、あなたの思い上がりでしょ」と言う声が聞こえてくる気がする。しかし、何よりも自分の中の自分が一番自分にこの言葉を投げかけているので、お願いだから他の人はこれを言わないでほしいのだ。

 分かってた、そんなこと。でも、初めての楽しい経験とアドレナリン大放出状態の自分に、完全に冷静な判断力を奪い取られていた。

 LINEが来たのは夕方に職場で学会発表の統計解析をしている時だった。全身の力が抜けるのが分かったが、とりあえず力を振り絞ってパソコンを畳んで帰った。その日の夜は婚活カウンセリングのslackに書き込んで、母に電話したけど、涙は出なかった。次の日の朝、職場のロッカーでようやく涙が出てきて、先輩や脱毛サロンのお姉さんに話を聞いてもらって、ココナラの10分1000円相談やさんにも電話相談して、なるべく隙を埋めるようにした。さらにその次の日は、カラオケに行ったのかな。その次の日は、散歩した。隙間が出てくるようになると、隙あらば自分を責めた。

 結局、どちらか選ぶとなった時に選ばれないのが自分なんだとか、蛙化現象を起こさせてしまったのかなとか、やっぱり顔と話し方なのかなとか。せっかく婚活を終われると思ったのに、また0からのスタートで、その事実にも絶望してしまった。ここまで報われない恋愛ばかりで、まだ叶うことがないのかな。そんなに悪いことしたかな。とか。余計な考えが頭を巡り続ける。考えても仕方ないと分かっていても、頭の中はいっぱいになる。正解を選択肢の中から選ぶことと、正解を自分の体と心が実現することは、別物なのだ。

 気にせず次に行けば良いとか、女性は追いかけない方が良いとか、まだ始まってもなかったのにとか、アプリ以外からリハビリした方が良いんじゃない?とか。
いろんな人の言葉が有り難くて、でも聞くのが辛い。何故かというと、自分の経験のなさや、思い上がりや、冷静さに欠けていた事実を突きつけられるからだ。

 これからどうしよう。またアプリが良い人が見つかるんだろうか。頑張り続けるのだけど、時々無になるこの気持ちはどうしよう。やることリストを作るけど、これをやったところで良い人と出会えるのか?不安。

 今1つだけ、自分の中で揺るぎないもの、自分の核にしたいことがある。それは、今回みたいなことは、ただ起こることで、信じるものは確実に減ったけど、それでも精一杯人に優しくして生きていくことが、それに対する唯一の抵抗であるということ。これは私の大好きな新聞記事の一節である。どんなに人に傷ついても、ただ人に優しくし続けること。それが唯一今回の事実に抵抗できることなのだろうなとは思っている。人には多くを求めないし、なるべくイライラした態度を取らないこと。自分にいい加減なご飯を食べさせないし、自分をしっかり寝させるし、休ませること。

 やることリストは、半年後の自分という目標を達成するために、作った。これは、自分のためのやることリストだ。自分に優しくするために、自分が好きな自分になるためにやることリストだ。

 どうしたら、何をやればいいか分からなくなることがあるけど、今思いつくのは自分にも人にも優しくすること、自分のために動くこと、辛い時は自分を責めないこと、涙が出そうになったら目を瞑ること、夜は色々と心が危ないからとにかく早く寝ること、だろうか。

 これが今の答えで良いかな。良しとするか。自分が良しとしない限り誰も良しとしてくれないのだから。

 よし、精一杯の優しさを持って歩いていくぞ!





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