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2021年9月23日ひとりミリオン(坂本サトル『レモネードデイズ』のこと)

坂本サトルさんのラジオ番組『坂本サトルのひとりミリオン』(FM青森 毎週木曜21:45~)のリスナーです。
サトルさんが、ご自身の楽曲について語る言葉を記録していきたいと思い、noteを始めました。
読んでいただいたメールと、サトルさんのコメントを記載します。

2021年9月23日 放送『坂本サトル ひとりミリオン』より
(まめきちのメール)
こんばんは。サトルさんお怪我大変でしたね。
早く完治されるようお祈りしております。
(筆者注:この1週前、サトルさんはくさむらに落っこちて、額を縫ったり指を骨折したりと、穏やかならぬケガをしていました)

今回のメールテーマはフリーということで、私の頭の中の妄想にも近い、拙い思いをメールしてみます。
サトルさんの楽曲『レモネードデイズ』が大好きで、昔から何度も繰り返し聞いています。聞いているうちにふと思い至ったことがあります。
2000年に発売のアルバム【終わらない歌】収録の『レモネードデイズ』ですが、この曲は80年代音楽へのオマージュが込められた楽曲ではないか?、
ということです。
『レモネードデイズ』は、エコーのかかったシンセサイザーの荘厳な響きのイントロで幕を開け、それにチリリリ…といった、カセットテープやラジオ、電子音のようなノイズが入ります。
ボーカルもまたリバーブを効かせており、歌詞と相まって、ノスタルジーな雰囲気を醸し出しています。
と同時に、このアルバム中の他の楽曲はギターやバンドサウンドで構成されているため、多様な加工が散りばめられた最後のこの一曲だけ、異色の印象であるとも言えます。
このエコーの効いたシンセのイントロを聞いて、私が想起したのは、1984年発売の大沢誉志幸『そして僕は途方に暮れる』のサウンドでした。
1984年当時、サトルさんは17歳。
『レモネードデイズ』では、おそらくちょうどその頃の、瑞々しくも未熟だった2人の、2度と戻れない美しい日々を歌詞にしていると思われます。
その歌詞を包み込むサウンドもまた80年代を彷彿させる作りにすることで、歌詞に歌われている思い出が、古い大切な映画のような、美しいイメージ映像に昇華されているように感じます。
さらに、サウンド+歌詞のダブル効果で、同時代に青春の日々を過ごしたリスナーは、否が応でもその頃の思い出に脳がアクセスしてしまい、
自分自身のレモネードのような甘酸っぱい日々を思い出して胸を締め付けられるという、ものすごい効果を生んでいるのではないでしょうか。
まったくの見当違いでしたら申し訳ないです。
しかし、こうやって好きな曲のことをあれこれ考えている時間がとても楽しいです。
『レモネードデイズ』を初めて聞いたのは【Live alone】でのギターの弾き語りでした。
その後、後追いでアルバム【終わらない歌】を購入しました。
原曲の『レモネードデイズ』は、とても凝ったサウンドで、原曲と弾き語りの印象の違いに驚かされました。どちらも大好きです。
この歌の歌詞も本当に素晴らしくて、それについても語り尽くしたいのですが、長くなるので別の機会にします。
1人語りで失礼しました。
ラジオネーム まめきち41

以下、メール読んでいただいたあとに、ラジオでお話されたサトルさんのコメントです。

* * * * *
(以下、坂本サトルさん『ひとりミリオン』よりコメント引用)

ありがとう!
…さて、これ、夢を打ち砕くかわからないけれども、
この『レモネードデイズ』は、バンド・カーネーションの棚谷祐一さんっていうキーボーディストがプロデュースしてくれたアルバムの曲でね。
この曲は、もともと俺が作ったデモテープでは、もうちょっとバンドサウンドだったんですよ。
だけど、棚谷さんが、どうしても、こういった、打ち込みメインでループ素材をたくさん使ったサウンドにしたい、と。
実は、これについては当時、棚谷さんと激論を交わしましたよね。
最後に、棚谷さんが、「信じてくれ。分かってくれ。これはサトル君にとってすごく大事なことだから。ここでこういうテイストの音をどうしても入れたいんだ」って言ったんだよね。
それで、最後のこの1曲だけ、すごく異質な感じの曲になったんだけど。

そして、本当に遅ればせながらなんだけど、今更ながら、分かったんだよね。棚谷さんがなぜこういうことをしようと思ったのか。
振り返ってみるといま俺は、アルバム
『400回目のハッピーエンド』を聞いてもらってもわかる通り、
打ち込みをバリバリ使ったり、ループ素材をたくさん使ったサウンドメイキングを、いっぱいしているのね。
だから今はまったく抵抗ないんだけど、当時の俺にはちょっと受け入れがたいものだったんですよ。
だけど棚谷さんを信じてOKしたんだけど、いま俺は、信じてよかったなって、心から思っていますね。

この≪レモネードデイズ≫っていう言葉は、私が作った造語で、
恋の、甘酸っぱい、だけど、過ぎてから思うとちょっと甘ったるい、それを表す言葉として≪レモネードデイズ≫という言葉を、JIGGER'S SONの『海辺で暮らす君』(アルバム【バランス】(1998年)収録)という曲の中で初めて使ってね。
この言葉が、我ながら「素晴らしい発明だな」と思いまして、「これで1曲かいてみたい」と思ってかいたのがこの曲なんですよね。
余談なんですけど、実は『天使達の歌』がシングルになる前は、この『レモネードデイズ』(もっとバンドサウンドだったからね)をシングルにしたいって、俺はずっと推してたんだよね。
『天使達の歌』と全然違うタイプの曲ですけど。

(レモネードデイズを聞いた後)
…「さよなら僕の好きだった君」っていうのがいいですよね。自分で言っちゃったけど(笑)
最近ライブもないので、ライブバージョンの曲を聴いているといろいろ考えちゃってぐっときますね。

* * * * *
『レモネードデイズ』は、アルバム【終わらない歌】のほか、
2003年のライブアルバム【Live alone】には、弾き語りバージョンが収録されています。
LIVE alone (shop-pro.jp)

また、アルバム【終わらない歌】発売当時のサトルさんのインタビューがWEBに残っていました。
(ありがとうインターネット!)
レモネードデイズのことにも言及されています。

「ここでやめたら、ジガーズ・サンの曲は犬死ですからね」 | BARKS


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