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今の看護学生について感じたことについての話

国試の発表が終わって、4月から新人看護師として就職する方もいますね。

だんなは、とある看護大学の看護学部の講師ですが、
学生の合格率は100%ではなかったようです。

合格した方もダメだった方も、ひとまずお疲れさまでした。

私の同級生で国試落ちた子もいましたが、1年間看護助手として働いて、次の年に受かって、今では大学で講師もしてます。
長い人生で見たら、なんの問題もないです。

私も、もう20年以上前ですが、
あと1問間違えたら国試落ちてました。

勉強が嫌いだった私。
大学4年間、ほぼ遊んでいて、本当にどうしようもない学生でした。
テスト勉強も、要領悪く、点数もとれず。追試も何回受けたことか。

国試も、
大規模会場で受けて、終わった帰り道、
ごみ箱に参考書を投げ捨てて帰ってきました。(やさぐれすぎ)

そんな私も、
東京の大学病院に勤務し、希望通り小児科病棟に配属されたわけですが、

ちゃんと勉強してこなかった自分を超超超超ものすんごい後悔しました。

病態生理、薬、もろもろ働きながら勉強しまくり。
小児病棟とはいえ、大学病院なので、疾病が難しいケースが多く、
聞いたことない先天性の疾患のオンパレード

当時の看護師の世界は、スパルタの体育会系指導。
少しでも先輩の質問に答えられなかったら、患者さんは受け持たせてもらえません。

先輩は怖い。
あいさつちゃんとしなかったら1日無視される。
字が汚いと「こんなの読めない」とカルテがとんでくる(紙カルテ時代です)

勉強したってしたって追いつかないんです。
だって、臨床のいろいろは、その当時ネット環境もなかったし、
調べたって、どこにも書いてない!
どうやって調べたらいいんだよー!

就職して初めてのGWのお休み。
扁桃腺が腫れ、高熱で寝込みました。
相当ストレスだったんでしょう。

でも、
ずーっとこんな感じで先輩におびえる日々ではないんです。
悔しかったら、勉強して、技術覚えて、先輩の仕事が手伝えるくらいになれば、だーいぶ生きやすくなるんです。


私が中堅になるころには
少なくとも私の配属されていた病棟は、とっても雰囲気よくなりました。
それは、当時の師長がおおらかだった人ってことも大きいし、
中堅が、先輩と後輩をうまくつないで働きやすい環境にしようとしてたから。
中継の役割大きいですよね。

20年前と今はだいぶ違うはず。
夜勤の弁当とかおやつとか後輩が買い出しに行ってた大昔とは時代が違う。
だから、そんなこわい先輩は絶滅したはず。

なーんて、
看護学生の実習指導で病棟に行ってみたら、
ふたを開けたら
いるじゃん。
この令和の時代にも、旧看護師スタイルの方々が。

オーマイガでした。

もちろん、優しい方もいますが、
割合的には昔と変わらんがな。


ショックでした。


なんにも進歩してない看護師の世界。

学生が朝、担当の看護師さんに実習の行動計画など伝えたいのに、
「いま無理」
冷たくあしらわれます。

おいおいおい、今無理、って
んで?いつならいいのか学生に教えてくれ。

学生の言い方が気に食わない、
と、1日中口をきいてもらえない学生もいました。

指導教員として、学生を守る立場にあるので
理不尽な対応だと思う場合は、病棟の師長に相談します。

だからって、
人がすぐかわるわけではなく、
学生は毎日おびえながら実習しているんです。

でも、
働いている看護師さんの大変さも重々承知です。
命と向き合っているわけだから、そりゃピリピリします。
自分の目の前のやるべきことで必死の朝のくそ忙しいときに、
ぴよぴよ学生が来たら、そうなりますよねー。(でももうちょっと言い方っ)

そして、
大学からは、山のような記録類の提出を課され、
しかも、手書き。
寝れない実習期間。


こんなんで、
こんな看護師になりたい!こんな働き方したい!
と、目を輝かせて言う学生が生まれるでしょうか。

もともと自己肯定感が低いといわれている私たち日本人。
そして、最近の学生は、めちゃめちゃ自己肯定感が低い子が多い印象を持ちます。
実習評価の個人面談で、その子の強みとか、いいなって思ったきらりと光った部分についてフィードバックしてあげると、泣き出す子もいました。
低い、低すぎる、どんだけ自分のこと低く見積もっちゃってんの?自己評価点数60点とか。それ落第する点数ですよ。

「どうして看護師になりたいと思ったの?」と聞くと、
「親の勧めで」っていう学生もわりといました。
「看護師になりたいってなんで思ったんだろう」って実習しながら迷走している学生も。

どんな風に働きたいのか聞くと、
「とりあえず2~3年働いて、結婚して、子ども生んで、専業主婦になります」
って答えが、意外と多い。

昭和か?結婚して仕事辞めて幸せになるって考え、今もあるんだ?

「実習でこんなにつらいのに、働いて看護師としてやっていける自信がない。」
「SNSのせいもある。働いた先輩がつらい、って現実しか目にしないから」
「そもそも働きたくない」(←これは看護学生だけじゃなくてもよく聞く)


以前だったら、専門資格を持ってどこでも働ける看護師という働き方に魅力を感じて看護師を目指す人もいたかもだけど、
今、そもそも雇われて働くことに魅力を感じなかったり、
給料だって、そんなに高給ではないし、仕事内容と見合ってないって感じるかもしれない。
ある病院では一斉に看護師が辞めてしまったり、
給料でいったら、外国で介護士として働く日本の看護師さんもいて、日本で働くより2~3倍くらいの給料もらえたりするらしい。


給料のことはさておき、

看護の楽しさをどうにかして学生に伝えられないだろうか、なんて日々悶々と考えちゃいます。

学生の実習って、もっと「楽しかった」って思えるようにならないんだろうか。

あの山のような実習記録は果たして必要なんだろうか。

記録書くための実習になっちゃってないかな。

ベッドサイド行くより、そりゃみんなこもって記録書きたくなっちゃうよね。

実習記録は手書きで書かなきゃいけないって、全世界そうなの?
時間ちょーかかってるんですけど。
ただ欄を埋めるだけの記録になって、内容薄くなっちゃってるし、
そりゃ内容より、とりあえず記録終わらせること優先になりますよ。

実習って、もっと臨床の看護師の看護の実際を見てほしいし、学んでほしいし、もしかしたら現場でもやもやする場面もあるかもしれなくて、それって自分の中でひっかかってることでわりと大事なことだから、その部分についてじっくり考えたり、私ならこうするかな、とか看護について考えたりする時間であってほしい。看護師さんのいうこと、やってることがすべてではなくて、どんな看護が必要なのかを、学生なりにいろいろ考える実習であってほしい。


看護師って可能性無限大だし、
働き方も、何も病院で働くことが全てじゃない

技術を身につけて、業務をこなす働き方が得意な人は病院向いてるし、
じっくりその人その人にあったオーダーメイドの看護を考えながら働きたい、って人は、病院以外の選択肢もある。

学生と3年間過ごしてみて、短い期間だったけど、
その考え方もったいないなあ、って思う場面も多く、
自己肯定感低いまま働いたら、きっとしんどいだろうなあ、とか心配になったり、
視野が狭くなっちゃってる学生たちが、看護師としてどんな働き方をしたいか、を自由に考えれるようになればいいのかな。

今は看護学部卒業しても、看護師として働きたいって人ばっかりじゃないですね。全然関係ない分野に行く人もいるし、すぐ起業される方もきっといますね。

看護師、つらいじゃん、まあ奨学金帰すために3年は病院で働いてあとは結婚してやーめよ、って考えている学生へ

3年間、耐えるためだけの看護師人生でいいの?
看護師って、尊いんだよ!目指してる君たちも尊いよ!
自分の看護で、誰かの人生に光がさすかもしれない。
救われるかもしれない。
看護って、看護師にしかできないこともあるんだよ。
そして結婚したら幸せ説、古いよ。早くアップデートして。
何々したら幸せ説。ないから。
今目の前を幸せに楽しくしてくれ。


って伝えたいです。


こんなこと言ってる私へ
43歳妊婦、3人子育て真っただ中、無収入、毎月赤字

看護師としてのキャリア、どうしますか?(学生の心配してる場合じゃない)










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