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"毎日を楽しめる豊かさを、衣服から"【SUNUI】菅原由衣

出身地である遠州地方(静岡県)で織られた生地を、毎日の暮らしに馴染むような衣服に仕立てるSUNUIの菅原由衣さん。週末には店頭に立ちお客さんの声に耳を傾けながら服を縫う由衣さんが、どんな想いで服を向き合っているのかお話を聞きました。

SUNUIはどんな服をつくってるんですか?

地元 遠州(静岡県浜松周辺)の織物を中心に、日常をリラックスして過ごせる衣服をご提案したいと思い製作しています。たくさん着てちょっと休ませて季節がきたらまた袖を通して着続けて貰えるような服。そんな服をつくっていけるように日々頭を巡らせています。
本来は普通の事だけど、ファストファッションが流行っていた私の世代には改めて大切なことかなと思っています。我慢とか節約じゃなくて、例えば"毎日同じ服を着ていても生地の緩やかな変化を楽しめることは豊かさに繋がっていくんじゃないかな"とか。新しいものをつくり続けるってそういう責任がある作業なんだと、最近は改めて考える機会がありましたね。

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遠州織物って、具体的にどんなものですか?

遠州は、静岡県西部地区の旧名です。この地域で生産されている生地を総称して 遠州織物と呼んでいます。
温暖な気候の為、江戸時代から綿花の栽培が盛んだった事から農家の内職として機織り(はたおり)が始まり、明治以降に織機メーカーとして現在のトヨタ自動車やスズキ株式会社によって、動力で織機を動かす力織機が導入されるようになりました。機屋さんによって強みや生地の特徴はそれぞれありますが、一番の特徴は旧型のシャトル織機を使用して織り上げている事ですね。シャトルレスで生産性を優先した生地が多く出回っていますが、低速のシャトル織機で丁寧に織り上げられた生地は着るほどに育ち風合いの変化が楽しめます。取り扱いは、綿・リネン・リネンウール などがメインとなっています。

『SUNUI』は少し変わった名前に感じますが、由来はなんですか?

「素材をそのまま縫う」で『スヌイ』 。ロゴは、茶の実の断面図です。祖父が茶農園で、好きだったその風景をなにかの形で残したかったことと、茶の実の家紋は「長寿・健康」と縁起の良い意味がある事を知って着る人が健やかにすごせるように、と知人に頼んでデザインしてもらいました。とても気に入っていて、このロゴを仕立て上がった洋服につける時は和服でいう背守りのような気持ちでつけてます。

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商品をどんな風に味わって欲しいですか?

まずは素材を、生地を楽しんで貰えたら嬉しいです。自然体で素の自分がさらりとでてしまう、そんなデザインをを心がけています。あとは自由に。SNSにあげる着画も、スタイリングを固めすぎずモデルになってくれる方の今が少しこぼれでるぐらいが好きです。靴下とかは敢えてそのままだったり。。。

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まめくらし研究所では、服の販売以外にもやってますよね?

はい。洋服のハギレを使った、刺繍や手縫いのワークショップを時々させてもらっています。それから、『#お直しと繕いの時間』としてお店番の日にお直しや縫い物のご依頼を受けています。(例:ポケットのやぶれや、ほつれ、保育園のお布団カバーなど。)
洋服を個人で作るというのは、ある意味で非生産的で全然エコではないので、がむしゃらに作り続けるということに私自身どうしても抵抗があって、時々制作の手が進まなくなる時があるんです。生産過程でどうしても出てしまうハギレも出来るかぎる消化していきたいし、今あるものも大事にしながら新しいものも取り入れる豊かさみたいなものを周りの人と共感していけたら、よりスヌイらしいかな、思うようになりました。
洋服の作家さんにはあまりないことなのかなと思うので、そこはまめくらし研究所の懐の深さでのこういった活動を並行してさせて貰えることは本当に嬉しいです。

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その先にいる人の暮らしを、服を通して考え伝えていく。その真摯で丁寧な姿勢はそのまま細かい作業にまで反映され、多くのファンを魅了するSUNUIブランドをつくり上げています。あなたにぴったりの1着がきっと見つかるはずです。ぜひ一度店頭でお試しください。お店の情報はこちらから。

まめくらし研究所
住所:高円寺アパートメント1階(東京都杉並区高円寺北4-2-24 A104)
営業時間:水〜日曜日 10:00〜18:00(不定休あり)
連絡先:junta@mamekurashi.com

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