マンション入り口のドアをスマートフォンで無理やり開けるハック

まめはうすです。主にTwitterで家造りについてつぶやいています。

https://twitter.com/i/events/1449659192105521156

 前回、家ブログアドベントカレンダー向けに「購入した土地にiPhoneで建てるマイホーム」という記事を投稿しました。正直ほぼ誰の役にも立たないだろうなと思ったのですが、もっと役に立たなさそうな内容を思いついてしまったので2件目の投稿をしたいと思います。戸建ての方にはほんとうに一切関係ない話で申し訳ありません。

https://adventar.org/calendars/7159

 我が家は1LDK 51平米の都内賃貸マンションです。2018年前半は横浜の3LDKの戸建て賃貸に住んでいたのですが80平米に夫婦二人は広すぎるし同じ家賃なら会社に近くて犬が飼えるところに移ろうと思ったわけです。

 戸建て賃貸の頃から玄関ドアにはQrio Lockを導入していました。モデルチェンジ後のQrio Lockは非常に快適で反応も早くハンズフリー解錠もほぼ100%動作しています。シールでの貼り付けがやや不安でしたが、我が家では引っ越しを挟んで4年間、剥がれかけたことすらなく安泰です。

 Qrioのようなスマートロックの利点は鍵を持ち歩かなくて良いというところにあります。とはいえ、実際は念の為持ち歩いているのですが鍵は取り出さなければなくすこともないので、ずっと財布の鍵入れに収納しまったく取り出したことはありません。しかしマンションに移ってから一つ問題が出てきました。それは共有スペースであるエレベーターホールにドアがあり、そこに電子ロックがかかっているという事です。訪問者はエレベーターホール前のインターホンで部屋番号を押し、通話を押すとチャイムが鳴り、応答して遠隔で入り口ドアを開けるわけです。最近だとどこのマンションにもありますよね。しかしこれ、住民が入るときには鍵を取り出して開ける必要があります。せっかくQrioで解錠されるのにエレベーターホールで鍵を使うことになると台無しです。

 やり方はいろいろ考えてみたのですが、賃貸で設置されているインターホン自体に手を加えるのはさすがに問題があるし、そもそもそんなスキルはないので物理的に解決します。そこで登場するのがIoTデバイス、SwitchBotです。今でこそいろいろなデバイスが出ていますが、ここで使うのはSwithBotオリジン、もしくはThe SwitchBotとでも言うべきこれです。スマートフォンから物理的にSwitchを押すというシンプルなものです。

 当時はあまり記事が見当たらなかったのですが、いま探すと同じようなことをしている方はけっこういらっしゃいますね。例えばこんな感じです。

 ただ、 SwitchBotは強力な接着剤で貼り付けることになるのでマンションの設備に直で貼るのはちょっと抵抗があります。また、これを貼ることで手動での操作がしにくくなると本末転倒です。そこでSwitchBotをつけるためのアダプタを自作します。私は工作スキルにまったく自身がないのでこういうときは3Dプリンタです。「3Dプリンタです」とか書いてますが、3Dプリンタは持っていないので職場で出力します。公私混同かもしれませんが、最新技術に触れて活用することで仕事の役に立つので問題ありません。たぶん。
 なお、3Dプリンタ自体そんなに使いこなしているわけではないので、モデリング自体「3Dプリント モデリング 初心者」などと検索して簡単な方法を探しました。結局、AutodeskのFusion 360を使いました。

 Fusion 360はたいへん使いやすく、チュートリアルを見ながら40分くらいでアダプタのモデリングが完成しました。SwitchBot自体の寸法はわかっているので、0.4mmくらい余裕を持ってモデリングします。このための小学生の工作かというような設計図を描きましたが残念ながら探してみたものの見つかりませんでした。

 なお3Dプリント自体、経験がないとけっこう面倒らしいですがデータだけ職場に送って詳しい同僚に出力してもらい、次の日に取りに行ってます。頼ってばかりでスミマセン。

 アダプタがあるとは言え、結局は壁に取り付けるので賃貸としてはそれなりに気を遣う必要があります。そんなときに便利なのがこれです。

 ホッチキスで壁に止められるフックですね。前の戸建て賃貸でも何箇所か使っていたのですが退去の際にも傷は目立たずいっさい指摘されませんでした。除去した跡は霧吹きしてドライヤーで乾かすとほぼ見えません。もともとアダプタ自体、これにぴったりになるよう作られているので壁にこれをつけ、そこにアダプタをかぶせるだけです。

 と、いうわけで動作をご覧ください。

 iPhone側はウィジェットにして押すだけのボタンを作ってます。なお、この手のものを使ったことがある方は想像できるかと思いますが、押してから動作するまで少々タイムラグがあります。そのため、インターホンを押してからSwtchBotのボタンを押すとそこそこ待つことになります。動作時間を調べたところ4秒前後だったので、私はマンションの入口のドアを開けたらすぐボタンを押し、インターホンのところまで歩いて部屋番号を押すようにしました。そうするとつながって1秒弱で解錠されます。事前に開けると連絡しておかないと奥さんが慌ててインターホンに出ようとしてしまうので、先に帰る予告をしておくのも必須です。

 というわけで無理やり鍵を使わずにマンションの共有ドアを開ける試みでした。鍵を取り出した方が楽なのでは? と思った方も多いですよね。しかし私は鍵をなくす不安感の方がその面倒さより強いのでSwitchBotを使います。奥さんは一度も使ったことがありません。

 さて、2021年12月現在、このSwitchBotを設置してから3年が経過しています。最後にその後どうなったかを書いておこうと思います。これを設置して10日くらいした頃に2Fに住んでいる大家さんと雑談する機会がありました。大家さんは私より一回り上の年齢の方ですが新しい技術には明るいタイプなので、SwitchBotでの鍵開けをデモしてみたところ、たいへん感心してくれました。結果「確かにスマートロック使ってると鍵開け不便ですよね」ということで、なんとキーパッドだけでエレベーターホールの扉を開けるパスコード教えてくれました。もちろん他の住人の方には秘密です。

 と、いうわけで最初の意図とはちょっとずれましたが結果として鍵を使わずにマンションの外から家の中に入れるようになりました。SwitchBotの活躍の場はなくなってしまいましたが、これがなかったらパスコードを得ることもなかったので結果オーライです。

やはり思い立ったらやってみるに限る! と、いうことで。


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