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小説「彼女は狼の腹を撫でる~第26話・少女と都市伝説と死の舞踏~」

君たちは【踊る骸骨】の伝説を知っているだろうか?
踊る骸骨はその名の通り踊る骸骨だ。
・骸骨で、皮も肉もない骨だけの体で二本足で動いて、しかも踊る。
・踊りながら追いかけてきて、その速度は街道の端から端までを音と同じ速さで駆け抜ける。
・目の前に回り込み『カビコーガイ』と謎の呪文を唱えながら、顔の真ん中をぶち抜いてくる。
・胸の前で十字を切りながら『スペアリブ』と唱えると上下顎骨を鳴らしながら何処へと立ち去る。
・マリーゴールドの花とチョコレートを好んで食べる。
そんな嘘みたいな都市伝説的な存在だ。

まったく馬鹿馬鹿しい。そんな荒唐無稽なものを誰が信じるというのだ。
と言いたいところだけど、この世には悪魔はもちろん喋るペンギンや巨人が存在しているのだ。あながち居るはずがないとも断言できない。

というよりも、今私たちの真横を骸骨――文字通りに皮も骨もなく、布の一枚も纏っていない骨だけの体だ――青銅のような色味をした異様な姿の骸骨がガシャリガシャリと両手両足を動かして、発動機付きの車の速度に対して平然とした様子で並走している。顔の表情筋どころか肉が一切ないので、平然としているのか無理しているのかは読み取れないけど。

「絶対目を合わせたら駄目よ! こういうよくわからない存在は無視するのが一番なんだから!」
車の助手席で、旅の相棒のファウスト・グレムナードが忠告してくる。彼女は天才美少女魔道士だ、実際に悪魔と契約を結び、力を借りるのだけでなく悪魔そのものを使役できる。
その忠告は間違いないだろう。

「ウァン!」
車を動かす私の膝の上で、狼疑惑もある犬のシャロ・ブランシェットが骸骨に向かって吠えている。
犬は吠えるのが仕事だし、犬は吠える生き物だ。吠えるのを止めることは出来ないし、シャロが吠えることで骸骨を威圧出来ているのかもしれない。

「スペアリブ! スペアリブ! スペアリブ!」
骸骨が車も前に回り込んで、私たちの目の前で進行方向に向けて後ろ向きに走り始めたので、慌てて十字を切りながら呪文を唱え続ける。
するとカタカタと上下顎骨を鳴らしながら、風のような速さで何処かへと走り去っていく。

まったく一体何だったのだろう。旅は危険がたくさんだ。


私の名前はウルフリード・ブランシェット。16歳、狩狼官。失踪した母と実家から持ち出された狩狼道具を回収する旅をしている。
時折こういう理解し難い状況になるのも、また旅の醍醐味といえる。絶対しない方がいい味付けだけど。



私たちは大陸中心部の大岩壁地帯へと向かっている旅の途中。
そこには大陸5大都市のひとつ【城塞都市ロッシュシュタイン】があり、その近くの河川から海へと進む定期船が出ている。
その船に乗って、私たちの生活拠点である大陸北西部の自由都市ノルシュトロムへと帰還を果たすのが、私たちの旅路の現在の予定進路。
そんなロッシュシュタインまであと少しの距離、大岩壁へと架けられた長大な吊り橋の手前で、突然踊る骸骨と遭遇したのだ。

踊る骸骨の伝説は各地で伝わっていて、私も実家のばあさんから聞かされたことがある。
相手が誰でもお構いなし、目をつけられたら頭蓋骨を貫かれる危険な存在。彼だか彼女だかの犠牲者は医者に始まり、次には王族、その後も聖人や旅人と区別も見境もなく襲われたそうだ。

攻撃される前に危険を脱せたのは幸運だったのかもしれない。
そう思って安堵した私たちの目に、奇妙で異様で危険極まりない光景が飛び込んできた。
奇妙なのは最低限の舗装を施された大通りに面した集落が、なぜか屋根すらない簡単な舞台だけが乱雑に建設されていたから。
異様なのは夜でもないのに舞台の上を、無数の骸骨がカタカタと音を立てながら踊り狂っているから。
危険極まりないのは、もしかしたらその骸骨たちが全員、踊る骸骨かもしれないから。

「へい、そこの旅人風のお嬢ちゃんたち!」
一列に整列して足を高らかと上げて動き回る骸骨たちの中から、ひとりの極彩色の舞踏服を纏った女が飛び出してきて、くるくると桃色に紫がかった筋の通った髪を振り乱しながら近づいてくる。
「ようこそ、ペストレラ舞踏団の公演へ!」
「公園? 骸骨公園?」
「ウゥゥゥゥゥ」
シャロも骸骨だらけの場所から出て着た女を警戒して、唸り声を上げている。当たり前だ、私だって出来ることなら唸りたいし、問答無用で攻撃したい。

「あたしはカザリ・ペストレラ! 踊る骸骨と踊るペストレラ舞踏団の座長、いわゆる旅の踊り子さ!」
踊り子、カザリ・ペストレラが仰々しく右手を掲げて、そのままお辞儀するように上体を傾けて、水でも掬うような滑らかさで右腕を振り下ろして、胸の前で少し持ち上げる。
どうやら歓迎してくれているみたい。見渡す限り歓迎されたくない面子だけど。

「ファウスト、これって魔法の仕業?」
私には骸骨が動いて踊る仕組みはさっぱりわからないけど、世の中の大抵のわからないことは魔法であるように思っている。
「おそらくね。死霊魔術とか降霊術の一種だと思うけど」
死霊魔術、降霊術、悪魔憑依術、その類をひっくるめてネクロマンシーと魔道士の間では分類されている。
一般的には鮮度や保存状態の良い死体を媒介にして、死霊を悪魔を憑依させて生きた人間のように動かす魔法。中には骸骨を媒介にする者もいるし、特殊な例では呪物に憑りつかせた者も過去には存在した。
目の前の踊り子もおそらくはその類で、目的はわからないけどネクロマンシーに手を出す者は、その時点で他人との間に暗くて深い溝がある。

つまり油断できない異常者だ。

まあ、こっちも狩狼官で機械使い、複数の悪魔と契約を結んだ魔道士、世界一かわいいモフモフと、傍から見れば異常者2名に犬1匹だ。
向こうからしたら同じ穴の狢、似た者同士くらいには思われているかもしれない。
その証拠にニヤニヤと笑みを浮かべながら、機械を展開する私とファウストとシャロに向けて視線をうろうろと動かしている。

「あんたたち面白いね! あんたは機械使い、そっちのお嬢ちゃんは魔道士、そこのわんっころはよくわからないけど……うん、実に面白い!」
踊り子が両手を大きく広げるのと同時に、骸骨たちが左右にずらりと整列していく。
骸骨たちの手には剣や斧や杖、弓矢に棍棒と様々だ。しかもその中の一体、特に不気味な雰囲気を見せる青銅色の骸骨の腕には、物語に出てくるような大振りの刃の死神の鎌のような代物が握られている。さらに鎌の柄から複数本の棒が伸びて、その先端には筒状の装置が繋がっている。


【グリムリーパー】
ブランシェット家の開発した機械鎌。筒状の装置を中心に地面と平行に360度稼働し、装置は地面から10センチから2メートル程の高さまで上昇できる。


危険な道具ではある。危険ではあるけれど、動きは単調で射程もそこまで長くない。厄介なのは切れ味と回転速度くらいだ。
しかしそこに移動速度が上乗せされたら、例えば猟犬や馬よりも遥かに速く走る怪物が、装置を胴体に嵌めて両手を掲げて鎌を回転させながら走り回ってきたら――

答えは簡単、それはもはや災害と同じだ。

周りの骸骨ごと手当たり次第に切り刻みながら、踊る骸骨が走り回る。バラバラになった骸骨たちは、それぞれ欠損した骨を互いに渡して補い合って、踊る骸骨の後を追いかけるように動き回っている。
なるほど、すでに死んでいるからか、別に骨の1本や2本失っても痛みを感じなければ問題ない、そういうことのようだ。
こちらとしては大問題なのだけど。

「待って! なにも取って食べようってわけじゃないんだ! 単に君たちの体が欲しいだけで!」
踊る骸骨たちの後ろから、踊り子が全力疾走をしながら意味のわからないことを喚き続けている。
「全員とは言わない! ひとりだけでもいいんだ!」
「いいわけないでしょ!」
私は叫び返しながら、身を伏せて踊る骸骨の鎌を避けて、転がってきた他の骸骨の頭蓋骨を拾う。
そのまま鎌を再び避けながら、頭蓋骨を踊り子めがけて投げつけ、両手を庇うように上げさせて一瞬の隙を作らせる。

悪魔憑依にしろ死体操作にしろ、それを行っているのは術者だ。骸骨がどれだけ無敵に近かろうと、術者の集中力を途切れさせれば動きも鈍るはず。
私は指向性のスピーカー【カタスレニア】を展開し、怪物の叫び声のような不快な音の壁を叩きつける。
踊り子は音に驚いて足運びを乱れさせて転倒し、それに習うように骸骨たちもバタバタと転び始める。

「ファウスト! シャロ! とりあえず逃げるよ!」
「とっくに逃げてるわよ!」
「ウァン!」
頼りになる相棒と忠実な犬は発動機付きの車に乗り込んで、急旋回させて車の尾を振り回す。
私も全速力で駆けて後部座席に飛び乗り、見送るようにお道化た動きをしている骸骨の群れたちを睨みながら、警戒を解かずに距離を離していく。

「いつの間に運転覚えたの?」
「私は天才美少女魔道士よ。見たらわかるに決まってるでしょ」
ファウストの軽口に安堵のため息を吐いて、本日2度目の窮地を脱したのだった。



世の中にはこんな格言がある。
一度あることは二度ある、二度あることは三度ある――


グリムリーパーを回収するにしろ、諦めてそのまま進むにしろ、踊る骸骨に対策しないことには旅の無事は保証されない。

正面突破は無理だ、相手を一撃で仕留める方法がない。
隙を突くのはもっと無理だ、周りの骸骨に妨害される。
長距離からの狙撃は悪くない、ただし私の手持ち武器の射程は最大でも300メートル、有効射程になると3分の1以下まで近づく必要がある。
いっそ話し合いに応じる、分の悪すぎる賭けだ。相手は問答無用で攻撃してきたのだ、言葉は通じても会話が成立するとは思えない。

さて、どうしたものか。
後部座席で思考錯誤をぐるぐると巡らせる私の視界に、三度踊る骸骨が現れ、その細い腰で鎌を回転させながら、掲げた両腕に踊り子を担いで近づいてくる。
「待って! 落ち着いて話を聞いて!」
踊り子が懇願するような喚き声を撒き散らしているけど、どう考えても話し合いに応じる状況ではない。
私はカタスレニアを構えて、再び音の壁を襲撃者に向けて放り出す。

音を避けるのは通常は不可能だ。
しかし音にも速さがある。音と同じかそれ以上の速さで動けば、音が届く前に避難して避けることが出来るのも道理だ。

踊る骸骨は視認するのも困難な速度で駆け出し、音の壁をギリギリで避けるように体勢を傾けて、回転を続ける鎌を地面に大きく突き刺して、空中に固定される形で足をバタバタと動かして空を切り続ける。
両手に掲げていた踊り子は、そのまま45度ほど傾いて空中で制止している。
「困ったわね……ねえ、あんたたち。まずは話し合いから始めるのはどう?」
「うん、断る」
私はきっぱりと拒絶して、複数発射式のボウガン【マンハンター】を展開し、骸骨の両肘と両膝を即座に射貫き、さらに離れた手足に矢を当ててバラバラの方向に弾き飛ばす。
どれだけ動きが速かろうと、骸骨はとどのつまり骸骨だ。手足があり、関節があり、それら無しでは走れない。

地面に落ちて転がる踊り子に矢を向ける。
「なんで私たちを狙うかわからないけど、今なら見逃してあげるから、その骸骨の付けてる鎌を置いて立ち去りなさい」
「お断りだよ。上質なお肉はそうそう現れてくれないもんさ」

踊り子カザリ・ペストレラは語りだした。
自分たちは踊る骸骨が纏う肉を集めている。それも上質の、魔道士や騎士の肉を。
今まで集めた胴体や手足をつぎはぎにして人間らしいものを作ってみたが、やはり他人同士の体では相性が悪い。ならばひとりの体ですべて補えばいい。そのためによく切れる鎌などを闇市で手に入れて、舞踏団の公演と称して旅人を襲っているのだと。

まったく理解できないけど、母から直接狩狼道具を譲り受けたわけじゃなくてよかった。そこだけが不幸中の幸いだ。

「そういうわけで、あんたかそっちの魔道士のお嬢ちゃんか、どっちか譲ってもらいたいんだよね」
踊り子は向けられたボウガンを意に介することなく立ち上がり、放たれた矢を服の中に仕込んでいた短剣を投げて弾く。さらに両手の指の間に合計8本の短剣を挟んで上へと放り、複数の短剣を小刻みに掴んで放りを繰り返して上空で保ち続ける。
「このくらいは踊り子には朝飯前さ。そして今日のメインディッシュは機械使いのお嬢ちゃん、あんただ!」
そう叫びながら短剣を放ち、さらに手に握って斬りかかる。

踊り子の動きは剣舞に投擲を加えたもので、相当な鍛錬を積み重ねたのか、頭上に放った短剣の扱いにも迷いがない。
しかしどれだけ技量が高くても、速さは人間のそれだ。放たれる箇所も左右の腕の2本だけ。
突きにきた踊り子の右腕を蹴り上げて短剣を叩き落とし、上げた足を膝の曲げだけで半ばまで戻し、反発に脛を伸ばす要領を加えて顔を蹴り上げる。
その瞬間、背筋に冷たい氷を突っ込まれたような気配を感じて、慌てて横に転がるように飛び退く。

私の背後にいつの間にか忍び寄っていた気配、それは一体の子ども程度の背丈の人形だった。


【ダンス・マカブル】
標的の背後に音もなく回り込み、両腕に仕込んだ刃物で切りつける、宙を舞う自動行動型の殺戮人形。


刃物は小さく殺傷力はそれほど高くはないけど、どんな相手でも背後から刺せば仕留めることは出来る。そういう意味では危険な道具だ。
しかし冷たい氷の気配は人形だけではない。
足先に残る違和感。湿った洞窟に入った時のような、冷たい空気が纏わりついた感触。
確実に当てたはずの箇所に本来あるはずの感触がない。

「骸骨の次は幽霊か何か……?」
「なにを隠そう、その通り幽霊だ!」
幽霊なのか。それなら納得だ、まったく納得できないけど。


カザリ・ペストレラは数百年前に病死した魔道士だ。
当時はネズミを媒介とする非常に致死率が高い病が流行っていたそうで、彼女はドブネズミの悪魔の力を借りて病を克服しようと試みたが、失敗して命を落とした。そして魂は幽霊の踊り子に、遺体は踊る骸骨へと変貌し、以後永きに渡って失った生命を取り戻すように肉を集め続けている。
再び生きた人間として蘇るために。


なるほど、迷惑な話だ。
幽霊であるために倒すことが出来ず、骸骨であるために痛むこともなく、一方的に安全に奪いたいだけ奪う。当然、私は除霊師でも僧侶でも霊能者でもないので、幽霊に対抗する手段は持っていない。
完全に専門外の倒せない相手にどうしろというのか。
「ぬうぅ」
私が困り果てて唸り声を上げると、背後からシャロが遠吠えのような鳴き声を上げて、踊り子の幽霊目掛けて走り寄り、その腕に噛みつき猛烈な勢いで振り回す。

シャロは普通の犬ではない。尋常じゃなくかわいい、この世にかわいくない犬なんていないけど。
そこだけでも普通ではないのだけど、シャロは死んだ人狼の脳と膨大な量の生命力の塊である巨人の心臓から産まれるという、普通ではない経緯で産まれた犬だ。
もしかしたら生命、そういうものを削ることも出来るのかもしれない。

事実、踊り子はガツガツと食いちぎられて魂を削られて、次第に小さくなって服と短剣を残して煙のように消えていった。

「シャロ! そんなもの食べちゃ駄目でしょ!」
「ウァン!」
シャロは特に何事もなかったように尻尾を振っている。
後でお腹を壊すとかしなきゃいいけど……そうだ、ノルシュトロムに帰って落ち着いたら獣医学の勉強でもしてみよう。
狩狼官よりは全然仕事があるだろうし、動物を助ける仕事は世界で最も偉大な仕事のひとつだ。
あ、でも手術とか無理だな。

などと学力的には全然足りない頭で将来を夢想しながら、周りでなにやらごそごそと音を立てているファウストに目を向けると、固定されたまま肘と膝までの手足を動かしている踊る骸骨を中心に、何重もの円と円を描いて間にびっしりと解読
不明な文字を書き込んでいる。

「なにやってるの?」
「なにって見てわかるでしょ? 悪魔召喚の儀式よ」
準備を完了させたファウストが、瞳を閉じて静かに目の前の魔法陣に語り掛ける。
魔道士には大きく分けて二通りの種類があって、契約した悪魔の力を借りる者と悪魔そのものを使役する者がいる。当然前者よりも後者の方が扱う技術や制御力も高度なものを要求され、その域に到達するには努力以外にも天性の素質や素養が必要となってくる。
ファウストは自他共に認める天才だ。13歳という年齢にして、すでに私が知るだけでも3体の悪魔と契約している。
そして今、新しい悪魔との契約を始めようとしているわけだ。

轟音と共に空に巨大な裂け目が現れ、真っ暗な裂け目の中から猫のように丸い真紅と黄金の一対の瞳を覗かせてくる。そして『ニャアァァァァン』と猫のような鳴き声を上げて、骨と皮だけの随所が枝のように伸びている禍々しい形状の腕をはみ出させて、猛禽のような4本の指で踊る骸骨を鷲掴みにして、そのまま裂け目の中に引きずり込んでいく。

そのまま瞳をキョロキョロさせながら裂け目を閉じて、ニャーンと鳴きながら跡形もなく消えた。

「よし、成功ね。食べさせがいのある生贄が手に入ったわ」
どうやら悪魔との契約には生贄や餌が必要なようだ。何百年も尋常じゃない速度で動ける骸骨など、悪魔の餌としては上質どころか大御馳走だろう。

ファウストが人差し指と中指を立てて、勝ち誇った顔と並べて私に向けてくる。美少女はそういう仕草だけで絵になるからずるいなあ、なんて思ったりもする。


それにしても今回の事件は、一体なんだったんだろうか。
通り雨にでも当たったような、野良犬に噛まれたような、そういう何に対して怒っていいかもわからない気持ちだ。
「都市伝説なんて、総じてそういうものよ」
「そういうものなの?」
そういうものらしい。そういうものなのだ、と納得させるしかない。
私は踊り子も骸骨もいなくなった寂しい舞台を眺めて、疲れと一緒に溜息を吐き出した。


ちなみに踊る骸骨の目撃談は以降も無くなることはなく、その後も何十年にも渡って胡散臭い目撃談と共に語り継がれ、時間と共に荒唐無稽度が増していったのだけど、都市伝説とは総じてそういうものなのだ。



今回のお供
ファウスト・グレムナード
13歳の天才魔道士。ヌメメポン奥義書と隠秘哲学ニョニョッペー第五十七書で学び、更に多くの魔導書で学びを深めた。
新たな悪魔との契約に成功した。
威力:? 射程:? 速度:? 防御:― 弾数:?? 追加:??(???)

シャロ・ブランシェット(フェンリスウルフ)
巨人の心臓で蘇った、かつてフェンリスだった狼犬。知能・精神は完全に普通の犬。メス。
威力:D 射程:E 速度:A 防御:― 弾数:―  追加:削魂(かみつき)
威力:― 射程:E 速度:A 防御:― 回数:20 追加:回復(傷舐め)
威力:― 射程:B 速度:D 防御:― 弾数:20 追加:威圧(遠吠え)


今回の回収物
・グリムリーパー
上空に向かって周囲を刈り取るように連続稼働する大型の機械鎌。黒色。
威力:C 射程:C 速度:B 防御:― 弾数:4 追加:―

・ダンス・マカブル
標的の背後に回り込み切りつける宙を舞う殺戮人形。ベースカラーはピンク。
威力:C 射程:C 速度:A 防御:― 弾数:4 追加:クリティカル


(続く)


(U'ᄌ')U'ᄌ')U'ᄌ')

狩狼官の少女のお話、第26話です。
ファウストの新悪魔お披露目とシャロの初戦闘お披露目の回です。どうしてこうなった!?
そんな感もありますけど、都市伝説とは総じてそういうものなので。

ではまた次回もお付き合いください。