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【BL】「蟷螂の檻 1」⚠ネタバレ感想⚠

最終巻が発売されたのを機に一気買いした作品。
……いや、本当に一気買いして良かったと思うよ。1巻で凄まじい衝撃を受けているのだから。いつものスタイルならば、1話ずつ感想を書いているのだけど、そういう場合じゃないというか……。気づけば、先が先がと気になってしまって、読み終わっていた現象が起きていたというわけです。

読了後、頭の中で、読んできた場面が走馬灯のように駆け巡っていて、ここがああで、あそこがああで……。人とのドロドロとした部分、そして、たとえば、典彦さんが坊ちゃんに性的なことをしたきっかけが、坊ちゃんの母が病み、典彦さんと旦那のことが区別付かなくなり、流れで身体の関係へと発展した時に、「人はこうやって壊れていくんだな」「水は甘い」と述べていて、まだまだ純真な坊ちゃんを自身の手で壊していったら、どれほど甘くなるのかと思って、性的なことに発展したと、その前の話では意味深であったのが、次の話ではそういうことでそんなことになったのかと、キャラ達の言動から考察していくのが、この作品の面白いところだなと思いました。
にしても、典彦さんの淡々とした考えと行動がより恐ろしくも感じられるんですよね……。どうして、このような方になったのか。

そして、育郎坊ちゃんの兄であり、父が生前執着していた、障碍者の蘭蔵君。
両親を狂わせたのと、何故、何の役にも立たない者が全て相続されるのか、それらの怒りをぶつけるか如く、会えば手を上げる坊ちゃん。思っていた以上に物凄いことをしていて、唖然としたのも正直なところ。
そんな身内にも使用人にも酷い仕打ちをされていた蘭蔵君の元に、郵便局員である健一さんと出会う。
その健一さんも、ハーフだということで、身内にも近所の人達にも奇異な目で見られて、肩身の狭い思いをしていた様子。
時代も時代だから特にな……。
今も好奇の目で晒されている部分はあるが。
この人の両親もどういった出会いで、この方を産んだのだろう。
本当に村の人達が言っていた悪い意味でそうなったのだろうか。
そんな健一さんが蘭蔵君のお世話係となり、守ることを決意し、自身の存在意義を確かめていく。
手紙に「二人が出会えて良かった」敵なことを書いたが、本当に良かったことなのだろうと、思い返してみて思ったりも。

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