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【BL】「はきだめと鶴」⚠ネタバレ感想⚠

フォロワーさんにオススメしてくださった先生の初めて読んだ作品。

螢さんの時折見せる影のある表情に、何があったのです?と読み進める度に疑問が沢山浮上していき、そして、少しずつ見せてきた、5話の螢さんの口から語られた過去の、想像絶する歩みに、読了後は遥か銀河彼方へ飛ばされたような、足元がおぼつかない、呆然としてしまった。

え·····ええ··········そうなります、か·····。

夜の世界も裏社会もほぼ分かってないのもあって、衝撃が凄まじかったね。
淡い初恋も、本当、一方的に終わって、いや、螢さんの中ではまだまだ未練タラタラで(冷蔵庫に人生初でもある一緒に観に行った映画のチケットを貼って、苦しそうにするぐらいに)、でもこれから先は一生会うこともなく·····。

どこでどう間違えてしまったのかと思うぐらいに、どうしようもないものを見てしまった。
好奇心は猫をも殺した。

爽やかなものばかりを読んできて、たまにはこういうのも見たいぜ!と思っていたが、実際読むと虚無に襲われる。けど、これはこれで印象に残る。

螢さんが映画館勤めしているのも、過去を引きずっていたのか!と後々になって思い、これは恐らく、映画館行く度に胸が苦しくなるな·····しばらく。
感動ものが苦手なのは、非現実過ぎて、報われない恋を味わってしまった·····からなのか。胸にグサグサ来る。

けれども、けれども。そんな全てを諦め、奈落の底へと堕ちていく螢さんの前にとても人懐っこい準太くんが現れたわけです。最後には冷蔵庫に沢山の観に行ったチケットを貼るぐらいに、いい思い出をするわけですが。
それまでの歩みは、本当に距離が近づいたかと思えば離れて。少し近づき、二歩下がりのような距離感が続いていた。はよくっつけと思うぐらい、もどかしかったな。しかし、その焦れったさがええd( ̄  ̄)

手に入れられないのなら、諦め、何となくな距離で人と接していた準太くんと、どうしても手に入れたくて、全てを捧げていたけど、その"手に入れたい"ものから手を離され、どん底に突き落とされた螢さん。
ようやっと心から一緒にいたいと思う人に出会えた準太くんの熱烈なアプローチにより、螢さんは受け入れた。
子どものように泣きじゃくる螢さんが、そうやって泣ける相手が出来て良かったなと思い、ちょい泣き。
今までの人生から思うに、そういう泣き方も許されなくて、我慢してきたのかなと解釈。

螢さん、沢山の人に裏切られ、玩具のように身体を弄ばれていたけど、その中でも山咲さんや波柴が、何かと気にかけ、味方でいてくれた人がいて、どんな世界でも、そういう心の人がいるんだなとこころがじんわりと温かくなった。

こちらの腐の世界に足を踏み込んで、日が浅いので、こうしてキタハラリイ先生の作品に出会えて本当に良かったです!
フォロワーさんに大感謝!!

これからもキタハラリイ作品を読んでいくぞ!

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