【BL】「偽花嫁リオネル 世継ぎの君と偽りの婚約者」⚠️ネタバレ感想⚠️
冒頭の獣の臓物。
最初から凄いものを見せられて、かつ、これが何十年経っても癒えぬ傷跡かと思わせる、かえって引き込まれる描写でした。
いそいそとソフィーのために片付けていこうとするリオネルの前に現れた、マティアス。
一緒になって片付けてくれるだなんて、私もびっくりしましたが、そうしてくれるのは、プラナハの民が無礼をしたという建前の、リオネルを想ってのことだったんだなと、(四年前のソフィーはリオネルだったのでは、という意味合いとも思いましたが、)後々になって分かり、不器用な優しさで、きゅんとします♡
(不器用な優しさ大性癖なので!)
途中でリプライした際に先生が仰っていた、「四年前だけではなく、再びソフィーになりすます、苦労人のリオネル君なんです」という言葉が本当にそうだなとしみじみ思いました。
四年前の、泥水を浴びさせられた時も、本当にしょうもないことをしてくるよな、これは怒り心頭だわと、短気な私も思うぐらいなものでした。
これがソフィーであったら、本当に可哀想です。
であるから、ソフィーになりすまし、不幸に遭わせないために破談しようとしていたというのに、声変わり──マティアスは、我慢に我慢を重ねた結果の声を失ったと思っていた──の時に、喉に聞く薬草茶と、そして、四年経った今でも手放す、それが後に身を守ってくれた、小鳥のブローチのことがきっかけで惹かれていく描写が、何とも切なく、本来ならばソフィーが受け取るはずであった数々のものと想いが、ここでソフィーであったならば、後に不安を吐露する彼女の気持ちは変わっていたのだろうかと思ったほどです。
にこりとした笑みもせず、常に気難しそうな表情で、さらには年の離れた方ですから、怖い、という印象を受けてしまうのは仕方ないことだなと思います。ましてや彼女は気の弱い姫君のようですから。
そんな姫君もガーランド家のパーティの件で親しくなった夫人と仲良くできて微笑ましい······とは、少しの間はありました。
まさか、まさかのソフィーとジークが体を重ね合っていたとは。政略結婚ですから、どうすることも出来なく、嫁ぎ、リオネルの想いは生涯、押し込めたままかと思ってましたが·····。
そのことがあって、再びソフィーに扮さなければならない状況に、しかも、四年前とは違う、男らしい特徴が隠せるのか、様々な最悪な条件に、どう押し通すのか、どきまぎしました。
最終的には、四年後、リオネルとして会った時に四年前のソフィーはリオネルだったことが気づかれて、かつ、両片想いだったのね〜〜!!!と、テンションが上がってしまいましたが(笑)本当、女装していたのが馬鹿みたいだと思うものですが、それを利用して、血の(になってしまった)結婚式を挙げたシーンは、このシチュ、最高に良すぎだなと思いました。
ドレスを翻して、舞うソフィーに扮したリオネルの姿を想像しますと、惚れ惚れとしてしまいましたし、後に、嫌がらせを受けないきっかけとなりましたし、銃を撃たれた時はどうなるかと思いましたが、身を挺して、マティアスを助ける姿もカッコよくて✨
番外編で、二人がようやく繋がった描写。荒々しくなく、直接的な表現はなく、性描写がこんなにも美しい文で綴れるのかと思うと、その文に圧倒され、かつ、このような文を私も書いてみたいなと。
とはいえども、なんだかんだ宵先生の作品が今回ので初めてとなりましたので、これから読もうとしている作品達の、その部分との違いがあるかは分かりませんが、その部分も含めて、これから読むのが楽しみです。
書いていた作品が、あまりにも性描写が少なく、けれども、二人の関係性がその行為ばかりするのは違うなと悩んでいたのですが、今作品を読んで、こういうのもアリだなと、参考になりました。
地続きが好きなので、クラエスとノエリオがメインの『牙狼王子の純真』を読んでみたくなりました!買ったつもりでいたその作品を、これを機に手に入れましたので、次はこれを読み、感想を綴りたいと思います。
そして!マティアスがどんなに極悪人らしいのか、比較するのが楽しみです。
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