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松島聡コ。展の展評を真面目に書くよ

【展示概要】
◇展示会名
松島聡 コ。展
◇会場
表参道ヒルズ スペース オー
◇会期・時間
9/27〜10/15 11:30-20:00
◇チケット
日時指定・完全予約制
¥2,200(税込)
◇概要
マネキンを使った作品を中心に、映像、照明、香りなど会場全体を使ったインスタレーションの展示。
自分らしさ=個(コ)を表現し、鑑賞者に心(“コ”コロ)の目で感じてもらいたい、という思いが込められている。

詳細は公式サイトを見ていただければいいかなと思いますので、ここからは所感です。

アイドルとして10年以上活動してきた松島聡の初個展のテーマは「自分らしさ」。
本展示の特筆すべき点、そして展示としての斬新さは、アイドルならではの「らしさ」の視点と軸での作品になっていたところだと思います。


人から見られることを生業とし、常に見せ方や見られ方を意識しながら生活している人の「らしさ」の表現の鑑賞って、松島聡じゃなかったら怖かったかもしれません。
1アイドルファンとして、誰かの人生をコンテンツとして消費してる感覚があって、そこ皮肉った作品群だと見てて罪悪感に苛まれるだろうなと。
でも、常にファンに寄り添う姿勢を「らしさ」として見せてくれている松島聡だからこそ、きっとそういう気持ちは見せない展示構成なんだろうなという信頼がありました。
実際、丁寧な言葉選びで誰も傷つかないよう考え抜かれた作品群は、まさに求められている「らしさ」を裏切らない構成になっていたと思います。


特に印象的だったのは、彼がらしさを語る時、彼以外の人のらしさ(メンバーとか)も滲み出ているような感覚になったことでした。
過去に見てきた展示で「自分らしさ」を表現するために他者が登場する作品で感じたことのない感覚です。
大抵のらしさを語る作品は自分と他者の対比や対話の記録などで自他の違いを表現するのに対し、彼は他者の経験や人生さえも自分の一部として「らしさ」に取り込んでいたのです。
これが、意識的なのか無意識なのかわかりません。
思春期を大人たちが決めたグループメンバーとずっといたからこそ身についた、独自の自他との境界の曖昧さなのかもしれません。

見られること、らしさが勝手に語られること。
普通に生きていたら経験しないレベル感で客観的にらしさを眺め続けた人の展示として、強烈な想いと、高すぎるほどの共感能力による優しさに包まれた展示でした。

そして、鑑賞者(多くがファン)への「あなたらしく生きてほしい、それを肯定して良い」という愛に満ちたメッセージがそこにありました。
本当に、どこまでもファン想いな松島聡らしい優しい展示だったのではないでしょうか。



本展がコ。れからの彼が彼らしくいられるための「彼らしさ」の象徴の1つとなることを願ってやみません。


あとマジで余談だけどツアーとかドラマ撮影とかある中であのボリュームで展示作り上げたの、同い年として焦りました。
シンプルに「うわ、私もやらなきゃ」って思ったんで眼高手低してないで手動かします。

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