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19歳の質問「マメコーをはじめたきっかけは?」①

滋賀県湖南市では「SDGsカレッジ」という、中学生から大学生くらいまでの年齢を対象にした事業をしています。若者がまちに飛び出して、自分たちなりに課題を見つけて動き出そうぜ、という企画です。
そこのメンバーである19歳の若者からいろいろ質問を受けました。マメコーはちょっと変わった場所であるので、これまでもいろんな取材などは受けてきましたが、相手によって話すことは変わるというか、背景は多面的なものなので、一つの話にまとめるのは難しいなと感じていました。

今回は、その多面的なところを整理していこうという試みでもあります。
嬉しいことに、毎年、いろんな大学生からインタビューを受けるのですが、これが完成すれば、大学生もインタビューにわざわざ来なくて良くなるのではと思っています。
長くなりました。

マメコーをはじめた理由は、長砂が考える湖南市の課題と、自分の興味との2つがあり、それぞれ簡単にいうと
・若者に湖南市を楽しんでほしい(まちに出てきてほしい)
・自分の場所を持ってみたかった
です。


地域おこし協力隊としてのミッション

仕事としての側面です。地域おこし協力隊の認知度もかなり高くなってきたと思うので細かい説明はしませんが、僕もその1人として2018年1月に湖南市に着任しました。湖南市では、それまでの協力隊が十数名いたのですが、ちょうど僕からは第2期として、大きく方針が変わり「Next Commons Lab 湖南」というチームとして活動をしています。僕はその1人目で、これから集まる協力隊の事務局(コーディネーター)として着任しました。

くだらないことをやる

18年1月の着任式で、谷畑市長(当時)に言われたミッションが「くだらないことをやってください」でした。正直「は?」と思いました。顔に出てたと思います。その真意はいまだにわかりませんが、この後自分なりに解釈できました。

湖南市には若者がたくさんいる問題

そもそも「地域おこし協力隊」というのは、都市部から地方へ人を移住させるための政策です。地方と聞くと、のどかな田園風景が広がり、1人で住むにはちょっと大きい古民家が格安で借りれて、地域のひとから野菜なんかを分けてもらっちゃったり、みたいなイメージを持たれるかたも少なくないと思います。湖南市はまったくそんなことありません。

のどかな田園風景なんてちょっとしかありません。田畑はどんどん住宅地になっています。大きい古民家は取り壊され、アパートになります。1LDKで家賃7万円です。野菜と卵は大家さんがくれます(マジ助かる)。
いわゆる地方が抱える問題は、湖南市ではまだまだそんなに深刻ではありません。

僕の最初の仕事は、これから募集する協力隊の10枠をどんなテーマで募集するかを決めること。リサーチして、湖南市にどんな資源があるかを見つけるですが、まず調べるのが人口構成です。人口は一番信頼できる数字とよく言われるように、社人研が作成する人口推計は、いろんな自治体の総合計画でも用いられています。

湖南市の人口動態を見て驚いたのが、若者がめっちゃ移住してきている!ということです。具体的には20歳前後の若者です。湖南市には専門学校も、大学もありません。にもかかわらず、出ていく若者よりも入ってくる若者が多いのです。しかし、残念ながら30歳ぐらいになると一斉に湖南市から出ていいきます。結婚、出産、小学校の入学などライフイベントのタイミングで湖南市を離れていくんです。

若者がどんどん流出してしまうまちと違って、湖南市の場合は、一度は若者が押し寄せるのに、いずれ出て行ってしまうのです。一度は移住してくるというのはチャンスですが、それがいかせていない。湖南市に住むことに興味をもってもらえでいないのではないか。これが長砂が湖南市の課題だと思ったところです。若者が湖南市をもっと楽しんで、ここに住み続けたいと思ってもらえれば30代での流出を少しは防げるのではないか。

若者にこのまちに出てきてもらうのが大切なのではないか。僕たち地域おこし協力隊のミッションは、同じく外から湖南市に来たメンバーが、湖南市を楽しんで、くだらないことをたくさんやることで、若者たちと一緒にこのまちを楽しむことなんじゃないかと。

そのための1つとして、誰でも新しいことをチャレンジできる場所づくりをしようとマメコーを始めました。

長くなってしまったので以下の内容は別記事にします。

バイブル:マイパブリックとグランドレベル
・2階の事務所
・無料の駄菓子屋


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