ワークショップ アートライティング講座 @東京都写真美術館 かく、みるのヒントを持って帰ったよ。
先日、恵比寿写真美術館(以下TOP)にて開催されたワークショップに行ってきました。年パス買うほど大好きな美術館です。
TOPは主に写真、映像の展示を通年行っています。
報道写真や、新人作家のコンテストがあったり、年一回は映像作品の特集をやったりするのですが、今回は参加したのはその映像祭。
展示作品を一部鑑賞して、その感想を言葉にしよう。というワークショップで、フリーズ、アートフォーラム、アートイットなどでアートライターとして活躍中のアンドリュー・マークルさんを講師に迎えての企画です。
■要点
・「評論は誰にでもできる。そうやって誰もが参加することで、思考や問題意識を共有することができ、アートが成立する。」
・自由にかく、正解はないのでとにかく書く。みるだけではもったいない。
・共有することで、他人の目による新しい発見がある。
■まずは大事なポイント なぜかくの?
「評論は誰にでもできる。そうやって誰もが参加することで、
思考や問題意識を共有することができ、アートが成立する。」
というお話。ワークショップの時間、何回も語られたメッセージです。
・かくことは、思考の整理、可視化になる。
・他人に見てもらうことで、主観と客観を行き来する。
・いろいろなものが共有されることで、人々が影響しあい、蓄積される。
そういったプロセスが編み物のように組み合わさることで、思考の彫刻ができあがる。ということ。
とはいえ、そのハードルは高く感じてしまいます。
・専門性の高さによる、理解のカベ
・かくこと、発信することへのカベ
・伝える技術のカベ
なんかが、とっかかりづらい原因なのでは。
でも心配無用!
自由に考えをかく、正解はないのでとにかく書く。
どんな表現でもOK。箇条書きでも詩でも好きなやり方で!
見るだけではもったいない!どんどんかきましょう!
■どこにかく?
気軽に始める方法として、SNSからがどうだろうと提案がありました。
ただSNSは手軽な反面、反応、フィードバックを得づらいので、鑑賞会など別途フィードバックの機会があるほうがいいそうです。
■何をかく?
内容は
・タイトル 作品について 展示について 自分の関心
があれば十分。
次のステップとして
・自分の問題意識、Painを感じるところ、批評性
が加わるとよりgood。
そういえば、アートの「批評性」について茂木健一郎氏が
それは必ずしも小難しい理屈ではない。世界との向き合い方において、あるひりひりするような感覚。社会のタブーや、隠されたものへの、切り結び方の角度である。
として、Chim↑Pomの「広島の空をピカッとさせる」をあげていました。
■どうかく?
ここからはテクニック的なポイント指南です。
・読者を意識/イメージしてかく。
格言の引用、過去の名作、別のカルチャーと対比 などを持ち出すと読者への視点の提供や、情報提供になり興味を引きつける効果。
・鑑賞体験を自分事に引き寄せて。
自分の等身大のところからの気づきでも、他人にとっては斬新な視点になることも。ワークショップ内では主婦の方の朝バタバタしてしまうことについて反省してます、という視点が面白かったです。
・自己批評性 自立性
読み手に向けて書きつつも、主観的な部分は見失わないで両立させる。
■どう見る?
今回のワークショップでは、ベン・リヴァースの「いま、ついに!」
被写体は、アップになったナマケモノ。40分の変化の少ないモノクロ映像の中で、ほんのわずかな時間上記のようなカラー映像が、音楽(ライチャス・ブラザーズ「アンチェインド メロディ」)とともに差し込まれます。
私たちはその作品に何を感じるのか・・・
ここで講師のアンドリューさんから
視点のヒント
・作品のありかたを観察
森で観察することと、美術館で観察することの違いは?
リアルなものと編集、メディアを経由したものの違いは?
・要素のありかたを観察
なぜこの鑑賞方法なのか?
鑑賞装置の壁の色が赤・緑・青になっていることの意味は?
ナマケモノは作品においてどんな役割?
ロマンティックな音楽が流れているときにナマケモノが映っているとき と、人が映っているときの違いはなに?
・複数回鑑賞して、それぞれに思ったこと
印象は変わった?
新たに気づいたことは?
・作品の、作家の気持ちになってみる
どういう意図をこめたのか?
作品世界にどっぷり浸ったときの気持ちは?
ワークショップの時間が短いこともあり、鑑賞時間は10分。残念ながら、ついに!の瞬間は訪れませんでした。(悔しかったので後日、再確認しに行きました)
その時見たものの感想を立ち話で軽くシェア。10分/200字で書き上げます。意外と皆さんすらすらと書かれる。時間を残して完成です。
「すらすら出てきてうらやましい。自分は遅筆で数日かかることもある」とアンドリューさん。
書き上げたものは読み上げてシェア。意見交換しました。
■この体験で得たもの
冒頭の講師の言葉にもありましたが、自由な気持ちでアートに触れて、その感想をシェアするだけでも、多角的な視点が得られて理解が深まるし、話し合い意見交換することで「私たちが理解した作品像」という彫刻が、参加者の心の中に残ったような気がします。
鑑賞にしろ、ライティングにしろ、思ったより創造的でワクワクする、楽しいものなのかもしれませんね。
今回はいませんでしたが、子どもの視点、外国人の視点など多様性が加わると鑑賞体験がより拡張されるのでより有意義な時間になりそうです。
書いたものは、どっかにしまってしまったので、機会あればシェアしたいです。
鑑賞会とライティングは今後も長く続けていこうと思える、良い体験でした。
鑑賞会は不定期ですが、僕のファシリでやっているので興味あればお声がけください。
4/4 17:30-@ZOOM
17:30-19:00 (Zoom)
一部:アートとどう向き合うか?アート鑑賞について学ぶ会
17:30-17:35 オリエン(目的・進行説明)
17:35-17:50 自己紹介・アイスブレイク
17:50-18:10 前半セッション
18:10-18:20 質問タイム
18:20-18:40 後半セッション
18:40-18:50 質問タイム
18:50-19:00 リフレクション
19:00-21:00 (Zoom)
二部:ゆるゆるアートについて語る飲み会
テーマ:「アートとデザインの違い。アートとは?」
という構成になります。
一部は時間になりましたら始められるように皆さんのご協力よろしくお願いします。
二部はゆるゆるアートについて飲みながら語る会なので入退場自由です。
一部だけでも二部だけでも両方でもOK🙆♀️
laboメンバーもしくはお友達の参加OKです。
一部は参加人数把握したく、お友達も参加する場合はその旨ご連絡いただけますと助かります。
まめさんと楽しくアートについて学ぶ会第一弾です!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?