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レビュー 閉塞感に不快さを感じたら 抜こう。 人智を超えた世界を仰ぎ見る。明治神宮「神宮の杜 芸術祝祭」

■この記事の要点
・神宮に放たれた現代アートたち。異空間の超越体験。

・無料の解説アプリつきでわかりやすい!
 非日常を通して解き放たれる新しい視点とふれあい。

・尊い要素多数!自然の中の穏やかな時間を愛でる。



お元気ですか?

世の中は非常事態で各種イベントは中止。

マスクやらワニやら、ここぞとばかりにあふれる浅ましさが日々のニュースを彩っていて心がすさんできますね。

国民的娯楽の花見は、なんとなく自粛のムードを漂わせる中       唯一変わりないのは、ヤマザキ春のパン祭りぐらいなものです。     (今年こそはお皿をゲットしたいです)

3連休なのに予定なく引きこもり、見るのはスマホとPCの画面ばかり。
日曜になって身も心もカチカチになってしまったため・・・

息抜きに、明治神宮で開催中の「神宮の杜芸術祝祭」に行ってきました!


思いがけずの新原宿駅!

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図らずしてリニューアルしたて1日目の原宿駅!(真ん中の人物の足、躍動感すごくないですか?笑)

高輪ゲートウェイに意識と話題をさらわれて全くこちらのリニューアルを 認知していませんでした。相変わらず、構内には何もない不愛想な駅ですが今までの「ホームから改札までが既に竹下通りへのアトラクション待機列状態」が多少緩和されている・・・のかな?

駅を降りれば目の前は@コスメの基幹店とパフォーマーのメッカの広場。 新たなカルチャの予感がします。いい風吹いてるよ!いい波のってんね!


ということで、すぐ前は入口明治神宮入口 ↓

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●難解な現代美術の壁を取り払う案内ツール

会場である明治神宮の入口で促されるのは専用WEBツールの利用。

美術館の入口で購入する音声案内と似たものを自分のスマホに召喚します。操作感はまあまあ。野外展示のMAP、作品解説、明治神宮のみどころが オールインワンになっているツールです。

これの何がいいかっていうと・・・

・作品前で解説を聞きたいがために操作にてこずったり、理解を深めるために聞きながら鑑賞するので作品の鑑賞時間が自然とのびる。

・スマホの地図を見ながらふらふらすることによって、明らかに鑑賞している/鑑賞したい人が誰の目にも感覚的にわかることで連帯感がうまれる。

・通常美術館で500円程度で提供される音声ガイドを価格マターでスルーしていた人が気軽に試せる。

ことなんじゃないかなと思いました。



実際、ここで過ごす数時間の間に・・・

・地元民で、ここでの散歩を日課にしているおっさんが、ただならぬ様子を察知して話しかけてきた。

・解説を聞きながら分かったような雰囲気だしてる大人(私です)を目ざとく見つけて、からみたがる子供&保護者と交流・会話がうまれた。

というような事があり、
仕掛けにより引き起こされる「普段では体験しえない、貴重な交流の機会」

が用意されていたように思います。それによって

・おっさんに鑑賞レクチャしつつ、ある意味宝探しやぞ、とけしかけたり

・ちびっこ&親御さんと、「これなーんだ?」で遊んでみたり

という交流がありました。



振り返ると

・会場が物理的/精神的に広いこともあって、歩き回ることで肉体的にも精神的にもいい運動だなあ。

・文化の成り立ちや聖性・人々の願いに思いをはせることによって、卑俗な世界から思考/精神的に拡張されて、感覚が広がる体験尊い。

・普段、かかわらないであろうタイプの人たちとの交流楽しい。

と、目いっぱいエンジョイしてしてしまいました。そして一通り見終わった後の解放感は運動とも、勉強とも違う、精神的に抜ける感じ、穏やかで平穏な時間。

なんだか特別な時間を過ごせた気がします。


●少しだけ作品解説 野外彫刻4点

オフィシャルによると、

テーマは、「祭る。祈る。創る。」。神宮の杜を舞台とすることで、日本における「自然」と「文化・芸術」のつながりを再認識し、日本の美意識の再発見と海外発信を目指します。日本の哲学的背景神道の価値観とアーティストの気持ちとをつなげました。

うーん毎回思うが、わかるようなわからないような説明・・・

とりあえず見ていきましょうか。


松山智一 Wheels of Fortune

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自然の力で混ざったような、鹿の角と、鏡のような人工物。



名和晃平 White Deer(Meiji Jingu)

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過疎地や被災地に現れては消えていくという・・・

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白く輝きながら、願い、見上げるような鹿。右下に虹が・・・


三沢厚彦 Animal2012-01B

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やや遠い木々の間に、その存在自体が神秘的なホワイトタイガーが。



船井美佐 Paradise/Boundary-SHINME

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作品と自然の境目がわからない程シームレス。(あえてそう撮っています)

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時折キラッと光って、見える人には見える精霊のようです。



そして、森を抜けると、開けたエリア。

親子が追いかけっこしていたり

芝生に寝転がる人がいたり

まるで グランド・ジャット島の日曜日の午後 のような穏やかで、のびやかな時間に癒されます。

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思い思いに過ごす人たちの中でも、特に気になったのは

この 瞑想彼女、放心彼氏。

20分くらいこの状態をキープしていました。



今回レポートしたイベント

「神宮の杜芸術祝祭」は 12月13日 まで開催の予定。

夏~秋にかけては、宝物殿とミュージアムで企画展が開催予定です。


そのころの野外彫刻は、だんだん神宮の自然となじんできたりするのでしょうか。秋ごろにも行ってみたいなと思える素敵な催しでした。

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