見出し画像

大人になって見返したハリーポッターには魔法以上の面白さがあった(ネタバレあり)

あまりにも有名な映画のハリーポッターシリーズ。先日豊島園のスタジオツアーに行ったのをきっかけにシリーズ全部を見直してみました。

大人になって見返してみると、魔法のワクワク感と同じくらい、複雑な人間の心理の描き方がすごい!と感じました。30歳の今だからこそ発見できた、ハリーポッターシリーズの面白ポイントを書いてみたいと思います。


1. 思春期のウザさがものすごくリアル

特にシリーズ5作目の不死鳥の騎士団あたりから思春期真っ只中のハリーの過剰な自己意識がよく描かれているなぁ笑、と思っています。

・こんなに自分は頑張っているのに認めてくれないもっとチヤホヤされていいはずなのに!
・僕だけが特別なんだ!僕の気持ちなんて誰にも分からない!
・好きでこんな境遇にいるわけじゃない!

改めて考えると、この頃のハリーは日本で言うと中学〜高校生くらいの男の子です。厨二病ちっくな当たり前の感情なんでしょうけど、共感羞恥を覚えるほどにリアルな心情がよく描かれてると思います。

この位の年齢の時って、なんだか自分だけが辛い悲劇の主人公になったような気分に酔うこともありますよね。今になって見返すと、ハリーの態度はまさしく思春期のそれです。それを気遣うロンやハーマイオニーはむしろ少し大人かも?

でも、ロンはロンで、コンプレックスに悩んで2人と衝突する場面も多いですよね。有名人のハリーと、秀才のハーマイオニーと比べて、なんとなくパッとしない自分への自信のなさ。自己嫌悪から被害者モードに突入して周りに当たり散らしてしまう感じが、すごくリアルだと思います。

映画でもそうですが、小説ではもっとあからさまに書かれている気がします。読んでいて、本当にイライラする笑。そんな被害者ヅラしてもどうしようもないだろう!とツッコミを入れながらかシリーズ後半は読み返しました。

2.  スネイプ先生の愛の深さに涙が止まらない。

シリーズ最後「死の秘宝」で、死の直前にハリーの目を見ながら「目を見てくれ」と訴える、有名すぎるあの名シーンです。

シリーズの最初から「ハリーはジェームズにそっくりだけど、目だけはリリーだ」と繰り返されていた言葉の伏線回収の凄さは鳥肌ものですよね。

命が消える最後に愛する人の目で見つめてほしいと訴えたスネイプ先生のあまりの愛の深さと不憫さと報われなさに涙が溢れてしまいました。

色々調べてみると、スネイプ先生役の俳優アランだけは、シリーズの始めからハリーやリリーとの関係を知らされていたらしいです。

その情報を踏まえながらスネイプ先生を見ていると、ただの嫌味な先生だと思っていた表情やセリフに、愛憎の混じった複雑な感情が写っているように見えます。

気に食わないなら無視すればいいのに、スネイプ先生って、なんだかんだハリーに構い続けてるんですよね。大嫌いな人と大好きな人の子どもに、自分自身は嫌われながらも、ずっと見守り続けた健気さが明かされたシーンは、本当に切ない気持ちになりました。

憎まれ役だったはずのはずなのに、最後の最後に大好きになってしまったスネイプ先生。

逆に、ジェームズポッターの方は、シリーズを追うごとに、友達にはなりたくないタイプだなぁと思っちゃいました笑。

3. ダンブルドアのズルさと人間臭さと不完全さ


ダンブルドアは、子どもの頃映画を見た時は完全無欠の優しいおじいちゃん魔法使いだと思っていましたが、実はそんなに単純ではなかったですね。

大きな目的のためなら人を利用するし、騙すし、手段を選ばない。思っていたよりも非情だし、完璧な人ではないのだなぁと思ってしまいました。

シリーズ5巻では何の説明もなくハリーを無視し続けるし、6巻では必要とはいえハリーにスパイ活動をさせて、最終巻では世界を守るためにハリーの死まで計画されていたことが明かされます。

ミステリアスさが魅力とはいえ、あたりにも言葉が少なすぎるし、ハリーが可哀想じゃないか?まだ10代後半の子ども相手に対応が雑すぎないか?不器用すぎないか?と、感じてしまいます。

そういえば、当時最終巻を読んだ時にも、ダンブルドアに対して少しがっかりした記憶が蘇ってきました。

でも、優しさだけではないこの不完全さが、ダンブルドアの人間っぽはなのかもしれません。完全無欠なマグルがいないように、完全無欠な魔法使いもいないんですね。



大人になって見返すと、若い頃の未熟な人間性、目には見えない愛情の形、人の不完全さなど、色んなことが表現されている作品だと思おいました。

ハリーたちが年齢を重ねることで少しずつ変化していく関係性もすごく丁寧に描かれていると思います。

小さい頃は魔法の凄さや見たことない生き物に心を魅了されたけど、大人になった今だからこそ分かる面白さがたくさん詰まっています。

是非、今だからこそ、全てを知った上で全シリーズを見返してみてほしいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?