「ころだま物語」の制作を振り返ってみる。【追加アップデート編】
どうもこんにちは。まめです。専門学校2年生です。
先日書いたブログでも紹介した「ころだま物語」をアップデートしました。なので今回もこだわりや新要素の紹介もまじえつつ、制作を振り返っていこうかと思います。
「ころだま物語」の軽い紹介
動画の前半にゲーム説明、後半に今回追加した要素をまとめてあります。
一応軽く動画の概要をまとめると、
①玉転がすゲームなんです~
②45ステージあるんです~
③画面キレイになりました~
④自分でステージ作れるよ~
となってます。
コンテストの結果が出た!
制作を振り返る前に一つだけ…
僕ら「ころだま物語」をゲームクリエイター甲子園2021というコンテストに出していたんですよ。その結果発表があったのでここで少し紹介させて頂きます。
僕らの作品は…約700作品の中で…
総合第2位を受賞!!
ブァンズァ~イ!!ヤッタズゥオ~!!
たまげましたね。メンバーみんなで大喜びでした。
しかしそれだけではなかったんです。
WOW~♪
…なんということでしょう。企業賞や部門賞まで頂いちゃいました。
その中でもnote賞ですよ!!
以前書いたブログが決め手となり受賞する事ができました。読みやすいなんて褒められたらねぇ。2つ目(この記事)書くでしょそりゃ。
そしてUnreal Engine賞!!
Unreal Engineというのは僕らが「ころだま物語」を作る際に使用したゲームエンジンです。これは今回の追加アプデで実装した「ステージエディット機能」が高く評価され受賞する運びになったようです!
…自慢はこのくらいにしておいて、さっそく制作振り返っていきます!
アプデ内容その1「世界を綺麗に」
シンプルに言うと「見た目が良くなりました」ということです。ビジュアルに関して言葉で語っててもあれなので比較画像をご覧ください。
ライティングってガチで大事なんだなぁ…
比較画像内のステージは一切変わってないんですよ。つまり「プレイヤーのやる事」は変わってない。なのに右側のステージのが楽しそうに見えませんか?恐ろしい分野ですねライティングの調整というものは…
このライティング調整はCG班リーダーの方にやってもらいました。餅は餅屋だね。
アプデ内容その2「みんなでステージを作ろう」
いわゆる「ステージエディット機能」を導入しました。マリオメーカー的なものだと捉えてもらえば差し支えないかと思います。
ここからはこのステージエディット機能について深堀していきます。なお、これ以降このエディット機能は「ころだまメーカー」と称します。
カーソルについて
オブジェクトをクリックするとこのような「カーソル」が画面に現れます。このカーソルは少し特殊で「移動・回転・拡縮」の全てを担っています。例えば「右側の赤い矢印を引っ張るとオブジェクトは横向きに移動」し、「下側の青いバーを引っ張るとオブジェクトは縦に伸びる」といった具合です。
このように変形処理の全てを担わせた理由としては、単純に「その方が便利」だと感じたからです。
仮に「移動・回転・拡縮」の処理をそれぞれ独立した3種類のカーソルで扱う仕様だったとしましょう。
まず「カーソルを切り替える」という手間が入ります。しかもその切り替え方は「キーを割り当てる」のか、「左クリックか右クリックで変わる」のか。いずれにしてもそこに直感的ではない「暗記のコスト」が入ります。
もし画面のどこかに「Aキーを押すと移動モードになります」的なことが表示されていたとしても、その表示に目を動かすこと自体面倒だし、何より「言葉を読んで理解する」という行為がわりと疲れることでしょう。
であればもう「切り替えなくて済むカーソルを作ろう」ということで、あのカーソルが生まれました。「移動系は三角、拡縮系は四角、回転系は丸」「横系処理は赤、縦系処理は青」といったように、極力見た目で判断がつくようなデザインにしました。
画面レイアウトについて
エディット画面に出てくるウィンドウは、大きく3つに分かれており、「重要度と情報量」が異なっています。
重要度は「その機能が無いと遊べないか」の尺度であり、
情報量は「そのウィンドウにある情報の量」を表しています。
それぞれの用途としては
・上の黄色の部分は「配置するオブジェクトを選ぶ」
・左のオレンジの部分は「ステージの保存、選択オブジェクトの解説・削除」
・右の青色の部分は「ステージの生成、各種パラメータの調整、配置済みオブジェクト一覧」
となっております。
一度ステージを作る流れを見ていきましょう。
とりあえず「物が置ければいい」ので、上のウィンドウからオブジェクトをドラックアンドドロップで生成します。その後位置や大きさをカーソルであらかた調整します。ギミックの用途が分からなくなったら左のウィンドウを見れば分かります。パラメータを細かく調整したくなったら、右ウィンドウで調整できます。
このように「基本的に使うなら画面中央部。たまに左側」「ガチ勢の皆様は右側も活用してね」といった感じになっています。こうしておいた方が扱いやすいし、見た目的にも分かりやすいかなぁという事でこのような配置になりました。
エディットモードとプレイモードについて
ころだまメーカーは、カメラの状態を変更することが出来ます。
1つ目がエディットモード。カメラが引いた状態で固定され、エディットに特化した状態になります。
2つ目がプレイモード。いわゆる「いつも通り」のカメラになり、実際にプレイしているイメージがつかみやすくなります。
エディットモード時は「作るぞ!」プレイモード時は「遊ぶぞ!」といった具合に気持ちを切り替えてもらうために2つのモードを作ってみました。
この「切り替わってる感」を演出するためにエディット時は背景を暗くしたりしています。(オブジェクトも見やすくなるので一挙両得)
しかし実のところ、2つのモードでやれることは大して変わらないんです。
エディットモード時でもプレイヤーは動かせますし、プレイモード時でもオブジェクトを動かせます。この仕様を導入した理由は「トライ&エラーを高速で行えるようにするため」なのですが、それについて詳しく次章でお伝えします。
超高速トライ&エラー
過去の記事でもお伝えしましたが、私は「ころだま物語」本編のステージの30弱を担当しておりました。没になった物も含めれば50くらいは作ってるかもしれません。その経験上思ったことは「作る→試す→作る」のループが早くないとやってられないということです。
例えばこんなステージを作るとしましょう。
PVでも出てきた「良い意味で頭の悪いステージ」ですが、めちゃくちゃ調整大変でした。位置・角度・パワーなどを一つ一つ微調整しないといけないからです。
もしもこの「作る」と「試す」の間にラグがあったらどうでしょう。と~ってもイライラします。とにかく「何もできない時間」ってのが罪なんですよね。
そのため、ころだまメーカーは「作る」と「試す」のラグが極力0になるよう心掛けました。その結果「エディットモードで主人公を操作」できたり「プレイモードでオブジェクトを移動」できたりという仕様になったわけです。
つまり「作る・試す」に集中できるよう2つにモードを分けはしたが、ステージ創作活動を円滑に行えるようにするためできることに制限はかけなかった。
といった感じです。
超自己流「ステージの作り方」
ここで一瞬、自分なりのステージの作り方をお話させて頂きます。エディットの操作法がどうこうとかではなく、どうやって考えて作ってるのかっていう部分を紹介します。(そんな大層な事ではないから期待しないでね)
意識している点はずばり「宝玉にどんな動きをしてほしいか」です。
「このステージは、宝玉を○○させればクリア」と簡単に表現できるくらい1ステージでやることを絞っているというのも意識ポイントかもしれません。
あとは「露骨なアピール」もしてました。
経験則ですが、制作者の「簡単」は遊ぶ側の「難しい」ってくらい難易度の感覚がかけ離れていると感じています。「これは簡単すぎてつまらんか?」と心配になるくらいの難易度が丁度いいってことが多々ありました。
いかんせん自分らはそのゲームをたくさんテストプレイするわけで。必然的にそのゲームのプロゲーマーになってしまう訳ですよ。慣れちゃうんですよね難しさに。その状態でステージを作り続けるといつの間にか「難しいゲーム」が出来上がって「つまんない!」と叱られるわけです。
なので結論としては
とにかく簡単に仕上げる意識を持ちながら、「宝玉の動き」を軸に構成を考える。
といった感じになります。
ステージの共有方法について
ころだまメーカーでは自分が作ったステージを他人に共有することができます。逆に、他人が作ったステージを遊ぶこともできます。
この共有機能を手助けしているものが、「ステージデータをテキスト化」するシステムです。
なぜ保存や共有に「テキスト」を選んだのかというと、みんな使ってるからです。メモ帳などにコピペしておけば保存しておけるし、LINEやDiscordなどで送受信して共有もできる。これだったら誰でも簡単に扱えるだろうということでテキストベースにしてみました。
他人のステージを遊ぶ
他人のステージを遊ぶときは、エディット機能内でステージを生成します。そのため他人のステージを改造して遊ぶことが出来てしまいます。
難しかったらやりやすいように改造できるし、「キノコを1つ追加してクリアせよ!」のようにエディット前提のステージも作れるかもしれません。
割と自由がきくのです。ころだまメーカー。
一旦まとめ
とりあえず今回追加した要素の紹介はこんなところです。
ライティングを上手く調整できたらゲームは見違えるよ!ということとステージ考えるの楽しいよ!ということが伝わっていれば幸いです。
ということで一旦ここで区切りとします。ここまでご覧頂きありがとうございました。
ここからは僕の独り言なのでお時間ある方いらっしゃいましたら目かっぴらきながら流し見してってください。
とりあえず作り終えた感想
ゲーム作りに限らず創作活動というものは大抵そうだと思いますが、やっぱり疲れる。ず~~~っとゲーミングチェアに座ってキーボードをタコ殴りにする生活が続くのでたまに人であることを忘れます。ところがどっこいやっぱり完成すると嬉しいんですよね。
なにが嬉しいって、最初はただの妄想だったものが形になって作品になるという所ですよ。ロマン感じませんか?僕は制作期間中常に興奮状態だったのでアドレナリンが出まくったせいか肌荒れやばかったっすね。(?)
「学生」という特権
なんというか、いい意味でなにしてもええやないですか学生って。派手に失敗こいても「まぁ学生やしな。しゃーないわ次頑張り」で終わるし、逆に成功したら「学生なのにすごいやん!」とバカ褒めされる。こんな都合のいい期間なかなかないんじゃないですかね。まぁ自分学生しかやったことないんでわかんないですけど。
そういう面でも作品を完成することができるような環境に自分がいれたというのはありがたい話だなぁと思いますね。
「コンテスト」という環境
恐ろしい場所ですよねコンテスト。井の中の蛙からしたら大海な訳ですよ。でも知らずにはいられないわけで。
僕自身ゲーム大賞アマチュア部門の作品とか、ゲームクリエイター甲子園に出されている作品とか割とチェックするんですけど、やっぱり憧れますね。「どんな意図で作ったんだ?」とか「これを超えたい」とか思う訳ですよ。なのでそういう機会というか、環境を作ってくれる大人の皆さんには大感謝ですね。
最後に
いい加減長くなってきたので締めに入ります。
自分はまだあと1年間学生生活が残っているので、ころだまを超えれるような新しいゲームを作っていきたいなぁなんて思ってます。もし無事に作れたらまたnoteをつらつらまとめると思うので、その時はまた覗いてもらえると嬉しいです。
最後までご覧頂きありがとうございました。ではでは。
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