パチンッ

獣だ。
男なんてただの獣。
獣ケダモノ。

ピストン運動するだけのもの。

パチンッ

弾ける音。

今日も聞こえた。

理性の飛ぶ音。

気のせいなのかもしれないけどこれが聞こえると見え方が変わる。

いつでも。

何回かやって、いろんな人とやって、気がついたことがある。

セックスは男の人を狂わしてしまうらしい。

私とだけなのかはわからない。

ほかの人としてるところを見たことがないからわからない。

もしかしたら私とだけなのかもしれない。

そしたら私は魔性の女だ。

嬉しくもなんともない。

だって音が聞こえたが最後。

私の感覚は遠のいていく。
潮が引いていく感じ。
月に引っ張られる。

目の前のものがただ壊れんばかりに躍動する様は滑稽。

笑いそうになる。

笑うのも馬鹿馬鹿しい。

すごく醜い。

これが種を保存する方法だなんて。

パチンッ

それは相手のことを忘れる瞬間の音。

目の前から私が消えて、ただの自己満足になる。

だから可愛いんじゃん。
友達はそう言ってたけど。

私はそうじゃないなぁ。
話してるほうが楽しい。

たまに安心したい時はハグして欲しいけど。
挿れてほしいなんて思ったことない。

あっ、終わった。

私のことは忘れてんのにちゃんとゴムつけてやんの。