フィギュアスケート選手の高橋大輔さんが演技に使用したマンボの曲

ペレスプラード楽団の代表曲が、男子フィギュアスケート高橋大輔選手の2010-2011シーズンにおけるショートプログラム(SP)で使用されていました。


ペレス・プラード(Dámaso Pérez Prado/1916-1989)は、「マンボの王様」として戦後、世界にマンボブームを起こしました。


高橋大輔選手が使用した曲はペレス・プラード楽団が演奏する、

・「ある恋の物語」Historia de un Amor
・「ケ・リコ・エル・マンボ」Que Rico El Mambo
です。


演技で使用された「ある恋の物語」はペレス・プラードのマンボ・スビーの傑作と言われる名盤「ハバナ午前3時」に収録されたバージョンです。


レコーディングされたのは1956年2月23日、25日、3月7日の3日間で、ペレス・プラード楽団18人のメンバーで演奏されました。

「ある恋の物語」はパナマのカルロス・エレーダ・アラマウンが1955年に発表したボレロで、ペレス・プラードがマンボ・スビーにアレンジして、さらに有名になりました。

動画は私、余語丈範がペレス・プラード楽団にメンバーとして参加した時の「ある恋の物語」最新バージョンです。(2016年ジャパンツアー)


「ハバナ午前3時」のアレンジをもとに「べサメ・ムーチョ~ある恋の物語~キサス・キサス・キサス」をメドレーにして演奏しました。


ペレス・プラードの音楽が大好きな私は、ペレス・プラードのアレンジがひかるメドレーということもあり、とても楽しく演奏させてもらいました。歯切れの良いサックスのスタッカート!高音が輝くトランペット!やっぱりかっこいい!!ペレス・プラードの音楽家としての偉大さを改めて再認識させられました。


もう一つの曲は「ケ・リコ・エル・マンボ」です。


「マンボNo.5」とともに世界にマンボブームを引き起こしたペレス・プラードの代表作です。


ペレス・プラードは1949年に初レコーディング。
アメリカでは400万枚という超ベスト・セラーを記録しました。アメリカではなぜか「マンボ・ジャンボ」というタイトルで知られています。

曲のタイトル「ケ・リコ・エル・マンボ」は「マンボはなんて素晴らしい」という意味で、
略して「エル・マンボ」や「リコ・マンボ」とも言います。

マンボが大流行した日本では、マンボ族やマンボ・ズボンなどの副産物まで生まれるほど

マンボ旋風が巻き起こりました。



「ケ・リコ・エル・マンボ」はペレス・プラード楽団の代表曲としてコンサートのオープニング曲にしています。


さて、高橋大輔選手が使用した音源を探す場合、注意が必要です。

それは「ペレス・プラードあるある」!!

ペレス・プラードは同じ曲を何度もレコーディングしています。つまりオリジナル以降、ベスト盤が発売されるとともに、アレンジを変えて再レコーディングしていることが多いのです。

「ケ・リコ・エル・マンボ」や「ある恋の物語」もたくさんのバージョンが存在します。

ペレス・プラード楽団は30回以上来日公演を行っていますが、日本でも多くのレコーディングがされており、ペレス・プラードファンやコレクターは大変楽しいとは思いますが、
高橋大輔選手が演技で使用されたバージョンをピンポイントで探すとなると、なかなか困難です。

そこで、私がご紹介いたします。

「ある恋の物語」は先述したRCAビクターが発売した「ハバナ午前3時」というアルバムに収録されています。

「ケ・リコ・エル・マンボ」はOrfeon Recordsが発売した「MAMBOS」というアルバムに収録されています。


ペレス・プラードの音楽をお楽しみください!!

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