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卵巣がんお気楽備忘録(7)退院後の生活は意外な難儀さが!?

2021年11月、卵巣がん&子宮体がんの手術のために10日間の入院生活を送った。
10cm以上の大きさに膨れ上がった両側の卵巣と子宮を全摘、付属器官の卵管と大網まで取り、無事に手術は終了。
術後の経過も良かったようで、開腹手術にもかかわらず術後1週間での退院となった。

退院は朝10時。その日は午後から旦那が透析のため、私はゆっくり休ませてもらった。夕飯作りからちまちまと動き出し・・・退院の夜は肉うどんと人参のきんぴらを作った。
こんなもんでも、やっぱり自分で作るゴハンはうまい♪
そして10日ぶりに自分のベッドで寝たら、やはり安心したのかいきなり9時間も寝てしまったわ。

たっぷり寝て目覚め、朝食に念願の5枚切り食パンをトースト。バターにたっぷりイチゴジャムを塗って食べたところで、改めて娑婆に還ってきたことを実感。病院で出る食パンって、薄いし変にあっためてあるもんだからおいしくないのだ。
たかがトーストなんだけど
「こういうのが食べたかったんだよ!!」と感動しながらの朝食。
入院生活を送ると、フツーのことでも何でも感動する。

カラダをひねる、パンツをはく、靴を履く・・・意外にハラの力が必要

さて退院したとはいえ、即今までと同じ生活ができるかというと・・・コレがなかなか大変なのである。
ハラのキズはヘソ下からまっすぐ20センチくらいあるのだが、退院したとはいえ何もしなくてもまだピリピリと痛む。
さらにこのハラのキズ、日常生活の中で地味~~に痛いシーンがあるのだ。

まず、台所に立つ時。洗い物をするとシンクにハラが当たる。我が家は古い団地なので、シンクの高さが若干低く、ちょうどキズがあるあたりが当たるのだ。これが地味に痛い。
テーブルやカウンターなんかも、ハラが当たるとやっぱり痛い。
腹ってのは意外にいろいろなところに「当たっている」ものなのだなあ。

さらに、普段は意識なぞしていないのだが、何をするにも「ハラの力」ってのは必要なのだと実感。
立ち座りや歩くことはもちろん、背伸びをするのも、食器を洗うために前かがみになるのも、
何かを取ろうとカラダをひねることも、靴下履いたりパンツを穿くことにいたるまで全部ハラが大切。
何をするにもハラのキズが「ピリッ」と主張をするもんで、退院してきてから常に下っ腹を意識して生活していたような気がする(笑)。

退院後に役立ったことあれこれ

さて、そんなこんなでハラを意識しながらの退院後の生活。新しく買い求めたものや役立ったものが結構あった。

①ハラのキズを保護するテープ「アトファイン」

これは入院中に女性ドクターが教えてくれた。
「もし傷痕が気になるようなら、傷痕をケアするテープが薬局とかAmazonで売ってるから使ってみてもいいかもよ」
とのことで早速調べて購入。

サイズはいろいろあるのだが、イチバン大きなものを購入。帝王切開で出産した人が使うサイズらしく、ワタシのキズにもしっかりフィットした。
一度貼ると1週間くらいは貼りっぱなしでOKで、剝がれてきたら取り替える感じ。
傷痕がキレイになったかどうかは今でもよくわからないが、とりあえずキズが下着に直接触れない分、少しは傷みが和らいだ気がした。

②スリッポンタイプのスニーカーが便利!
スニーカーを履く時、履き口を広げたり靴ひもを結んだりでどうしても前屈みになる。腹を折ることになるのでやはりキズが痛い。
そこで、手を使わずに履けるスリッポンタイプのスニーカーを無印で購入した。
いわゆる「ズック」なのだが、十数年ぶり?に履いてみたらコレが楽~~♪
と喜んでいたら、世の中ではこういうスニーカーがすでにいくつも登場していたようで、腰の悪い人や妊婦さんにも好評なんだって。なるほど。

③ショーツは絶対にハイウエスト!
入院中に持っていったショーツは、ゆるゆるでウエスト位置が高めのやつ。腹を切るわけだから、お腹全体を包んでくれるタイプの方がいいだろうと思って。自分のショーツのほかに、旦那からもらったメンズのボクサーパンツも用意していったがコレも大正解。
退院後も、ウエスト位置まであるハイウエストショーツをはいていた。
ヘソまわりにショーツが当たるとやっぱり痛いもんで、ハイウエストタイプは快適だった。
オバサンパンツだのデカパンだのと言われても、もうこの年齢になって病気なんぞをすると、カラダの方が大切ですから、ええ。

というわけで、退院後の生活もそれなりに工夫しながら何とか過ごし、退院1ヶ月でパートにも復帰。
買い物、通勤、なんでもリハビリと思って、頑張りすぎずにのーんびりと過ごした。
ハラを切ったので、すべてが元通りとはいかないものの、カラダの回復力と順応力ってのはこんなワタシでもちゃんと備わっていたんだな・・・と、改めて人間のカラダの頑丈さを実感し、自分のカラダにもしみじみと感謝する日々であった。


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