右手でカレー食べてたら、ビジネスに誘われた話
ママンタです。昔話。
大都会東京で真っ黒ブラック企業で働きながら、ボロボロになっていたとき、ある南インド料理の店にたまに行っていた。メインは数種類のカレーやヨーグルトとごはん、パッパド(豆製スナック)がセットになったミールズという定食。インドでホームステイしてた時に食べた家庭料理みたいな優しい味のカレーが好きだった。
特に手でごはんとカレーを混ぜながら食べると味が格別に美味く、その日も右手でカレーを食べていた。
カレーを食べていると、じっと見てくるインド人の中年男性がいた。日本で右手でカレー食ってるとかおかしいから見てるんだろうなと気にも留めずにいた。食べ終わって店の外に出るとその中年男性が待っていた。
「へい、私はオーダーメイドスーツの販売をしてるんだけど、日本のパートナーにならないかい?ホテルに生地のサンプルがあるから見に来なよ(本当は英語)」といわれ、まあだまされても大丈夫かなと、とりあえずついていった。
ホテルに着くとほんとに生地のサンプルがあって、本当だったんだなとびっくりした。ブラック企業で疲弊してた私はとりあえず適当に話は聞いたものの、無理かなあとか言った。
中年男性はの「夜飯行こうぜ。そのまえに酒飲もう(英語)」といって強めのウイスキーを飲ませてきた。
夜待ち合わせて、カジュアルなインド料理屋に行った。中年男性はイギリスに長く居て、私よりも辛い物が苦手だった。奥さんや子供はいると言っていたが、疎遠のようで物悲しい雰囲気になった。
中年男性は香港に行くというので、また東京に戻ってきたら会おうといった。
後日、彼から来たメールに返信はしなかった。
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