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安否確認の回覧板

今日、回覧板が回ってきた。

この地区では、回覧板に目を通したら、「読みました」の印として、名簿の自分の家の欄にその日の日付を書いて、次へ回すことになっている。

ところが、今日の回覧板には、日付を書く名簿しか挟まっていなかった。

※※※

ん?

何も文書が入っていないのに、ただ日付だけ書いて回すって…何かな?

こんな世の中だから、安否確認なの?

※※※

「うちは、みんな、元気です」

の意味を込めて、いつもより大きめに、くっきりと日付を書いて、右隣に回した。

※※※

しばらくして、左隣の家の人が、息を切らしてやってきた。

「さっきの回覧板に、これ、挟むのわすれちゃって~!」

まぁまぁの枚数がありそうな、文書の束を握りしめていた。

苦笑いして、また右隣へ持っていく。

「これ、挟むの忘れたんだって。」

「やだ、面白い(笑)。」

「ね~(笑)。」

※※※

なんだ、安否確認じゃなかったのか(笑)。

でも、おかげで、とりあえず、我が家の右と左は元気ということがわかってよかった。

最近、子ども達も大きくなったし、ディスタンスな世の中になってしまって、夏の夕方の、子ども達を遊ばせながらの井戸端会議なんて無くなってしまった。

だから、ご近所さんとの会話が、妙に懐かしかった。

お互いマスクで、短い会話だったけど。


書斎にて。 maman.




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