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獣の涙---で浄化する

探してみました
「詩のこころを読む」茨木のりこ
ページが黄ばんでるくらい長く持ってます
学校の教科書で知った詩たち
触れることもなかった詩たちを丁寧に優しく熱く語ってもらって
荒れ果てた私の大地を
満し柔らかい草が生えるように
して貰いました
この本の最初のページに
「若い時にはよくわからず、つまんなかったり、へんにひっかかっていたりしたのが年をへてもう一度よみたくなり、手がかりの二、三行や題名などで必死に探す」と
言う経験があると書いておられ、だからこの本の編集の難しさを恐れなかったとつづられてます!有難いことです。あの時のピンとこなかったけど後に必要なときがあるんです
ジュニア向けですけどジュニアもシニアも関係ない必要なときは必要なんです

本の中に石垣りんさんの詩にざわざわざわとしました「くらし」という詩です

くらし

食わずには生きてゆけない。
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
きょうだいを
師を
金をこころも
食わずには生きてこられなかた。
ふくれた腹をかかえて
口をぬぐえば
台所に散らばっている
にんじんのしっぼ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目に初めてあふれる獣の涙。


食べて必要なものを吸収せねば生きていけません。犠牲にしてきたものを振り返れば、なんとあさましいことよ
この詩の解説のなかで、この中には浄化作用カタルシスが隠されてますとおっしゃってます。生々しく感じますが読み手に獣の涙ともに浄化され読み終えれば清々しさを感じ取ります
この詩は峠という章に分類してあり、40代まさしく峠かも---だいぶ前に過ぎたけど








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