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【映画】レディ・バードは若さの象徴だ

今日は映画の記録です。

概要 

表題 レディ・バード
主演 シアーシャ・ローナン
公開 2017年
カリフォルニアに住む高校3年生女子の卒業までの1年を描く物語です。10代あるあるが詰め込まれており、進路、友人関係、恋愛、親子関係、等が話中で描かれています。

若さの痛々しさと強さ

 この作品を30代の自分が見てまず、あー、若いってこういうことだったな...と、身に染みて思いました。主人公は自分の本名(クリスティーン)が気に入らず、自分でレディ・バードと名乗るちょっと痛い子。住む街が田舎で退屈と感じ、遠く離れたニューヨークへの大学進学を目論みます。口うるさい母親にはその企みを言わず、父親を使って内緒で計画を進めます。東部のある大学に補欠合格したのですが、母親にはその時点でも告げず。最後、母親にばれて、怒りのあまり口を利いてもらえなくなります。始めは謝る主人公ですが、次第に、合格したことを誉めてよ、と逆ギレします。この身勝手さよ!
 また、カッコいい男の子と親しくなるためにクラスの中心的女子と仲良くなろうとし、それまで一緒に過ごした女子とは距離を置きます。友達かわいそう...。
 という感じで、痛さと自分勝手さを存分にアピールしてくれるのですが、田舎からの脱出を試みるところなど、所々自分にも思い当たる節があり、若さというものを外から客観的に見るとこう見えるんだなーと身に積まされました。
 もちろん、描かれたのは若さのマイナスところだけではないです。絶対に街を出て東部で暮らしたい、という意思の強さとか、終盤で18歳になり、免許取得や酒の解禁などで急速に見える世界が広がっていくところも少し描かれており、あぁ若いって良いなぁ、と素直に思える点もありました。

親として若さを受け止める覚悟

 今、私は2人の親ということもあり、親目線でも若さというものをこの映画で観察しました。正直、キツいです。自分勝手で、親に言ったら面倒そうなことは黙って勝手に進めちゃって...みたいな。でもこれも、誰もが通る道なんだなと考えると、親としてはなるべく若さを享受させてあげたいというか、受け止めてあげたいなと思えました。全部を受け止めるのは無理でも、できる範囲で。劇中で、主人公の母親が父親に、いつも物分かりのいい親でいる必要はない、思っていることを伝えなさい、というようなことを言っていたのは救いです。親も聖人じゃないから全てを受け止めることはできなさそうです汗。

いつか気付いてくれる

 若さゆえにやりたい放題やっていた主人公ですが、終盤でいままで見えていなかったものに気付き始めます。つるんでいた友人に、楽しみにしていたプロムに行かないと言われて、元々の親友との関係を修復したり、免許を取得し自分ではじめて運転をして故郷の美しさに気付いたりします。最後は、母親が自分宛に書こうとした手紙(捨てられたものを父親がこっそり渡してくれた)を読んで、母の愛を知ります。希望的観測になってしまいますが、子どもが若さを爆発させて衝突することが今後あっても、この主人公のように、いつか家族の大切さに気付いてくれるその時まで、子どものことを待っていたいなと思いました。

まとめ

 ストーリーとしては平凡かもしれません。が、娘目線と親目線で見ることができ、自分自身の過去の若さへの反省と、これから来る子どもたちの若さへ立ち向かう覚悟を養うことができました。ので、個人的には気付きのある良い作品でした。
 ちょっと調べたら、社会的にもなかなか好評な作品だったみたいです。
 自分のこどもはまだ小さいので、10年後くらいにまた見返すとよいかもしれません。

以上

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