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【雑記】お台場の空虚さが好きだ

 今日は雑記です。
 東京のお台場。私はこの土地へ年1回は足を運びます。Base Ball Bearというバンドが東京公演を行うときは、お台場のライブハウスで行われることが多いためです。上京前は、お台場といえば、フジテレビ、ショッピング、夜景、等、キラキラしたイメージを持っていました。が、実際にお台場へ行くようになり抱いた印象は、「空虚さ」という全く別のものでした。

お台場、孤島

 お台場は、田舎者の私からしたら、すごく都会にあるイメージでした。が、実際は孤島でした。直線距離では都心に近いのですが、車を持たない人の主なアクセス手段はゆりかもめ又はりんかい線。どちらも運賃が高く、少しマイナーな路線という印象です。例えば同じ埋立地でも豊洲や月島は地下鉄が乗り入れているのですが、お台場の場合はもう1クッションある感じで距離を感じます。

空間が多い

 お台場は臨海副都心として開発が進められた街で、世界都市博覧会の開催も予定されていたそうです。が、博覧会が中止になったうえに、バブル崩壊もあいまってか、企業も撤退、お台場の開発を進めていた第三セクターもなくなります。その結果、開発が済まないまま街としての成長が止まってしまいました。
 そのせいか、やたらと空間がある印象です。例えばライブハウスZepp tokyoへ行くときに私がよく利用する東京テレポート駅周辺は、無駄に空間が広がっています。ゆとりある、と言えば聞こえはいいのですが、本当に臨海副都心として開発が成功していれば残らなかったであろう空間が、あちこちに見られます。少し寂しいです。

賞味期限の切れたショッピングモール

 私がよく訪れるライブハウスZepp tokyo は、パレットタウンという複合施設の中に位置します。このパレットタウンは、平成10年に開業したそうです。土地借用期限は2010年までだったのですが、なんらかの理由で撤退せずそのまま営業しています。
この一部のヴィーナスフォートというショッピングモールが、20年前にできたせいか、ちょっと作りが古く感じます。フロアがレンガ調の模様だったり、天井が空に見立てられて星座が描かれていたり。よく言えばメルヘン、悪く言えばごてごて。最近開業したショッピング施設と比べると洗練度が落ちます。また、平日に行くとあまり人がおらず、少し寂れた感じすらあります。時代に取り残されたまま営業していて、なんなら10年前くらいにタイムスリップしたような感覚さえあります。

これらの条件があいまって、お台場に、空虚さ、時代に取り残された寂しさを感じます。

私にとってのお台場は、夢の跡

 これは陳腐な表現かもしれませんが、お台場って「夢の跡」だなぁと思うのです。まだ日本いけるぜ!って思ったときに開発し始めたけれど、道半ばになってしまい、中途半端な状態で完成、と言わざるを得なかった。夢を実現する途中で、現実に気づいて目覚めてしまった。そんな雰囲気の街だなぁと。そしてなぜか、その雰囲気が好きです。空虚さ、寂しさ、東京都心にあるのに、本当の都心にはない雰囲気があります。その前時代感がお台場の特徴になっているように思えるのかもしれません。

これから変わるか?

 最近、お台場も再開発が進んでいるそうです。オリンピックも近隣で開催されますし、少しは賑わいを取り戻すのかもしれません。そうすると、私が好きな空虚さは失われてしまうでしょう。
 今年の3月にもライブで行くので、お台場の定点観測を続けて行こうと思います。

以上

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