生きる。

会社の老兵が辞めない。
会社の老兵が儲かる。
会社の老兵にも子供がいる。
その子供が潤う。
その子供が子供を生む。
会社の老兵の家系が受け継がれる。
会社の老兵の家系は繁栄する。

会社の老兵が辞めないから、
末端の社員にお金が行き渡らない。
末端の社員は子供を作れない。
末端の社員の家系は滅びる。

優秀な者とその家系は生き残り、
優秀じゃない者とその家系は生き残れない。

優秀とは、
お金を集められる人の事だ。
お金を集められる能力が高い人の家系は、厳しい競争社会を生き延びて、
自身の家系を繁栄させられる。

では、
家系を繁栄させる事に何の意味があるのだろうか。

生き延びるべくして生き延びる者が生き延び、
生き延びる能力が無い者は滅ぶ。

それに抗う必要はあるのだろうか?

優秀じゃなく生まれた。
お金集めが下手だった。

それは決して罪じゃない。

そんな者は滅びればいい。
滅んではいけない理由はない。
生き延びなければならない理由もない。

しかし生物は、
どんな状況でも『生存』という方向を向き続ける。
細胞は生きようとするのだ。
生きようとすることが自然なのだ。

理性的には滅んでもいいのだ。
本能的には生きようとするのだ。

理性は本能を押し殺す。
それは叶わない現実の、
厳しい現実に直面した、
理性という名の痛み止めだ。

痛み止めがないと、
世の中は辛くて、
とてもじゃないが耐えられない。

「生きようとしなくていい。」
そう言って欲しいのだ。
そう言うことで安心するのだ。

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