4.くっついた

タイトル くっついた
作者 三浦太郎
初版 2005年
出版 こぐま社

この本は甥っ子姪っ子からのおさがりです
お義姉さんがもってきてくれました
いい感じに読み込まれていて、甥姪も楽しんだのかなあと
想像し、受け継ぐことができてうれしいです。

もう、この本はわたしが大好きです
「くっついた」の繰り返しなのですが、
「くっついた」が出てくるたびに、むすめのほっぺや
頭、手などにわたしのほっぺをくっつけて、
「あれー、取れない取れない!」と言って
ベタベタするのが定番の流れです

むすめもこのえほんが好きなようで、
わたしがくっつくとにこにこして声をあげて笑っています
(たまに、イヤそうにされると母は悲しい)

読み手とこどもがくっつきながらえほんを読む、
ほんわかあたたかい気持ちにさせてくれるえほんです

巻末に著者三浦太郎さんのコメントがあるんですが、
三浦さんのお子さんとのコミュニケーションから生まれたえほんが
日本中のおやこに広まっているなんて、
絵本作家というお仕事はとても素敵な仕事だなあと思います
名作えほんです!
これから出産する友人知人に出産祝いで贈りたい一冊です。

ただ、すこーしだけ気になるのが、
最後のページが「おかあさん、おとうさん、わたし」の3人が
くっついた、なんですよね
家族が仲良くくっつくのはすごくいいと思うんです。

思うんですが、母子家庭育ちのわたしとしては、
どうしてもこの「かぞく3人そろってる系」のえほんに
少ーしだけざわっとしたきもちになってしまうのです。

多様性の時代、、、
やっぱり厳然として存在する「ふつう」な感じ。
でもその「ふつう」からはずれる子どもって、
結構いると思うのです。

おとなになれば「まあ、家族3人の構成は圧倒的多数だし、
マイノリティに配慮しすぎるのものねえ」なんて、
さらっと受け流すこともできるのですが、
こどもって、結構その辺敏感なような気がするんですね。

もし私が母子家庭の母の立場だったら、このえほんは
家には置いていないような気がします。

どんな場所にいるこどもたちにも、この「くっついた」の
あたたかさを感じてもらうためには、
もう少し別の結末でもいいんじゃないかなあ、なんて思ったりして。

そんなこと言ったら、昭和時代の名作えほんなんて、
今の子には通じないものとか、今の感覚じゃ微妙だなっていうの、
いろいろありますけどね。

時代ごとにいろいろあるのは全然いいと思いますが、
この「くっついた」は名作ですし、
1人でもおおくのこどもに「くっつくあったかさ」を感じてもらいたいので
いつか「新・くっついた」が出来たらいいな、なんて勝手に思っています。