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Hidden Figures

東京の自宅で録画してあった映画をようやく観た。邦題は「ドリーム」、原題は「Hidden Figures」、訳すなら隠れた数字、表には出ない数字、Figureは数字という意味と人物という意味もあるので知られざる人々、影の功労者といった意味になろうか。静かな感動を覚えた。

全て手計算

この映画は後にアポロ計画へとつながる有人宇宙飛行プロジェクトで計算手として働いていた実在する黒人女性たちの物語だ。ロシアに先を越されて全米が注目し、関係者は大統領の公言というプレッシャーもあって躍起になっている1962年が舞台。宇宙船の軌道、特に離陸と着陸の計算を手でやっていたというのだから驚き。IBMの懐かしきFORTRANも登場するが、コンピュータでなんでも計算する現在からは考えられない手と頭の使い方だ。そしてそれをこなす天才たちが静かな輝きを放つ。

女性が何かをしようとすると必ず壁にぶち当たっていた時代ではないかと思う。結婚した人が働けないとか、いまでは信じられないたくさんの壁が存在していた。そこにさらに黒人という壁も立ちはだかるのだが、黙って形勢を観察しながら、現状打破の道を探る。即時的な解決を求めて叫んだり喚いたりするのとは違う強さ、揺るぎなさを感じた。

積み重ね

この映画の女性たちのように前例がないからと当然のように拒絶され、疑問に思い、奮起して打破する、そんなプロセスで1つ1つ壁を壊してくれたからこそ、今、自分は自由に仕事ができているんだなと思う。静かな感動とともに感謝の念もじわじわと心を満たすのだった。

ケビン・コスナー

フィールド・オブ・ドリームスとかダンス・ウィズ・ウルブスとか、ボディ・ガードとか一斉を風靡したケビン・コスナーがその雰囲気を纏って良い味を出している、と個人的に思った。しばらく主演の映画は観てないし、最後に観たのは、マクファーランド 栄光への疾走という映画。すごく良かったけど(これも実話)、ケビン・コスナー感がなかった。私が上記のヒット映画を観てからこれだけ年月を経て歳とっているのだから、彼も歳をとっているはずなのに、この映画ではなんか40代くらいの若々しい感じがあって、すごく素敵だった。

長寿

一番上の写真は主人公のモデルである実在したキャサリン・ジョンソンさんが101歳で亡くなった時のニュースで使われていた写真(NASA提供)。長く生きて、おそらく多くの人に刺激を与え続けたのではないだろうか。素晴らしい人がいるものだなぁ。この映画、また東京の自宅に戻った時に観たいと思っている。

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