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調馬索

雪解け

雪解けって、チョコレートの口溶けみたいな響きで、ソフトで滑らかな舌触りでうっとり、な感じを想像し、良さげだけど、現実は良さげとはいかない。上の写真をご覧あれ。雪で隠れていたものが露呈する。なんで糞(ボロ)をとっておかないのか、と思うかもしれないが、これまでボロもすぐに凍ってカチカチになるし、その上に雪が積もって見えなくなるから、取れなかったというのが正しいと思う。愛馬の放牧地はドロドロの部分と凍っている部分とシャーべット状の部分が混在中だ。

1週間ぶり

同じ牧場内で、すぐ近くの広い放牧地で1歳馬が3頭で走り回っていたが、15歳になった愛馬は放牧地で走り回ることもない。私が東京に行っている間、運動していなかったので、戻って乗ったら大変だった。

ありあまる元気

乗った感じが、いつもと違って今にも走り出しそうだったので、常歩を長くしたのだが、軽速歩にすると、もう我慢できないと言う感じになり、小さく回して対応しようとしたが、振り落とされ(そうです、落馬したんです)、軽くなった愛馬は尻っ跳ねを5連発くらいして、走り回わった。幸い、私に怪我はなく、音を聞きつけて様子を見に来てくれた乗馬公園の方からのアドバイスを受けて、調馬索をかけることにした。

発散

あれだけ走り回ったが、まだ走りたい様子で、調馬索を回す私の存在など忘れて、思いっきり走っていた。かつて師匠から勢いよく走る馬は、力では絶対に負けるのだから止めようとせず、走り回り続けられる馬はいないから、疲れてくるのを待つようにと教わったのを思い出し、気の済むまで走らせた。ホーホーと声をかけてもなかなか止まらなかったが、声をかけ続け、速歩に落ちたら褒めて、ゆっくり、ゆっくり、とさらに声をかけて、自分の動作も遅くして、常歩にして行った。反対回りも同じように行い、その日はもう乗らずに終了。

調馬索の必要性

冬は足場も悪くて運動不足になるから、1週間乗らなかったら、先に調馬索をかけて馬のハリを取ってから乗るべきだったのだ。今回、身をもって学習した。師匠のところではウォーキングマシーンがあって、毎日必ず運動させていたので、調馬索の必要性を本当の意味でわかっていなかったのだと知る(落馬前にわかっていたらよかったのだが。。。)

次の日からは調馬索をかけてから乗っている。愛馬が走る時の表情とか、自分が乗っているときは見えないし、愛馬と目が合うのがとても新鮮。初日に大いに発散したらしく、2日目からはなんとなく私をチラチラ見ながら走っていて、落ち着いている。

抵抗感のない指示

朝、厩舎で会うJRAの方からも、元気で走るときは、むしろ追ってこちらの指示で走らせている感じにし、疲れたところを見計らって、歩様を落とす指示を出し、馬が歩様を落としたら褒めるのが良いと教えてもらった。走ったら止められた、それでも走りたいから抵抗して走る、というのではなく、そろそろ疲れたなというところで指示がきて、それに従ったら褒められるという、指示に従うことに抵抗感がないようにすることで、舌鼓で前に進むといった他の様々な指示にも調馬索の時に従えるようにできれば、乗った時にも同じ指示が使える。またハミ受けの感じを掴むのにも良いそうで、調馬索は馬のハリを取るのが目的だけれども、色々な練習になるとのこと。

追い鞭

それを聞いたら、なんだか調馬索が楽しくなってきた。今回、追い鞭なしで回しているが、追い鞭のタイミングは脚のタイミングと同じだと以前、乗馬公園の方に教わった。いつ脚を入れるのが効果的か、常に使っていたら効かなくなるのもわかるようになる、と。

よく観察すること

どれくらい間があいたら調馬索をかけるべきで、どれくらい続けるべきなのか、よくわからなかったので、JRAの方にこれも質問したら、ハリを取るのが目的だから、張っているなと思ったら、調馬索の時間を長くし、馬が頭をあげて回っていたのが、いかにもリラックスして頭を下にして回るようになっていれば、調馬索の時間を短くして乗る時間を長くするなど、様子を見て判断ですね、何日空いたから、何日間調馬索を何分間回すといった指標はないですよと苦笑い。きっと変な質問をする人だと思ったと思うけど、丁寧に教えていただいて、本当に有り難かった。プロが馬のどこを見て判断するのか、ヒントをいただいた気がする。これからはもっと注意深く馬を観察します。

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