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変わってはいけない

私は 何年間も ノイローゼでした。
私は 心配し 落胆し 自分のことしか考えませんでした。
皆が 私に 変わるようにと 言い続けました。
皆が 私は ノイローゼだと 言い続けました。

そして 私は 皆を 恨みました。
彼らを もっともだと 思いました。
そして 変わりたいと 願いました。

でも 変わる事が 出来ませんでした。
どんなに 変わろうと 努力しても。

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私を 何よりも 傷つけたのは 
親友も 私を ノイローゼだと 言い続けたことでした。

彼も また 私に 変われと 言い張るのでした。
そして、私も 親友の 言うことは もっともだと 思いました。
でも 私は、彼を 恨めしく 思う気持ちは 抑えられませんでした。
私は 気力を 失い 何もすることが 出来なくなりました。

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それから、ある日、
「彼」は 私に 言いました。

「変わってはいけない。君のままで いなさい。
   君が 変わろうと 変わるまいと どうでも いいことだ。
  私は ありのままの 君が 好きなんだよ」

これらの言葉は 私の耳に 音楽のように 響きました。
「変わってはいけない、 変わってはいけない、
  わたしは 君が 大好きだ」

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そして 私は 安心しました。 
そして 私は 生き返りました。

そして あぁ なんという 不思議 私は 変わったのでした。
今、わたしは 知っています。
わたしが 変わろうと かわるまいと 
私を 愛してくれるだれかを みつけるまで
わたしは ほんとうに かわることは できないかったのだと

shimizu 旅立ち

神様、あなたは 
こんな 風に 
わたしを 愛してくださっているのですね。。。
『小鳥の歌』 アントニーデメロ


眠れぬ夜を過ごし、目が覚めると、この本に 目がとまった。
ぱらぱらと、ページをめくると ドッグイヤーがしてある。

「変わってはいけない」

 言葉が 胸に響いた。

  わたしは このまま で いい

   いや むしろ 変わってはいけない とは

  このまま が いい、、、のだと 。。。

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        静かな 時間が しばし 流れた。。。


。。。。携帯の バイブが なった。
懐かしい名前 和子さんだ。

「お元気? なんだか あなたの声を 聞きたくなって、、、」

和子さんは、狭心症になって入院し、退院後、数日たち、
ふと、私の事を 思い出した という。
今年、86歳になった と言う。

「あなたが 以前 境界線の話を してくれたでしょう。。。
 今、その時に 書き留めたことを 見ていて、
 つい、あなたと お話ししたくなったの、」

全く、覚えていない、が、彼女は とても 救われたと 言っている。。。

「あなたの調子は どう?」

私は、この数カ月の 出来事を 話した。 
彼女は、もしかしたら、体に なにか原因が あるかもしれないので
きちんと 病院に行くようにと、アドバイスしてくれた。

そして 彼女に アントニーデメロの「小鳥の歌」の話をした。

彼女も、アントニーデメロの愛読者であり、親子ほどの年齢差はあるが
彼女と 私は 双子のような 共感性、共時性 がある。

そして、彼女は 言った。

   「そうよ、変わらないでね。。。 

    わたし 本当に ありのままの そのままの 

    あなたが とっても 好きよ」


彼女の 美しく 上品な 笑顔が 見えたような 気がした。


私が 刺繡に興味を持ったのも 彼女との出会いがあった。
彼女の お宅の壁には 沢山の刺繍の絵が あった。
私も 同じ教室で 習い始めた 途端に 人生のドミノ倒しが 始まった。

まず、112歳の義理の祖母が 倒れ 次に 父、母 の 介護 看取り 相続問題
息子の 卒業 就職 休職 転職 引越し 
水害による 避難 改築 と、、、 続き
今年の5月の 義母の葬儀を 最後に ドミノ倒しが 止まった。

遺品やら 家財の 何百というダンボールの ドミノ倒しの 
流れが 止まると 
そこは 地獄のような 静けさが あった。。。


  そこは 魂の暗夜だった。。。 無能感の闇が あった。。


暗夜に 脅え 暗夜から 抜け出そうと もがいたり 
抜け道を さがせば 更に 深みにはまる
過去に戻り 胸掻きむしられ
未来に迷い 胸が潰れそうに なる を 繰り返した


そして 疲れ、、、あきらめた。(現実を 明らかに 見た)


ただ、待つしかなかった。。。 何も せず ただ あるがまま を見つめる。。。

判断も 反省も なしに。。。


しかし、ただ 待つことを 受け入れたとたん
 空に 光が さした。。。

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暗夜があっても いい。。。 暗夜があって こそ 朝が来る。。。

暗夜の 中で 朝は ずっと そこで 待っていたことに 気付いた。


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和子さんは 「じゃ、またね。 
          一人で 頑張らずに 神様に お委ねしてね。
                         祈ってるわよ。。。」

そう言って、静かに 電話の声が 消えた。。。


そして、気づいた、、、
あっ、これは、私の 言葉にならない 呻きの
神 からの 応え だったの かもしれないと。。。


「変わってはいけない」


これは 言い換えれば 「そのまま そのまま」。。。


変わらずに このままで
わたしは あなたは 全ての命は
愛されている。。。 
それが 現実 
これが 事実 そして 真実。。。


ありがとう。。。 わたしも そのままの あなたが 大好きです。。。



表紙 みづたまさん 写真 清水 友邦さん

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