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台所の心理学者  逆転のレシピ

熊倉伸宏という精神科医がいた。

甘えの構造の著者、土居健郎先生の一番弟子。
彼が今、どうしているのかは、わからない。 
彼と出会ったのは、2014年4月

2013年の1月、父が肝臓癌になり、余命数カ月の宣告を受けた。
私は、生きている父を前にして、姉妹から、相続放棄を要請された。

悩んでいた時、熊倉先生の授業の後、帰り際、ばったりと出会った。

先生に、自分の気持ちと、その時、飲んでいる薬のことなど伝えた。

  彼は、言った。

「そう、あなたがね。。。

  でも、結構、ある話だよね。。。

   そして、逆転が起こるかもしれないよ。。。 」


私 「えっ、、、 結構ある話、、、

    逆転???

     逆転とは? 」

熊倉先生は、やせた背と、目の皺を 少し丸めて、言った。


「起こった出来事が 良かった、になるって、ことかな。。。 」

私は、先生の言葉に 背中を ポンを叩かれたような
不思議な感覚がして、我慢していた涙が、一気にこぼれた。。
先生は、ハンカチを差し出しながら



「あなた、先週、授業休んだね」



涙が、滝のごとくに流れた。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


彼は、私の不在を知っていた。。。


60人以上はいる生徒の中で、たった一人の私の存在を覚えていた。



やられた。。。 彼は、本物の精神科医だ。。。



、、、涙が止まらなかった。


 それから、私の心が動き始めた。


人の言葉は、人を生かすことも、打ちのめすことも出来る。。。


  彼は、私に、コトバを 与えてくれた。。。


青いギンガムチェックのシャツに 
スリムのジーンズをはいた 熊倉先生。。。


熊倉先生、報告です。


実は、先生が大学を去った日に、私も退学しました。
その翌年の秋、父の相続の権利を
そして、その2年後の秋に、母の相続権利の放棄をしました。

母が亡くなる1カ月前に、
息子が、弁護士の道を諦め、推薦で就職した会社で
パワハラに遭い、心身ともに疲れ果て、、会社を休職、転職、、

母が亡くなって1か月後に、水害に遭い、家屋が半壊しました。
自分が 抱きかかえていた家財、生活必需品、見栄、執着、エゴ、、
全てが、汚水に飲み込まれ、ごみとなり、


握りしめていたものを、手放さざるを得ない状況が 重なりました。


そんな時、思い出しました、先生の言葉を。。。


 「逆転するかもね。」


そして、自分で何とかしようとすることを諦めた時、


 本当に、逆転したのです。。。


相続を放棄したら、姉妹の目と、お金から、自由になり
働くことが、楽しくなりました。
家はすっきりとし、以前よりも、住みやすくなりました。
息子は、転職しました。。。


 これで、良かった、と、一息をついて、、、


noteを書き、新たな 繋がりと達成感を 得ました。。。。
そして、思いもしなかった 誤解や拒絶 がありました。。。
時を同じくして、息子は、また、心身ともに疲れ、休職しました。。。


 苦しみ、もがく、4カ月。。。


もがいた挙句、思いを手放すと、事態は変化しました。
息子は、念願の実業団に入りました。
しかし、息子の巣だった家で、私は、不安で、心配で。。。 


 私は、自分を信じてないこと、

  意志が弱いことを、認めました。。。

   あらたな 逆転劇が 始まっています。。。


あれから、8年経ち。。。
 また、光に 向かって
  一歩、足を前に 出しました。

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熊倉先生。。。 

  いつか、 どこかで、

   また、お会いしたいです。。。

#熊倉伸宏 #光 #暗夜 #逆転

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