住人のキロク#5


「私とままごとハウス」


 まず1番に、今、私の心はとても満たされています。それは安心できる場所、帰る場所があって大切な人たちが私の生活の中にいるからです。ままごとでは毎朝「行ってらっしゃい」って仕事に送り出してくれて、「おかえりなさい」って仕事から帰ってくるのを待ってくれている人がいます。美味しいご飯を作ってくれて、時には作り方を教えてくれて、「美味しいね」って一緒にごはんを食べてくれる人がいます。嬉しいことがあったり、悲しいことがあったら、自分のことのように話を聞いてくれる人がいます。なにかしらのくだらないことでお腹が痛くなるくらい大爆笑しています。この温かさいっぱいの毎日が私はとても好きです。


 ままごとで暮らす前、私は2年間職場の近くで一人暮らしをしていました。その頃の私は毎日精一杯でした。仕事して、帰ったらすぐに寝て、うまく寝られなくて、でも、また仕事に行って…1日を生きることに必死で、何の余白もなく、ただただがむしゃらにもがいていました。自分の気持ちを自分の中だけで処理しきれない時には、苦しさや悔しさを感じていたけど、自分でその気持ちにさえも気づかないふりをして過ごしていました。

 ままごとに引っ越してきて最初の頃は、初めての空間にとても緊張したけど、なんでもない日常の中にみんなの優しさがいっぱい積み重なって、楽しい出来事が毎日更新され続けて、今ではままごとがとても居心地の良い場所になりました。距離感もちょうど良くて、私はみんなとわいわい騒ぐのも好きだし、みんなが騒いでいるのを隣で眺めているのも好きです。仕事があって、みんなに会える時間が少ない日でも、「おはよう」とか「おやすみ」とか、この何気ない一言を交わすだけで私の心は充電されます。ごはんを沢山食べられるようになったし、ぐっすり眠れているし、季節が変わったことにも気付けるようになったし、これからのことを考えられる心の余裕もできてきました。

 ここに住んでいるみんなはとても個性が強いけど、年齢も性別も職業も様々だけど、一人一人が人に対して本当に温かいです。直接言うのは恥ずかしいから言わないけど、みんなは私の憧れです。最近、「ままごとハウスに住む」という一大決心をした、数か月前の自分は間違ってなかったなと勝手に自分自身を褒め称えています。ここでみんなに沢山支えてもらっているからこそ、これから少しずつ恩返しができるように頑張ろうとみんなの存在が原動力にもなります。

 私は日常の中に幸せが沢山溢れていると、時々、幸せすぎて「こんなに楽しくていいのかな?いつか終わりが来てしまうんじゃないかな?」と不安に思うこともあるけれど、良いことも悪いことも何が起こるか分からない世の中だけれど、今はままごとに住みながら、この瞬間を楽しく生きることに全力でありたいです。

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