住人のキロク#7


“MAMAGOTO HOUSE”での暮らし

買い物がしたければ横浜、自然が感じたければ横須賀や逗子、など電車でどこにでもフラっと行けるこの立地を私はとても気に入っている。通勤時間は長くなったけど、都内に住んでいた頃よりも、心の余裕があり穏やかに過ごせている。

25年間生きてたどり着いた一つの結論がある。
それは「食べる」「寝る」「人」の3つが揃ってこそ人は元気でいられるということ。

1. ① 食
これは我が家を語る上では欠かせない。
料理はオーナーのあつさんの母が3食作ってくれる。あれが食べたいと言えばリクエストに答えて作ってくれる。
家にある食材は自由に使ってOK、自分が作りたければ作っていい。

社会人になってから気づいたのは、仕事をこなしながらちゃんと栄養のあるご飯を食べるのは難しい。仕事をして帰ってきたら自炊する気も起きないほどヘトヘト、まして残業なんてしてきたら尚更。寝て明日も仕事に行かねばならないから自炊なんてする余裕はない。
そのためコンビニやスーパーのお惣菜で済ませる人がどうしても多いと思う。

母は野菜たっぷりで栄養バランスのとれたご飯を作ってくれる。
ご飯を食べながら「今日こんなことがあって〜」と話す時間はとても幸福である。
食べることは作業ではなく、幸せなことなのだ

1. ② 寝る
人は睡眠不足や生活リズムが乱れると、いとも簡単に体調やメンタルの調子を崩すようにできている。
寝て体をしっかり休めて疲れをとり、明日に備える。こんな簡単なことが忙しく生きていると難しくなってしまう。
家事という作業を母に外注することで、それぞれ自分の仕事や趣味に全力投球することができる。家に帰ればご飯があるから食べて風呂に入ってすぐ寝ることができる。家事という作業を外注することで時間に余裕ができるのだ。

1. ③ 人
人がいてこそ自分の存在を実感することができる。おはようおかえりと声をかけてくれる人がいて、自分はここにいるんだと思える。
この家にいると、仕事をさぼっても、家に引きこもっても、無職であってもありのままの姿を肯定してもらえる。一度仕事を辞めていたりとどちらかと言うとレールから外れている人が多いからかもしれない。この家には当たり前やこうあるべきというのがない。

月に一回家族会議があり、そこで不満や改善点は話し合う。だが12人もいると自分のこだわりを貫き通せるわけではないから、どうやって自分が気持ちよく生きられるか工夫する必要がある。ある程度の妥協や諦めも必要なのだ。
他人は変えられない。変化を強制することは違うし、その難しさがあるこそのシェアハウスだろう。

とにかく自由であることがこの家の居心地の良さの要因だろう。
誰か話したければリビングに行き、一人になりたいときは自分の部屋にいる。
自分が心地よいと思える暮らしを自分でつくっていく。自由の中で住民たちは自分の生活の軸やこだわりを持って暮らしている。


<“居場所がある”ということ>
居場所があるからこそ人は一歩を踏み出し頑張ることができる。
どうなっても受け止めてくれる・帰れる場所があるということは大きな安心と自信になるだろう。

一人暮らししてこそ大人というイメージがある。
実際実家を出たことがない人はそうじゃない人と比べて低評価されがちである。
だが一人が向いてないのなら、助け合えばいいと教えてくれたのがこの家である。

帰宅して「おかえり」と言ってくれる人がいるのが嬉しい。朝起きて誰かがいるのが、一緒にご飯を食べられるのが嬉しい、夜ベッドに入ると誰かの生活音が聞こえるのが心地良い。
居場所がある、人と暮らせるって幸せだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?