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【マリ滞在日記】とりあえず、マリの空気に身を任せてみた

トントンアミドゥのキュートな生活🐈


無事入国した私達の滞在先は
叔父さんのビックハウス。

二階建てのサーモンピンクの大きな家が
大きな青空に映えている。

田舎から来た若い夫婦の家がポツンと一軒
家を囲む高い塀の入り口付近に佇んでいた。

彼らは家族でも、親戚でもない。
セキュリティーとして雇っているらしい。
車で帰宅時、塀の外からクラクションを鳴らして
中から彼らにゲートを開けてもらう。


カラフルな住宅


マリの住宅はほとんどが大きな塀に囲まれていて
とてもカラフル。
走る車の中からアフリカ独特の、まるでアートの様な街並みを見るのが好きだった。

旦那の実家は高い塀に囲まれた敷地内に5つ建物がある。
家族の敷地にいくつかの親戚家族が一緒に生活するのが伝統的らしい。

また、田舎から出稼ぎでやってくる人達を
ハウスキーパーやセキュリティに雇うのは
よくある光景のようだ。

叔父さんの家の庭には
パパイヤの木があり自由に食べることができた。


そして勝手に住みついた華奢な猫が1匹。
(叔父さんは猫が嫌いなのに住み着いてしまったから仕方なくご飯をあげているらしい。滞在して3週間目には猫が子供を産んでいた。)


右奥にトントンアミドゥ

現地の民族語バンバラ語で
"叔父さん"を「トントン」と呼ぶ。


トントンアミドゥ(叔父さん)はディズニー映画に
出てきそうな、なんともキュートな佇まいをしている。


フランスで大学教授をしていた
トントンアミドゥの背中はかなり丸く曲がっていて
肩に首がめり込んで本来の身長−10㎝って感じ。

長年机に向かい、学問に携わっていたのを物語っている。


それでも、元々の背は高いので166㎝の私を見るには
なんてことないが

188㎝の旦那を見るときは
大きい眼鏡のフレームの上の隙間から
旦那の顔を覗き込むようにして見る。

(きっと、真っ直ぐ立ったら旦那より身長は高いだろう)

その光景が”かわいい鼻メガネおじいちゃん”って感じで好きだった。


トントンアミドゥは朝起きたらゆっくりエスプレッソを飲んで

玄関のドアの前で待ち侘びている、猫に餌をあげに行く。

ゆっくり、ゆったり、歩きながら、
決して猫を撫でたり、話しかけたりしないが、
ご飯を与えて、ちゃんと食べているのを確認して

付近の異常がないか確認してから
また、ゆっくり、ゆったりと家の中に戻ってくる。

私はキッチンからコーヒーを飲みながらその光景を眺めて癒された。

猫は嫌いなはず。でもちゃんと、見守っているのが分かる。
垣根の中で子猫が産まれていた時はとても優しい顔をしていた。

マイペースなマリ人の生活🐈


滞在して一週間、私の体内時計はかなりペースが乱れていた。

日本での生活はまさに”効率重視”
忙しい毎日で逆算、逆算で時間を気にしながら日々生きる。

旦那の見送り後、出勤のバスや電車の時間に合わせて支度をし、
通勤電車の中で考えることは”いかに定時で上がれる段取りを組むか”

昼休憩にはパソコンに向かい、ランチを食べながら間に合っていない仕事を片付け、頭の片隅では夜の晩御飯を考えている。

「ああ、旦那は今日は昼ごはんを食べられただろうか。
 忙しくて食べていなかったら、きっと腹ペコで帰ってくる。
 空きっ腹に糖質は血糖値があがるからなにか前菜から最初に出さなきゃ。
 
 どうせ、仕事の後の癒しの一杯をすきっ腹にカチコミやがるから、
 その前になにか、きゅうりか、豆腐か、お腹に入れないと、胃腸に悪い。    
 冷蔵庫に何か入ってたかな。

 。。。。ああ、面倒くさ。笑」

世の中の奥様たちは、きっと同じようなことを
考えながら夜ご飯に向けて一日の段取りを組んでいるだろう。

子育てをしながら、仕事をしながら、頭の片隅で旦那の健康をも気遣っている。

本当に忙しない生き方だ。
1年が一瞬で過ぎるわけだよ。


一方、マリでは時間の流れが全く違う。

ゆったり、ニコニコ、マイペースに暮らす人々の中で
私一人だけが”何かしなきゃ、何かすることはないか”とソワソワしていた。

「ご飯の支度、手伝うよママ。」

黙って座っているのが我慢できなくなった私が義母に言う。

「いいよ、大丈夫。YUHOは蚊に刺されないように部屋の中で休んでて。」

義母のいる実家には田舎から出稼ぎに来ている
おそらく20歳前後くらいのハウスキーパーちゃん達が5人いる。

1家族に1人、家事担当でハウスキーパーがいるので
事足りてしまうのだ。

仕事を奪ってもよくないし、と思いまた部屋のソファに腰掛けた。


みんなはどう過ごしているの??
敷地内の家をフラフラさまよい、家族みんながどう過ごしているか見て回った。


基本的にハウスキーパーが働き、2歳〜4歳の子供たち3人は遊びまわり、年頃のティーンエイジャー女子は携帯をいじり、年配者は座ってコーヒーを飲みながら談笑している。


一通りさまよい終わった結果、

「私は何をしたらいいんだ。」

答えは出なかった。

すでに現役をリタイアしたトントンアミドゥはもちろん、
10歳の息子がいるバリキャリの義姉(保険屋、自営業掛け持ち)も
なんだか生活に余裕がある。ゆったりとしている。

日本の生活と何が違うのか、みんなの心のゆとり、優しさ、温かさは
どんな環境から生まれているのか。

私はそんなことを考えながら、
マリの生活の中で流れる、ゆったりとした空気に身を任せて
自分の体内時計をどんどん狂わせていた。


_おわり

※読んでいただきありがとうございます!

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