カニ飼育記録 -出会い編-
お世話になったコテージのオーナーとお別れの挨拶している時、
子供たちが騒がしくなった。
「カニだ!カニだ!」
オーナーが捕まえて、部屋からタッパーを持ち出して手渡してくれた。
「陸のカニだから飼えるよ!もっていきな」
生き物を飼ったことが無いため誰もすぐに反応ができずにいると、
息子の友達が飼いたいと言う。でもその子の妹が怖がってNGとお母さんに言われてショボン・・・
息子は虫採りもそうだけど、キャッチアンドリリース専門。
そしてもう一人うちの次男は叫んでいる。
「飼いたい!!!!」
いろんな考えがあると思うけど、これをご縁と捉えて私は飼う事をOKした。
息子の友達にはいつでも見に来てね、と伝えた。
軽い気持ちで飼うなんて論に対しては、それは視点が違うので議論不可。
自分に育児論がある訳ではないけど、日ごろから大人が先回りしすぎるのは避けたいと思っている。危ない遊びなら一緒にやってみる、できない事なら練習に一緒に付き合う、そうしてきた子育て歴8年。(短)
今回も、子供ではなく私がいきものかかりになるつもりで連れ帰った。
帰り道の海岸で流木や貝を拾い、ホームセンターで水槽とカルシウム補給になるという石を購入。カニハウス造りの材料を整えていざ帰宅。
拾った素材は煮沸して乾燥させ、それまでは何もない箱の中でソワソワ。
パンを与えるとハサミを器用に使って口に運ぶ姿はとても可愛かった。
種類を子供たちと調べた。「アカテガニ」だそうだ。
私は人生で初めてカニの種類を調べたと同時に今まで食べ物としか見てなかったカニにこの瞬間に情が沸いてしまった。
子供たちもカニの様子を気にするようになった。
キャッチアンドリリース専門の息子もすっかり気が変わっていた。
素材が揃い、翌朝には子供たちとカニハウスを整えた。
もっと大きいカニハウスにしたいね、と想像を膨らませながら長生きさせてあげられるかここにきて過った不安。
早速物陰に。じっとしている。
*つづく*
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