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子育て講座についてのお知らせ

川谷医院で、月1回勉強会を行っています。
その時に、川谷が話していたこと。

「昭和世代は、親と先生が言うことは正しい、という絶対的な価値観があって、それに従順に従っていた。もちろん、その中には間違っていることも多々あったけれど、そういう絶対的な価値観があったから、自然と社会の道理が身につくところもあった。 平成20年代以降の世代は、親や先生に、自分の主張ができるようになった。それは子どもを尊重する上で大切なことではあるのだけれど、一方で、子どもの快不快の感覚を重要視し、不快を遠ざけ快を選択する傾向が強まってしまった。それが不登校の背景にもある。 平成10年代以前の不登校は、そこの道理があったから、プレイセラピーで楽しく遊ぶ経験ができれば元気になって学校に行けていたものの、今はそれだけでは足りない。 ここに何が必要か、我々臨床家が考えていかなければならない。」

昨年の児童青年精神医学会で、川谷の恩師で、児童青年精神医学会の前理事長、東京慈恵医科大学精神科の前教授の牛島定信先生が、
「昭和世代は父親が絶対的存在だったが、平成令和世代は、母親への同一化が強くなってきていて、以前とパーソナリティ形成が異なってきている」
と、これもまた、川谷の話と共通する部分がある話をされていました。
精神科診断基準では表せない心の問題が増えている背景には、心の発達を促す文化の変化があるということを親が知ることは大切です。

それでは、どうしたらいいか。 やはりここは、スピノザの言うところの能動性を引き出すことと、理性を育てることだと思うのです。
本人主体で、社会の規律を考えていくこと。
私たち昭和世代の親は自然に身についていたから、ここを子どもと一緒に話し合っていく、という感覚がなく、だからどうすればいいかわかりにくいと思うのですが。
一つ一つの私たちが当たり前だと思っていることを、子どもがどう捉えているか、そして、親はどう思っているか、お互いに対話していくことで、子どもの考える力を育てる必要が、今の時代には不可欠だと思います。

そこで、9月から開始したオンラインでのペアレントトレーニングを大きく変更し、「パーソナリティ発達を促す子育て講座+αでペアトレ」とすることにしました。

これは、「小児科医としての経験+(悩むことの方が多い)子育ての経験+川谷医院にいる自分」だからこそできることだと思うので、これまでの学びを惜しみなく提供したプログラムにしました。

https://purple894635.studio.site

2月から開始します。

これまで、川谷医院のペアトレを受講したいからという理由で受診される方もいらっしゃったのですが、わざわざ受診されなくても受講できます。
また、一般的なペアトレは思春期前までを対象としていますが、私は思春期でも対応できるような工夫を加えています。
さらに、過去にペアトレを受講したことがある方には、ペアトレ部分を除いた子育て講座のみ受講して頂けるようにもしています。
オンラインで開催することと、これまで川谷医院でペアトレを行ってきて、参加者同士でのロールプレイをしたくないという方もいらっしゃったことから、ロールプレイは控えて、その分、チャットアプリdiscordでアフターフォローするようにしました。

皆様のお役に立てたら幸いです。


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