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多様性
昨日あった出来事の備忘録。
昨日は12時出勤だったところを、予想以上に客が来ていて人が足りないからと1時間早出することになった。
年始になんでわざわざクソデカシロノワールを食べに来るんやと客を恨みつつ、クソ寒い中を自転車でバイト先へと向かった。あと1時間寝られたらどれだけ幸せだっただろうか…
しかし着いてみるとお店は空いていた。結局めちゃくちゃ暇だった。
私の他にも早出したり、休みだったけど出勤になったスタッフがいたりして皆で拍子抜けという感じだった。
そんなときの事。
ベルが鳴ったので卓番を確認してから注文を取りに行った。向かった先にはおじさんが1人でいたのだけど、「アイスコーヒーひとつ」と言った声は女性の声だった。
私はゼミでジェンダーやLGBTについて学んでいるので、すぐにFtM(Female to Male の略でトランス男性の事。生まれた身体の性は女性だけど、男性として生きることを望んでいる人。)の人なのかなと思った。
キッチンの方に戻ると、大学1年生の男の子と高校1年生の女の子がいて、すぐに「○卓の人声高くないですか?」と私に言った。
「女の人なんですかね?どっちなんだろう」と言われたので、私は「もしかしたらだけど、女性として生まれたけど、男性として生きたいっていう人なのかもね」と言った。2人は分かったような分かっていないような様子だった。
ゼミではLGBTの認知度は広まっているって習ったし、別の授業でLGBTについてグループワークをしたときも、グループの人は全員LGBTについて理解があった。
私が今まで見てきた世界はとても狭いものだったのかもしれない。
あのお客さんがFtMなのか、それともボーイッシュな女性なのかは分からない。けれど、そんなのはどうだっていいのだ。男性、女性どっちなんだろうと思っても心の中に留めておけばいいのに、他人の性や性自認について外野が色々言うのは違うと思った。
若い世代にはもっとそういった理解が広まっているとばかり思っていたので、少々ショックだった。というのも、高1と大1の2人はスタッフの中でも頭が良くてしっかり者、な2人だったからだ。
同時に、見た目が男性的で、声が女性的だったからと言って「FtMなのかな」と思った自分自身にもそれが正しいのか分からなくなってきた。それも、その人の性や性自認を決めつけているのではないかと思った。
そんなこんなでグルグル考えてしまったせいで、例のお客さんの会計をしたときにミスをしてしまった。手間を掛けてしまったのに、その人は少しも嫌な表情を見せないで「ごちそうさま」と爽やかな笑顔をくれた。
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