最近の記事

世界は透明か、不透明かー李禹煥『余白の芸術』

 メモ用に持っていたペンを指の間でクルクルと回す。幾度目かの旋回で指がもつれ、リズムが狂う。ペンがバランスを崩す。そのペン先が、開いていたページの余白に点を打った。  直径数ミリの黒い点は、その小ささに不釣り合いなほどの鮮明さで目に映る。黒点が打たれる前はただの白い紙面に過ぎなかった"余白"が、点に呼応するように波打ち、別の顔を見せ始めたような気がした。  黒点の存在は不可逆な変化で、その変化は余白を通して空間にまで揺らぎを生じさせているかのようだった。  奇しくもその出

    • 目的別:コンテンツを作り分けるコツ

      この記事はSun* Advent Calendar 2022 11日目の記事です。 おはようございます、こんにちは、こんばんは、uenoといいます。 今年の4月くらいから、Sun*の中でコンテンツにまつわる複数の領域にちょこちょこ顔を出させてもらうようになった者です。(以前は採用をやっていたりしました。) それまでは”文章を書くのがちょっと好きな人間”くらいだったのですが、コンテンツづくりをミッションとして持ったことで、それぞれの目的に沿って意図してコンテンツを作り分け

    世界は透明か、不透明かー李禹煥『余白の芸術』