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池袋ウイスキー祭

2月28日まで池袋ジェイズ・バーで「池袋ウイスキー祭」を開催します。

実は2年ぶりの開催になります。2020年までリアルに開催していた「秩父ウイスキー祭」でしたが、翌2021年から22年まではオンラインのみでの開催となりました。当時の状況を思えば仕方のないことだったでしょうが、そのことにちょっとした憤りを感じていました。

何か自分にできることはないのかと思い、ストックの秩父の中から13本のウイスキーを選んで「池袋ウイスキー祭」を行いました。「秩父」ほどの大人数は集まりませんが、それでも「池袋」に集まってくれた人たちの楽しそうな笑顔を今でも覚えています。

その祭は僕にちょっとした気付きを与えてくれました。ウイスキーを囲んで集まる笑顔が好きなんだな。ということです。暖かく賑やかな空気。世の中に閉塞的な空気が漂っていましたから尚更のこと。「その空間を提供できること」を誇らしく思いたい。僕の大切なことの一つなのです。

どんなに大変でも10年も「秩父ウイスキー祭」の実行委員を続けて来れたのも、そういう背景があります。全国から、あるいは世界中から集まる人たち。そして、それを迎え入れる秩父の街の人たち。祭の前日から秩父に集まるワクワクした笑顔を見ると嬉しくなります。

2年前は13本の秩父蒸留所のウイスキーを用意しました。「何を出そうか?」とストックのウイスキーを並べて眺める訳ですが、それはとても楽しい時間でもあります。手に取って眺めるだけでいくつかの思い出が甦ります。瓶詰めされたウイスキーに詰まっているのは時間なのかもしれません。

今年ご提供するのは10本。
2月末日で一旦封印し、また来年の2月に封を解きましょう。

僕が初めて秩父蒸留所を訪ねたのは15年前。とても天気の良い。そして秩父らしい寒い1月の終わり頃の日だったのを覚えています。

ほとんどの設備が整っていましたが、まだ製造免許の下りる前。つまり、製造は始まっていません。僕にとっても初めてでしたが、まだ稼働前の静かな蒸留所を見学させていただきました。

今では考えられませんが、西武秩父駅まで伊知郎さんに車で来ていただき、蒸留所までの送迎をしていただきました。坂を上がって蒸留所の門を通ると、当時は左手にプレハブの事務所があり、その窓から門間さんが大きく手を振って迎え入れてくれたことを思い出します。

蒸留所見学の案内も伊知郎さんご本人に。少し恐縮して帰りの車の中で感謝の気持ちを伝えると「いえいえ、今は失業中ですから」と笑っていたことを思い出します。

少し思い出話が長くなりました。
まぁそれもウイスキーでしょう。

2年前に13本の秩父を選んだ時にカスクNo.順に並べてみました。一番若いもので一桁。直近のリリースでは四桁になっていました。甥っ子や姪っ子が成長した様子を眺めるオジサンのような気持ちになりました。成長を喜びながら、まだそこにある未熟な姿。感慨深い気持ちになったのです。

カスクNo.9と10は2年前になくなりました。二桁にはなりますが、No.22と23がまだ少し残っています。毎年この時期に「池袋ウイスキー祭」を続けて行けば、一番若いもので三桁、四桁になる日も来るのでしょう。

個人的に

一番思い入れがあるのは、やはり池袋ジェイズ・バー向けのPB。2008 − 2014、カスクNo.206の秩父です。瓶詰めされた2014年当時、秩父のバレルは6年程度の熟成が1つのピークなのでは?などと考えていたことを思い出します。

その推論は「ハズレではなかった」と思っておりますが、評価は皆さんに委ねます。2014年といえば「秩父ウイスキー祭」が始まった年。そんな意味でも提供したかったウイスキーです。

消えてなくなる快楽。
それもまたウイスキー。

最後に提供アイテムのリストを載せておきます。
皆様のご来店をお待ちしております。


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