見出し画像

20230715 プレミアム予選 レポート

こんにちは。malsemanです。

去年からチャンピオンズカップ地域予選システムでたくさん挑戦しましたが、今回初めて「プレミアム予選」を通じて権利を獲得しました。
大会前に考えた事が良く当たったことや、最近読んだ記事から学んだ事があって紹介したくて少し書きました。よろしくお願いいたします。




1. 情報収集

皆さんはマジックの大会の準備する時「公式ホームページ」を見ますか?
Season2になってからBigmagic公式ページから「プレミアム予選TOP8」のデッキリストが見れるようになりました。
https://ssl.bigmagic.net/championscup/decklist

凄く良い情報です。韓国語への翻訳は残念ですが…(「덱리스트가」に「가」はいらない)

こちらのページは、「プレミアム予選ではどんなデッキが良い成績を取れたか?」や「彼らはどんな考えでデッキを組んだか?」など色々な参考にできる情報があり、世界の地域予選ファイナルの結果やMOのデータよりも今回の大会にとって参考にするのに適していると思いました。
同じデッキタイプでもリストを見ると彼らの考えや狙いをある程度推測できます。もしくは「この人は私の好みと似ているな」と感じる時もあります。プレイヤーの情報がある場合は名前も判断の根拠になります。
(あの人はこのスタイルのデッキが得意だから信頼出来る 等)

今回私が一番注目したデッキは2023.7.8のIto Motoakiさんのデッキでした。
メインに「碑出告が全てを貪る」1枚・「食肉鉤虐殺事件」1枚、サイドに「碑出告が全てを貪る」1枚・「食肉鉤虐殺事件」1枚・「コラガンの命令」2枚。これを見て、赤黒ミッドレンジが赤黒サクリファイスに勝つためにはこれぐらい必要だなーと少し共感しました。


2. 環境予想

韓国はプレイヤーの数が少なく、デッキを変更しない人が多いです。
変更しても最新MTGOのデッキをコピーする人が多いから、ある程度デッキを予想できます。

(予想内容)
全世界の最新メタゲームは赤黒サクリファイスが1位だから増える。(強いと話題であるのでコピーされやすい、強豪JS2がいる)
公式サイトの最近好成績なものには白単が多いので増える可能性がある。
MTGOで好成績だった赤白ピアデッキは増える可能性がある。
ロータスコンボが得意なプレイヤーは既に権利を取っており比率が減る。
青白ロータスは流行るけど、韓国では普通の青白に比べて少ない。
緑単は優勝者アレクサンダーもいるし緑単のみを使う人もあるが、比率の変化はない。
赤黒ミッド・パルへリオンは普通に使われる。

私がファイナルで使ったグリクシスヨーリオンはみんな知ってるから情報のアドバンテージがなく、アグロには弱い。
持っているカードで可能な選択肢は赤黒ミッド・青白コントロールだけ。

最終的に「予想するメタゲームに合わせて改善した赤黒」に決定しました。


3. 参考記事

もりさんが大会二日前に結構長い記事を投稿しました。

タイトルは「デッキビルダーの練習論、あるいは回したことのないデッキについて堂々と語ること」で、無料部分だけ見たら練習無しで出来る努力や効率的な練習法に関して話す内容だと思いました。
結構挑発的な話もあり、いつも面白い記事を書いているけど今回は少し高い気がしました。でも「練習時間が足りないから記事で強くなりたい」という欲望が強くて購入して読み始めました。

最初の感想は「面白い!けど、な…長すぎる(涙)」でした。
1年間の集大成みたいな感覚で、以前に別の記事で見た内容もより詳しい説明がありました。なんかTV版総集編+新規ストーリーの大ボリューム劇場版アニメを見る感覚でした。

個人的に気に入った内容を一部紹介します。

【無料分中一部】
社会人が1月で練習出来るゲーム数は約144ゲームだ。
(週中2時間・週末4時間/1ゲーム30分基準)
ラダーなどのランダム相手に練習すると、赤黒みたいな流行デッキは30ゲーム以上対戦出来るが、グルールやボロスみたいな強いけど使用率が低いデッキ相手は5ゲームも練習出来ない。
練習量を増やす事が出来ないなら、少ないゲーム数でも充分な練習になるようにする必要がある。さらに一度も見たことがないデッキ相手でも、情報があったらどうやって戦うか考える必要がある。

【有料分中一部】
普通手札にカードが多いほうが良く、展開は早い方が良い。
しかしカードを多く持ったままに負ける時もあるし、早く展開したカードが全滅させられて負ける時もある。
思ったより上手く有利を活かせない「ボトルネック」現状は、土地が出なかったりする運要素もあるが、相手のデッキより早く展開して攻めたり、マナクリを倒して動きを制限する等ゲームプレイで相手にボトルネックを強いることもできる。

練習データを客観視するために定量化・勝負が決まった時の特定が必要だ。
(具体的な方法例・説明)
デッキをマナカーブ順に並べ、各カードがどんな役割なのか考えると良い。

一度も使った事がないデッキも、各カードの意味をちゃんと考えたらある程度デッキの意図が把握できる。サイドボード後のゲームの流れを予測して、相手する時有利な構成を考える事ができる。

世界を見る目からバイアスを排除する必要がある。
(様々なバイアスの紹介)

最初読む時は少し難しい内容もあって途中で疲れて頭に入らなかった部分もありましたが、次の日に改めて読んだら色々学んだ事がありました。
この内容を参考にしてデッキの修正を始めました。


4. 実際適用

メタゲームに良いデッキ・カードは、全てのデッキに対してじゃなく「今回の大会で勝てる可能性が高いデッキ」だと思います。環境読みを間違えたら逆に弱くなるが、成功したら普通より強いデッキになれます。

  • 2 ヴェールのリリアナ -> 2 碑出告が全てを貪る
    (カードの役割を把握して、メタゲームに合わせて改善)

参考にしたItoさんのメイン構成を見て選びました。
リリアナは普通「1ゲームに無駄なカードを捨てるただ強いカード」とか「ほぼ全てのデッキに役に立つ」というイメージがあります。
赤黒ミッドと青白コントロールが多かった環境では正解でした。でも今は状況が変わって、そうではないと思いました。そしたら「もっと多く当たると思う特定デッキに強いカード」を入れるのがそれまでの構成より勝率が上がると思いました。もちろん無駄なカードになる時もありますが、正直リリアナもトークンデッキに当たったらそうなります。そして赤黒サクリファイスとボロスに強い、「碑出告が全てを貪る」に変更しました。

  • 4 税血の収穫者 2 勢団の銀行破り -> 3 税血の収穫者 3 勢団の銀行破り
    (カードアドバンテージのボトルネックを減らす改善/トレードオフ)

私はいつも勢団の銀行破りの使い方が難しくて嫌でしたが、カードアドバンテージに強い事は分かってます。最近の赤黒サイドボードガイドを見ると、ミラーで普通税血の収穫者を抜きます。それは2:1交換されやすく、カード数の損をしたくないからです。
私のデッキはリリアナを抜いたから、その分既存の赤黒ミラーに弱くなったからそれを改善したくて、相手のリリアナに対して一番有効なカードと思われる銀行破りを増やしました。そしてミラーに弱くていつも抜くカードは必ず4枚にする必要は無いから、「同じ役割群:2マナ能動的行動」から交換しました。

  • 2 墓地の侵入者 -> 3 墓地の侵入者 (2マナ除去枠)
    (増やした銀行破りを効率的に使うための改善)

さきほど「2マナ能動的行動」部分で銀行破りが増えたから、銀行破りも攻撃クリーチャーとしての役割を持たせる必要が強くなりました。
そのため3ターン目に搭乗出来るクリーチャーの数を十分にする必要があるから、除去を減らして墓地の侵入者を増やしました。

  • 2 強迫 -> 2 絞殺
    (銀行破り増量による戦場テンポのボトルネックを減らす改善)

今回の一番重要な改善です。銀行破りが嫌いな理由は「上手く使えなかった」であり、「何故上手く使えなかった」を考えると、それは「戦場テンポボトルネックが多く発生した」からでした。
例として「2ターン銀行破りしたが相手はクリーチャー展開。手札には2マナ除去でプレイできる土地がない。ドローすると殴られる。除去するとドローできない。」という状況があります。昔はこの状況でミスして負けることが凄く多かったですが、今考えると両方正解ではありませんでした。
最近の赤黒の「メイン強迫」はミラーとコントロールを意識していることがありますが、「3ターン目銀行ドロー後追加行動」という意味もあります。
ですが私が考えたメタゲームではその追加行動が強迫なら、結局序盤クリーチャーに殴られて負けると思いました。
アグロが増えたら強迫より絞殺の方がいいし、最近緑単や青白相手に残り忠誠度3のプレインズウォーカーを倒せなく負けることもあったからいいと思いました。

  • 4 憑依された峰 2 硫黄泉 -> 3 憑依された峰 3 硫黄泉
    (序盤マナのボトルネックを減らす改善)

私はいつもダメージランドが嫌いでした。「ダメージのせいでアグロに負ける」と思っていたからです。しかしそれは確証バイアスだった気がします。
今までの改善を上手く適用するためには、マナベースも変更する必要がありました。絞殺は1ターン目のラノエルを倒すためにも必要だから、1ターン目にアンタップインする赤マナを出せる土地も増やす必要がありました。そして憑依された峰が多いと2ターン赤マナを出すために仕方なく1ターンにタップインする時も結構あります。
ダメージランドを増やす事でアンタップインとダメージをトレードオフしました。ゲームが長くなったら銀行破りの無色マナで使うため、思ったよりダメージは少なくなりました。昔市川さんが放送で「ダメージが痛い?アンタップできる事に感謝しなさい!」と話していた事も浮かびました。

最終マナベースは18赤(15アンタップ)24黒2変わり谷にしました。
(サイド後絶望招来も使いたいから黒は多め)

  • 未適用の改善案

実はサイドボードを「1コラガンの命令・1食肉鉤虐殺事件」にしたかったのですが、食肉を持っていなくて、5000円高すぎ。。。
試合直前に会場で知り合いに借りる事が出来ましたが、デッキリストの更新時間切れで変更失敗でした。

(最終デッキリスト)

5. 実戦結果

Round 1 vs 赤緑 龍の神の再誕

正直初めて見たコンボデッキでした。

5ターンウラモグ強すぎ

1ゲーム:5ターンウラモグに負け。なんだこのデッキは!
2ゲーム:先手3ターン寓話から、4ターン絶望招来で相手の英雄譚を倒して勝ち。
3ゲーム:2連強迫で竜の神の再誕と寓話を抜いて、苦難の影で死亡誘発を防ぎながらシェオルドレッドで勝ち。
(記事内容のお陰で、見たことのないデッキ相手に慌てなくちゃんと動きを把握して対応できました。)

Round 2 vs 緑単

不利なマッチでしたが、運が良かったです。

1ゲーム:1ターンラノエルを絞殺で倒して、3連続思考囲いの後殴って勝ち。
2ゲーム:致命的な一押しでラノエルを倒してから苦難の影。相手が6マナを揃えられず勝ち。

Round 3 vs 赤黒サクリファイス

一番意識した相手でした。準備万全でしたが。。。

1ゲーム:お互い交換しながらゲームが長くなって、波乱の悪魔コピーまで寓話に対処できないままゲームが進行し負け。
2ゲーム:先手墓地の侵入者・シェオルドレッドの後碑出告が全てを貪るで一掃して勝ち。
3ゲーム:こっちだけ3枚寓話を引いて有利になったが、悪魔で全部処理された後オブ・ニクシリスコピー。シェオルドレッドで対応したがライフが少なかったのでシェオルドレッドを攻撃に使えずにゲームが長くなる。相手はジェガンサを壁にするためプレイ。苦難の影を引いて突破出来る状況になったが相手はフードが7枚あって、殴り切れず時間切れ。

Round 4 vs 赤黒ミッドレンジ

引き分け後のダウンペアリングだったが、負けても生き残れる状況。

1ゲーム:相手の思考囲い・寓話・寓話・シェオルドレッドに対応できなくて負け。
2ゲーム:相手が2連思考囲いで砕骨の巨人と寓話を抜いたが、シェオルドレッドが生き残って勝ち。
3ゲーム:マリガン後1ランド3除去キープ除去が切れた後に出たシェオルドレッドに負け。

Round 5 vs 青白t緑ロータスコントロール

少し不利なマッチだったが、デッキは知っている状況でスタート。

1ゲーム:2ターン銀行3ターン巨人で強く攻める。思考囲いで残骸の漂着を抜く。相手のろロータスが遅く至高の評決で打たれても銀行で勝ち。
2ゲーム:相手マリガン後2ランド止まり。こっちは収穫者から思考囲い・減衰球。勝ち。

Round 6 vs 赤白召集

相手は4-1だったが私が3-1-1だったのでIDを申し込まれたが断ってゲーム。デッキも知っていたから碑出告を信じて。。。

1ゲーム:相手が2ターン目トークン3個を追加したが、こっちは3ターン碑出告で全滅させて勝ち。
2ゲーム:Gobakhanを2回打たれたが、序盤クリーチャーが少なく、こっちは除去を4枚引いていたから永遠にバトルを返せなく長引かせて勝ち。

4-1-1でTOP8進出。

準々決勝 vs 赤黒サクリファイス(JS2)

狙い通りにカードを使って、運も良かったです。

1ゲーム:相手悩みながらマリガン。こっちは除去しながら銀行。相手が色々揃う途中に碑出告で一掃してシェオルドレッドで勝ち。
2ゲーム:コラガンの命令でかまどを破壊して、侵入者で殴る。ライフ4まで攻めたが、寓話・波乱の悪魔を除去出来ず1ターンで15点詰められて負け。
3ゲーム:相手は初動が弱く、こっちはルーン石からコラガンの命令。後で出た悪魔を適切な絞殺ドローで除去しながら侵入者をプレイ。最後に碑出告までドローして今まで集めてたトークンを全除去。最後はシェオルドレッドで勝ち。

準決勝 vs 赤黒ミッドレンジ(ライバルズリーグのMa Noah)

最終戦は強いプロに当たったが、今日の運は絶好調。

1ゲーム:お互い思考囲いで全部抜かれた後、相手が先にシェオルドレッドを定着させる。こっちはトップデッキ除去で対応して、侵入者が残りで勝ち。
2ゲーム:今回も相手が上手くプレイして除去切れの状況でシェオルドレッドを出されたが、今回も早く除去をドローして処理。こっちのシェオルドレッドも直ぐ処理されたが、後のドローはこちらのが良くて侵入者で勝ち。

決勝 vs 赤黒ミッドレンジ

予選で負けた相手。お互い権利を取れたので商品Splitして終了。



考えた事が上手く働いて、記事で学んだことを活用し、運も付いてたから凄く良い結果になりました。

11月の名古屋ファイナルは新しいカードが出た新環境なので、どう変わるか期待しています。

今回も日本語を校正してくれた 茂里憲之さん とJeddal_yail0さんに感謝します。

読んでくれてありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?