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下僕の美学

 かいぬしたる者、鳥さんの下僕として、鳥さんの快適な生活環境を保証することが第一の務めである。
 鳥さんが遊ぶ!といえば一緒に遊ぶし、寝る!といえば暖かく見守る…鳥さんから見えるところにいて、呼ばれたらすぐに駆けつけなければならない。

 そんなかいぬし、完璧な下僕たるべく、きみちゃんがお食事中は、一瞬たりとも気を抜かない。なぜなら、お水を飲みたい、と言われる前にお水を差し出すことが下僕の美学と考えているからだ。

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 鳥さんはむろん、言葉を発することはないので、ほんのわずかなサインを見逃さず、サッとお水を差し出し、かいぬしとしてのポイントを稼ごうという作戦だ。きみちゃんに、「気がきく奴だな」と思って頂けたらこれ幸い。
 お水が欲しい時にお水を差し出し、カルシウムが欲しい時にカットルボーンを差し出し、移動したい時にお手々タクシーを差し出す。これぞ下僕の生きがいなのだ。

 きみちゃんの顔色を伺いつつ、今日も着々とおもてなし精神を、いかんなく発揮している。

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