【小説】なんてったって、アイドル…? 前編
「あん? 今、何て言った?」
「K-POPアイドルになろうと思って、と申しました」
二度目はわざと丁寧な言葉で嫌味っぽく言った陽菜だった。稜央はまだ、何を言ってるんだコイツは、という目で妹を見ている。
「えー、ごめん。君は日本人なのにK-POPアイドルになるとは、どういう…」
「お兄ちゃん分かってないね。今はグローバルがスタンダードなんだよ。国籍関係ないの。アイドルになるために韓国に渡る時代だよ。アメリカンドリームならぬ、コリアンドリームなんだから」
それでも稜央は呑み