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1989 From far east

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1989ー 東欧諸国が一気に民主化に傾いた激動の年に生まれた「かすみ」と「かずき」。2人が革命の舞台となった東欧の国で出会い…。 連載旅小説『1989 From far east… もっと読む
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【連載小説】1989 From far east #1-1 ブルガリア・ソフィア

かすみ、っていいます。 霞を食って生きてるとはよく言ったもの。というほど大したことではないけど。 立派な企業に勤めているわけでもなく、色んなお仕事を転々として、ちょっとお金が貯まっては仕事休むか辞めるかして、旅に出てた。 でも英語は全然できない。もはやミステリー。 フランスが好きだったから、フランス語はちょっぴり。 以前はフランスばっかり行ってた。 そうそう。フランス人の友達が私の名前を発音する時に、微かに「キャスミ」ってなるアクセント「Ka」の発音が好き。ふふ。

【連載小説】1989 From far east #1-2 ブルガリア・リラの僧院~ソフィア市内

朝6時半起床。私にとっては相当な早起き。 食事もそこそこにホステルを出て、リラの僧院行きのツアーをやってる「Hostel Mostel」に向かう。 ちなみにこの「Hostel Mostel」に宿泊すればよかったんじゃないかって話もあるけど、ここはツーリストの間では人気もあるらしく、いわゆるちょっとイケイケな感じなので、英語の苦手な私は避けた、というわけです。トホホ。今泊まってるホステルは、そんなに人気がない。ゲストハウスって感じ? あいにくの雨模様。 トラムはポップな色合

【連載小説】1989 From far east #1-3 ブルガリア・ヴェリコ・タルノヴォ

ブルガリア滞在3日目。いざヴェリコ・タルノヴォへ。元大関琴欧洲の故郷へ。 いかに「ビバ!相撲!ビバ!日本」な感じなのかワクワクしつつ。 ソフィア中央駅近くにバスターミナルがあるので、メトロで移動。 今日もどんより、小雨降る朝だった。ブルガリアに来てまともに太陽拝んでないわ。 バスターミナルのチケット売り場。ブルガリアは旧共産時代の建物をどんどん建て替えたと聞く。そのためかここも新しくてきれい。 「Даите ми един билет за Велико Търново

【連載小説】1989 From far east #1-4 ブルガリア・ソフィア宗教建築を巡る

ブルガリア最終日。 ホステルに朝ごはんは着いていないので、外へ出る。ヴィトシャ通りにはオシャなカフェがたくさんあるしね。 こんなシャンデリアが印象的なカフェに入った。頼んだものはごく普通のサンドイッチとカフェオレ。 ブルガリアでは(他の国でもたまに)コーヒーに代替小さな焼き菓子が添えられている。 朝ごはんを食べ終わってホステルに戻った時、不思議な出来事があった。 ホステルをチェックアウトした後に荷物を預かってもらいたかったのだけど、フロントにいつも人はいなくて、電話を