【連載小説】あなたに出逢いたかった #49
「稜央さんがね、言ってたの。パパの中に "狂気" があって、その血が流れてるんだと思ったら、興奮したって。私それ聞いた時、嬉しかった。そして、すごく共感したの」
遼太郎は手を離し、すっかり氷の溶けたハイボールを口にした。梨沙もぬるくなったノンアルカクテルを啜った。
「稜央さんは私のこと理解してくれて、それもすごく嬉しかった。稜央さんは以前、私と似たような気持ちを抱いていたって。稜央さんがパパの子だから…私たち同じだから、そうだったんだなって」
遼太郎は目を細め、微かに唇