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マリブドッグマーケット、開設当時のお話を続けます。

ネットショップは、おちゃのこネットで開設の目処が立ちました。さて、次に考えることは、お店の名前です。

ロスに旅をした。

じつは、このネットショップを開始するにあたり、旅行に出かけました。行き先は、もちろん、アメリカです。インターネットだけで見ていたペット用品を実際に販売している現場、それらのペット用品を犬たちが遊んでいる様子、そして犬と人間の新しい関係性、などを実感したくて、アメリカ西海岸、カリフォルニアに取材旅行に行ってみました。

ロサンゼルスに宿泊し、クルマでいろいろなペットショップを見てまわりました。この取材旅行の様子は、現在のマリブドッグマーケットにも「ロサンゼルスレポート」として紹介させていただいていますので、よろしければご一読ください。

じつは、ロスを旅先に選んだのは、当初からネットショップのお店を「マリブ」として想定していたことにもよります。

個人輸入でペット用品をアメリカから仕入れている時にも、いつも気になっていたのが、カリフォルニアでした。そこでは、大型犬がのびのびとオーナーと遊んでいる風景が日常でした。カリフォルニアでは、犬と一緒に会社にいくこともできたり、オープンな風土のために「犬は家族であり、パートナー」という感覚が自然に根付いているようでした。

ロサンゼルスでは、サンタモニカに宿泊しました。現在では、日本でもペット用品のお店がおしゃれになっていますが、カリフォルニアでは、なかり先進的だったように記憶しています。

ブティック、と呼ばれるペット用品店では、犬のおやつは、洋菓子店のショーケースにきれいにディスプレイされています。おもちゃや首輪は、カラーコーディネートされ、空間をたっぷりとって、大切なものとして扱われています。

アメリカでは、色、がマーケティングでは大事とされていますが、ペットショップもその例外ではありませんでした。同じブルーでも、日本では見たことがないような鮮やかなブルーや絶妙なターコイズブルーなど、ファッション感覚にあふれる商品ばかりが選ばれていました。

ロスのペットショップを見ながら、「日本でも、このような楽しいお店をつくれないだろうか。ペットショップが楽しくなることで、犬と暮らす喜び、犬がいる幸せを、もっともっと多くの人に伝えていけないか」そんなことを思いました。

お店の名前が決まった

帰国後まもなく、お店の名前は決まりました。

マリブドッグマーケット

ロスの北、クルマで1時間ほどの静かな町、マリブ。そのビーチのはずれにある小さなペット用品のセレクトショップをイメージしていくことにしました。

マリブドッグマーケット、と名付けたもう一つの理由は、これはお店というよりもマーケット、という感覚を大事にしたい、と思ったことがあります。ペット用品を販売するお店ではあるのですが、できるだけ楽しい商品を揃えることで、まるで市場で欲しいものに出会うような楽しさを感じてもらいたい、と思ったからです。

ロゴをデザインする

この名前をもとに、アートディレクターに相談しました。テーマの話、カリフォルニアのイメージの話、そして、ピンクとグリーンの2色を使いたい、とお願いしました。このピンクとグリーンは、カリフォルニアを旅行していて、日本のペット用品にはない色として印象に残った色でした。

ピンクといっても、鮮やかなピンクです。グリーンといっても、少し沈んだグリーンです。その2つの色によって、マリブドッグマーケットの楽しさを感じてもらいたい、と思いました。

アートディレクターは、かなり悩んでいました。なぜなら、私たちの要望が限りなく難しかったからです。

商品名が長い。色を2色使わなくてはいけない。しかも反対色。そして、カリフォルニアのイメージを出さなくてはいけない。ペット用品のイメージをどこかで感じてもらわなくてはいけない。などなど。

最初のネットショップだということもあり、私たちは、期待するもの、要望するものが多かったのだと、今では思います。

しかしアートディレクターは、その私たちの難題に対して、見事に答えてくれました。このノートの冒頭の画像にあるロゴが、マリブドッグマーケットの初代のロゴマークです。

骨型を真ん中に配置し、そこをグリーンにすることで、ポイントをつけてくれました。また、ロゴの下には、サイトのURLを置くパターンを基本に、california と表記をしたパターンもつくりました。


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上記は、ショップカードです。裏面には、import for dogs and you という言葉をいれました。私たちがご紹介させていただくペット用品は、オーナー様とワンちゃんふたりのためのもの、という意味を込めたいと思ったからです。

実際のサイトでは、ペット用品のカテゴリーだけでなく、オーナー様向け用のオーナー様用カテゴリーをつくり、カリフォルニアのドッグライフを楽しむオーナー様におすすめしたいアクセサリーなどをロスで購入し、販売することにも取り組みました。

ネットショップは、ロゴで決まる

ロゴができたことで、ネットショップは、一気に前に進むことになりました。さきほど、多くのネットショップのビルダーがもつテンプレートは、デコラティブなものが多くて使いにくい、という話をさせていただきましたが、このようにロゴをつくることで、サイトの個性が生まれます。もし、サイトのデザインが何かのメッセージ性やイメージを必要以上に持ちすぎてしまうと、こうして作ったロゴと喧嘩してしまうことになります。

ロゴでは楽しいカリフォルニアのイメージを伝えようとしても、サイトのデザインでは、クラシックなイメージを伝えようとする、、、のような乖離が起こってしまうわけです。こうしたことがないようにするためには、サイトのデザインは極力シンプルであってほしいと思います。

たとえば、iphoneで有名なアップルのサイトにいくと、商品画像以外には、必要以上に画像がありません。色もほとんど使わず、真っ白なペーパーの上に商品を並べて紹介しているだけ、という印象をうけます。

そして、それがいいのです。

必要以上にサイトが主張することなく、安心してゆっくり商品のことを見ることができます。ロゴタイプやメッセージにより、ブランドの個性を確認できます。

マリブドッグマーケットも、サイトはシンプルにシンプルに、を心がけてつくりました。色は、ピンクとグリーンを使い、他には余計な装飾は一切つくりませんでした。また、マリブドッグマーケットの挨拶をページにしてつくりました。

上記は、少し奥の階層にしてあまり見つからないですが、開業当初の文章を残しています。かなり荒削り出し、サイトのデザインとしては稚拙ですが思いはこもっているように思います。

ロゴの話から少し脱線しましたが、こうしてマリブドッグマーケットは、2008年7月に開店しました。他にももちろん、ペット用品を扱うネットショップはありましたが、海外輸入品に特化していたサイトは珍しく、熱心なお客さまにも恵まれることができました。

「これで、好きなペット用品を今までよりたくさん輸入できるかな」という程度に思っていたのですが、この後、マリブドッグマーケットは思いがけない進化をしていきます。

この続きは、また改めて書きたいと思います。


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