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今日は、アメリカと日本のペットに対する考え方の違いなどについて、気がついたことを書いてみようと思います。

ペットブティックに行ってみた。

アメリカ西海岸に滞在中に、いくつもの「ペットブティック」と呼ばれるお店を見学しました。いわゆる、量販店とは異なり、オリジナルの商品やデザイン性に優れた商品を取り扱っているお店がふえ、それを総称して「ペットブティック」と呼ばれていました。

冒頭の写真は、ペットブティックというより、従来型の量販店の代表、PETCOですが、アメリカではメジャーリーグのチームをスポンサーするほど、大きな企業であり、日本とアメリカのペットビジネスのマーケットサイズの比較の際に、よく引き合いに出される企業です。

私たちの目からすれば、ペットブティックの商品は、たしかに個性的でデザイン性に優れた商品が多いのですが、こうしたPETCOのような量販店においてある商品も、それはそれで、日本にはないデザインが多く、魅力的でした。アメリカは、色のマーケットと言われ、色のマーケティングが重要視されていますが、どの商品であっても、アメリカの商品は配色のセンスが素晴らしく、たとえば同じピンクであっても、日本でよくみるパステルピンクは少なく、そんなところにデザイン性の違いを感じることになりました。

ペットブティックの大きな特長は、人間のお店と変わらないつくり、です。

たとえば、おやつのお店では、洋菓子店と間違えて入ってしまうような店作りになっています。ショーケースも日本のケーキ屋さんと同じガラスのショーケースですし、店員さんもケーキ屋さんそのものです。

そもそも、売られているおやつも、人間用のおやつのように、とってもいい香りがします。もちろん、人間が食べられます。味はほとんどしませんが。。変わっているのは、よく見るとどこかに骨型マークや足跡マークがあることぐらいです。ドッグウェアのお店も、雑貨のお店も、どれも「ペット用」というような店作りではなく、人間のお店と変わりませんでした。

人間と動物が自然と共存すること。

アメリカを見て回りながら、ひとつの思いがずっと離れませんでした。

それは、犬と人間の関係について、です。

日本ではペットは家族、と考えられ、とても大切にされています。場合によっては、家族以上に溺愛されているペットもいます(笑)。私たちも犬と暮らしているので、その存在は、家族そのものですし、健康管理にも気を遣っています。

アメリカでも、もちろん、ペットは家族として大事に育てられています。しかし、ちょっと違うかな、と思うのは、ペットは家族ではありながらも、動物だ、ということが明確な感じがするのです。

それは、しつけにも現れているように思います。愛犬のしつけでは、主従関係を教えることが大事とされますが、ペットを家族として可愛がりすぎると、ちゃんと怒ることができず、結果として甘えん坊のペットになってしまいます。ペットに限らず、人間の子供でもこれは同じことです。

一方、アメリカでは、この主従関係がかなりしっかりしている犬、オーナーが多いような印象を持ちました。必要以上に可愛がることをせず、人間の生活は人間の生活として、明確な線引きがされているように思います。

たとえば、バーに犬を連れていく時も、犬はおとなしくオーナーの足元で寝ています。オーナーは必要以上に犬に構うことなく、それどころか、犬の存在を忘れてでもいるように、友人との話や食事を楽しんでいます。

ペット先進国ということもあるのかもしれませんが、ペットと人間の関係が、程よい距離感で保たれているのではないか、ということに気がついたのです。

オーナーと愛犬の関係づくりから。

自分という存在が世界にひとりしかいないように、愛犬も世界で唯一無二の存在です。日本では、ペットと暮らす人の割合は、欧米に比べるとかなり低く、ペット文化は、これから育てていくものではないか、と思われます。

アメリカで成長したペットブティックが日本に広まってきたように、これからもアメリカのペットと暮らすスタイルは、商品だけでなく、日本にもやがて広まっていくでしょう。

その時には、デザイン性に優れた商品や楽しいグッズとともに、アメリカが長い時間をかけて育ててきた、ペットと人間との関係づくりの知恵やペット文化もあわせて日本に根付くようになれば、と願っています。

可愛い家族の一員から、独立した生命、個性をもった存在として、ペットを尊重し、お互いを思いあっていく社会が育っていくように、これからもささやかながらの努力を重ねていきたいと思っています。


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