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ネットショップを開設した多くの人が悩むことが、集客です。実店舗よりネットのほうが気軽ですが、何もしなくてもお客さんが来るわけではありません。それは、実店舗もネットも同じです。(写真はロスのペットブティック)

むしろ、ゼロからの集客、という観点では、実店舗よりネットショップのほうがはるかに難しいともいえます。なぜなら、実店舗の前には、人通りがありますが、ネットショップの前には、ほぼ誰もいません。開店したからといって、そのお店を知る人もいなければ、探して訪問してくれる人もいないからです。

楽天なら、集客に苦労しない?

ネットショップの代表的なものといえば、楽天です。モール型ECと言われる楽天に出店すれば、ある程度のお客さまが見込める、と言われています。このモール型というのは、商店街のようなものをイメージするとわかりやすいですね。つまり、最初から「お客さまが訪問してくる繁華街」にお店が持てる、ということです。

そのぶん、楽天の出店料は群を抜いて高額です。毎月10万円以上の基本料金がかかり、さらに決済手数料もかかります。

それだけの出店料金を支払うわけですから、どんどんお客さまが来店していただければいいのですが、実は、そう簡単ではありません。楽天で安定して集客するには、別途、広告を出す必要があります。もちろん、毎月の出店料とは別です。

正直にいえば、私たちは楽天には「ちゃんと」出店したことはありません。

楽天には、スカウトシステムというのがあり、お客さまのリクエストなどにおうじて、楽天から「出店してくれないか」という要請が来ることがあります。その場合の出店料は月々1万円を下回るリーゾナブルなものなので、そのプランを半年だけトライアルしたことは、ありました。

しかし、半年どころか2ヶ月で、退店を決めました。

10万円以上のレギュラープラント比べればはるかにリーゾナブルといっても、無料ではありません。そして、この特別プランであっても、お客さまの来店(アクセス)は、ほとんどありませんでした。広告を出す必要があったのだと思いますが、そうやって費用をかけたとして、どこまで売上げがつくれたのか、当時は疑問に思っていました。

それは、お店のページづくりが制約だらけで、お客さまのユーザビリティを無視した仕様になっていたからです。カスタマーセンターの方とはいろいろなやり取りをしましたが、担当の方によってルールが変わり、ある人は「できる」と言い、その後に別の方から「それは無理」と断られ、、、。完全に疲弊して、退店を決めました。

きっと楽天が悪いのでなく、楽天とは「そういうもの」だったのだと思います。楽をして、簡単に、すぐに集客できるわけない。改めて痛感した経験でした。

独自ドメインのお店をちゃんとつくる。

楽天の経験で、その限界を知ったのは「お客さまのリストが持てない」ということでした。楽天の出店ページから、自社へのリンクはもちろんつけられないうえ、お客さまとつながる手段もなく、すべて楽天を通して顧客が管理されていることは、将来的にも「楽天と運命共同体になる」ことを意味しているように感じました。

マリブドッグマーケットは、開始当初から、独自ドメインを取得してネットショップを運営していますが、その最も大きなメリットは、「お客さまと関係を深められる」ことにあります。

おちゃのこネットを教えていただいた方に、以下のことを強く言われました。

ネットショップで大切なのは、接客です。リアルに会えないからこそ、お客さまとの接点を大切にして信頼して貰う必要があります。メールの言葉遣いはもちろん、商品を発送する時にも一言添える。リピーターの方には特典やお礼をちゃんとする。これは、実店舗でも行っていることですが、ネットショップでは、必ず、しかもより丁寧に行うことが必要です。それができないのなら、ネットショップで継続させていくことは、たぶん難しいでしょう。

開店から12年たった今でも、このアドバイスは身にしみて実感しています。ほんとうにありがたいことに、リアルにお会いできなくても、ネットショップでファンになっていただけた方がとても多く、それは独自ドメインで自分たちのお店をつくってきたからこそ得られた宝だと思っています。

独自ドメインでゼロからお店をつくるのは、最初は苦労しますし、時間もかかりますが、結局は、簡単な近道などはないし、それにまさるものはないのではないでしょうか。

SEOは独学に限る。

独自ドメインのネットショップにとって、真っ先に考えることは、検索対策です。SEOについては、類書も多く、私たちがここで何かを語れるほどのものはないのですが、やってきたことといえば、実は、特別なことは何ひとつありませんでした。

ネットショップを開設すると、どこからともなく、SEOサービスのセールスメールが届くようになります。月々数万円、数十万円の費用で、検索順位が大幅に上がる、というその勧誘は、とても魅力的に思うのですが、「簡単なことには裏があるはず」との思いを胸に、一切、申し込みませんでした。

その根拠となったのは、多くのサービスは半年以上の契約が必要なうえ、契約が終了すると順位が下る、という情報も多く目にしたからです。

コンテンツを自分でつくることなく、HTMLを操作することで順位を上げる、あるいは、被リンクを増やすことでドメインパワーを増幅する、というような「人工的」な方法は、やがて限界が来るだろう、と容易に想像できました。

2008年の当時から今まで、Googleのルール変更はいろいろありましたが、その原則は今に至るまでも、シンプルで変わっていなかったと思います。

それは、一言で言えば「ユーザーの方に有益なコンテンツをつくること」だと思います。キーワードを含む文章を書くこと、タイトルやディスクリプション、altタグの最適化などの基本的なことさえ行えば、後はコンテンツを充実させ、サイトがお客さまのお役に立てることをめざせば、Googleのロボットは、ちゃんと評価してくれたように思います。

結局のところ、集客の要となるSEOでいえば、プロの事業者に依頼するのでなく、基本的なことは本を読んで学び、後は、有用なコンテンツづくりを心がけていくことに尽きる、のではないでしょうか。

マリブドッグマーケットでは、商品の説明だけでなく、犬好きの皆さまのお役に立てるようなコンテンツをサイトで特集するようにしました。ドッグランやドッグカフェの情報、軽井沢や伊豆高原など、愛犬家たちに人気のドッグリゾートのおすすめ情報などを自分たちで経験したことをもとに、発信していきました。

ある時は、サイトに来ていただくキーワード順位で「軽井沢 犬連れ」がかなりの上位になっていたこともあり、やはりコンテンツが大切なのだと気付かされたものでした。



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